私のダンスノート My Dance Notebook


 ダンス用語集 ア行 001~074)
 
  凡例  人物 
    フィガー名集
    省略記号 
     
    索引
私のダンス用語ノート

     
  
001 (a)
「ワン・ア(One-a)/イチ・ト」とカウントしたときの後の方のカウントで、1拍の1/4 の長さがあります。例えば、サンバ・ウィスクは「ワン・ア・ツー」とステップしますが、そのときのタイミングは3/4 拍、1/4 拍、1 拍になります。ジャイブのシャッセも同様です。
002 アーム・ブレイカ(Arm Breaker) 【J】
オープン・ブレイクからすれ違いざまに、男性は男性の左手と女性の右手のホールドを女性の背後で持ち替え、右手同士のホールドになります。英語の意味は「腕折り、腕を折る人」。
003 アイーダ(Aida) 【R/C】
カウンター・プロムナード・ポジション(CPP)、すなわち、ハンド・トゥ・ハンド2 小節目の形で外側の足から3 歩後退するフィガー。フォーラウェイとも言います。アイーダ・エンディング(Aida Ending)とは、アイーダにつなげる終わり方のことです。例として、ルンバでナチュラル・トップを2小節踊った後、男性は左手と女性右手のホールドをおろしながら右手を離し、オープンCPP(ハンド・トゥ・ハンドの2小節目の形)になってアイーダに入ります。

  • アイーダの名称は、アイーダと言う人が考案したという説、アイーダと言う女性の名前がついたという説、オペラのアイーダからきているなどの諸説をみますが、ISTD のHP には次のように書かれています — 「ラテン・ダンスを広めたムシュー・ピエールとミス・ラベル(Monsieur Pierre and Miss Lavelle)が1953年にハバナにでかけ、ペペ・ロレンスと奥さんのアイーダ(Senor Pepe Lorenz and his wife Aida)からルンバのレッスンを受け、多くの新しいフィガーを学びました。このフィガー名は、このフィガーを素晴らしく上手に踊っていた彼女の名からきています。参考までに、彼女はそこから二回連続のスポット・ターン(ISTD テキストのエンディング2)を踊っていましたが、一般の人には難しいため、エンディング1のロックからスポット・ターンを作りました」 — と。

004 アイソレーション(Isolation)
体の部位を別々に違う動きをさせることで、ジャズダンスをはじめ、様々な踊りに使われます。英語の意味は「孤立、分離」で、電気の「絶縁」の意味もあります。動詞はアイソレイト(Isolate)。
005 アウトサイド(Outside)
英語で「外側」の意味で「体重が〜に流れる」、「表現を〜に向けて」などと使用することができますし、「 〜に前進」のように、アウトサイド・パートナーの意味でも使われます。また、アウトサイド・スピンのようにフィガー名の一部にもなっています。 ➡《036》
006 アウトサイド・スイブル(Outside Swivel) 【F/T】
テキストにはタンゴで、オープン・プロムナードからの入り方が2 種類とオープン・リバース・ターン2 歩目からの入り方が出ています。このオープン・リバース・ターンからの入り方は、リバース・アウトサイド・スイブル(Reverse Outside Swivel)といわれることもあります。フォックストロットではオープン・ナチュラル・ターンからの入り方が出ています。
007 アウトサイド・スピン(Outside Spin) 【ST】
3 歩構成のフィガーでワルツでは(123)、フォックストロットでは(SQQ)、クイックステップでは(SSS)のカウントで使われます。男性は1 歩目で女性を右アウトサイドへリードし、そこから右へ1回転しますが、回転量を1/2 や3/4 に減らして使うこともでき、ハワード氏のテキストでは3/4 回転するものは、アンダーターンド・アウトサイド・スピンとして紹介されています。
008 アウトサイド・チェンジ(Outside Change) 【W】
4 歩構成(テキストにより3 歩)の基本フィガー。アレックス・ムーアのテキストはイン・ラインで始まる形で、ハワード氏のテキストは、1 歩目で女性がOP に出る形で説明されていますが、どちらの方法も踊れます。
  • 「これは、かつてあった バックワード・パッシング・チェンジというワルツのフィガーの4 〜6 歩目の発展型です。」(アクリル氏)
  • ヘンリー・ジェイクス (Henry Jacques) の "Modern Ballroom Dancing"(1939年発行?)の中に、このフィガーを見つけました。その足型図を添付します。弱い左回転をしながら、インラインで3歩ステップした後でリバース・ターンの後半を踊る、合計6歩の動きでした。(2012・07・09)
【関連記事】 #137 アウトサイド・チェンジ雑考
009 アウトサイド・パートナー(Outside Partner)
パートナーの右外側に出て行くことで、テキストでは‘OP’と略されています。男女を問わず前進する人に使われます。単にアウトサイド・パートナーというと相手の右外側に出ることを示し、左外側に出るときには‘左アウトサイド・パートナー(Outside Partner on Left Side)’と表現します。

アウトサイド・パートナーに出る時はCBMP にステップします。文字通りに「相手の外側」にステップし、自分の腰と相手の腰が横並びになる形はシルエットが大きく損なわれるだけでなく、その後の動きを壊してしまうので、避けなければいけません。 ➡《301》

  • 「アウトサイド・パートナーの形を始めて意識的に使ったのはG.K. アンダーソンとジョセフィン・ブラッドリー(G.K.Anderson and Josephine Bradley)です。『スリー・ステップで変わったツイストを使った他の競技選手を真似しようとして、アンダーソンが私の外側に出たところ、それはとてもいい感じでした。』と、ジョセフィンは回想していたようです。フェザー・ステップはこうして誕生しました。」(SB)。
010 アクション (Action)
アクションには「作用、活動、動作」などの意味があり、対語はリアクション(Reaction)「反作用、反応、反発」になります。例えば、男性が女性に対して行なうリードはアクション、それに対する女性のフォローはリアクションという事ができます。

011 アクロス(Across)
英語の意味は「横切って、向こう側に」で、軸足を横切ってステップする足に対して使われます。CBMP も軸足を横切ってステップしますが、テキストには「CBMP」と「CBMP にアクロス」の二つの表現が区別されて使われており、横切る深さを区別しています。 ➡《134》
012 アクロスLOD/LODをアクロスして(Across LOD)
LODを超えてステップする場合に使われることがあります。クイックステップを例にとると、クオーター・ターン2 歩目はLODに沿ってステップですが、ナチュラル・ターンの2 歩目は1 歩目を置いたところのLODを超えてステップするため、「LODを超えて/横切って」の意味で「アクロスLOD」が使われます。➡《055》
013 足の部位/パート・オブ・フット(Part of Foot)
  1. フット(Foot):足全体。略語はF。英語の複数形はFeet。
  2. トウ(Toe):足の指。略語はT。
  3. ボール(Ball):足の指の付け根を指します。略語はB。
  4. ヒール(Heel):かかと。略語はH。
  5. インサイド・エッジ(Inside Edge):「内側のへり」のこと。用語としてはタンゴに多く使われ、例えば足の内側全体を使う「インサイド・エッジ・オブ・フット(〜 of Foot)」、ボールの内側を使う「インサイド・エッジ・オブ・ボール(〜of Ball)」と言う風に使われます。インサイド・エッジはスピードや回転を急激に抑えるブレー
    キの役目として使われたり、膝を閉める動作に使われたりします。略語はIE。
  6. アウトサイド・エッジ(Outside Edge):意味は「外側のへり」。例えば「アウトサイド・エッジ・オブ・フット(〜 of Foot)」は足裏の外側部分をいいます。
  7. インステップ(Instep):足の甲
  8. アンクル(Ankle):足首、くるぶし
  9. ホール・フット(Whole Foot):足裏全体を一度に床につける動作に使われます。略語はWF。ホールは英語で「全部、まるごと」の意味。 ➡《342-13》
  • 日本語では手の指も足の指も「指」と言いますが、英語圏の人たちは「指(フィンガー)」は手の指だけに使い、足の指(トウ)と区別しています。バレエのトウシューズもこの語から来ています。 
  • ボールそのものは手足の親指の付け根部分を指し、野球のボールと同じ綴りで「腫れる」が原義。一方、ボールルームのボールは「踊る、跳びはねる」が原義の古い仏語(baller)からきています。
  • ヒールには「悪人、悪役」の意味もあります。これは、かかとが体の部位で一番下にあるところから、「最低」の意味合いで使われているのではないかという事です。
  • タンゴ・ポジションになるとき、日本語では「右足トウを左足の ‘土踏まず’ まで引く」と言いますが、英語では「インステップまで」と表現します。
  • 英語の「叔父さん」も足首と同じアンクルですが、綴りは ‘uncle’ で発音も少し違います。スタンダード種目の練習で「膝を曲げて!お尻を落とさないで!」と注意されるとき、「膝ではなく足首を曲げる」と考えると問題が解決するときがあります。足首を曲げるとお尻がヒールの真上に来るからです。
014 足の方向/ポジション・オブ・フィート (Position of Feet)
1. 前進2. 後退
3. 横
4. 斜め前
5. 斜め後ろ
  • 前進ではトウをその方向に向けて出て行き、後退ではヒールをその方向に向けてさがります。
  • 「斜め前に」と「横少し前」は類似していますが、「斜め前」は前進の意識が強く、「横少し前」は横への意識が強く働いています。男女が正対して動く場合、一方が「斜め前に」前進する場合、後退する人は「横少し後ろに」後退します。このとき後退する人が「斜め後ろに」後退すると、前進する人のスペースを奪うことになるからです。
015 アジューディケイター(Adjudicator)
審査員。ジャッジ。
016 アソシエイト(Associate)
英国におけるダンス教師資格のひとつ。アソシエイト(組合員、準会員の意味)から始まり、メンバー(Member /一員、会員の意味)、ライセンシエイト(Licentiate /免許状所有者、修士の意味)、フェロー(Fellow /特別会員、研究員の意味)の4 段階があります。
017 アタック(Attack) 【P】
パソ・ドブレの基本フィガーのひとつ。英語の意味は「攻撃する、攻める」。 ➡《247》
018 アップライト・コントラ・チェック(Upright Contra Check)
深く行うコントラ・チェックではなく、お互いが比較的まっすぐにある浅めのコントラ・チェック。
  • ポピュラー・バリエーションの中のワルツで、 ‘リバース・ターン前半 〜 リバース・コルテの1〜3 〜 右へのシャッセ(12 & 3) 〜 コントラ・チェック(1) 〜 オープン・フィニッシュ(2.3)’ のアマルガメーションが紹介されていて、コントラ・チェックの所に‘アップライト’の説明が形容詞としてついています。‘アップライト’は「真直ぐな」の意味で、家庭用のアップライト・ピアノとしても使われています。
  • ポピュラー・バリエーションの中のワルツで、 ‘リバース・ターン前半 〜 リバース・コルテの1〜3 〜 右へのシャッセ(12 & 3) 〜 コントラ・チェック(1) 〜 オープン・フィニッシュ(2.3)’ のアマルガメーションが紹介されていて、コントラ・チェックの所に‘アップライト’の説明が形容詞としてついています。‘アップライト’は「真直ぐな」の意味で、家庭用のアップライト・ピアノとしても使われています。
  • 上記バリエーションの私の翻訳を添付します。参考にしてください。なお、説明文中、☆印の女性の踊り方、および、《メモ》の中の■のついたコメントは私が追加したものです。(2012/08/13)
019 アドバンスト(Advanced)
英語で「進んだ、上級の」等の意味。ルンバとチャチャにはクローズド・ヒップ・ツイストの発展系としてのアドバンスト・ヒップ・ツイストがあります。また、「アドバンスト・クラス(上級クラス)」のようにも使います。
020 アドバンスト・オープニング・アウト・ムーブメント(Advanced Opening Out Movement) 【R/C】
アドバンスト・ヒップ・ツイスト前半の動き。

021 アドバンスト・ヒップ・ツイスト(Advanced Hip Twist) 【R/C】
ルンバ、チャチャチャの基本フィガーのひとつ。男性が先行フィガーの最終右足を左足に揃えず左足前方に出し、1 歩目左足も前方へステップ、3歩目は右足後ろにアクロスする形のものをいいます。IDTA のテキストでは、「クローズド・ヒップ・ツイストの前半をアドバンスト・オープニング・アウト・ムーブメントに代えても良い」との表現がとられています。
022 アペル(Appel) 【P】
床を強く踏む動作。
  • 「アペルはフランス語の「呼びかける」意味で英語のコール(Call)に相当します。フランスでは、夜になりアパートの管理人が鍵をかけてしまった後、その敷地内に入ろうとするものは大きく手を叩いて夜間警備人に知らせなければいけませんでした。それが床を叩く音に似ているところからアペルの名が使われたと考えられています。」(ISTD)
023 アマルガメーション(Amalgamation) 
二つ以上のフィガーを組み合わせたものを指し、英語の意味は「融合・合併」。類似の言葉のルーティンは、デモや競技会目的に予めフィガーの組み合わせ順を決めたものを指し、英語の意味は「所定のステップ、決まった出し物、決まってすること」ですが、ふたつは時として同じ意味で使用されることもあります。ステップ(1 歩)が言葉の「いろは」だとすると、フィガーは「単語」、アマルガメーションは「文章」、ルーティンは準備した「スピーチ」に例えることができるでしょう。
024 アメリカン・スタイル(American Style)
アメリカン・スタイルにはアメリカン・スムース(American Smooth)とアメリカン・リズム(American Rhythm)があり、アメリカン・スムース(単にスムースとも)には、ワルツ、タンゴ、フォックストロット、ヴィニーズ・ワルツが、アメリカン・リズム(単にリズムとも)には、チャチャチャ、ルンバ、マンボ、サンバ、イースト・コースト・スイング、ウェスト・コースト・スウィング、ボレロ、メレンゲが含まれています。スムースではボールルーム・ダンスと同じベーシック・ステップと技術が用いられますが、パートナーと常にボディ・コンタクトする制限がないため、踊りの途中で女性のアンダーアーム・ターンやスピン、ディップ、ドロップや他のバリエーションなどを行なうことができます。基本的にヨーロッパのボールルーム・ダンシングと同じ音楽が使われます。クイックステップは例外で、スムースでは踊られません。(DS)

025 アラインメント/アライメント  (Alignment)
① 踊る人の足(片足、あるいは、両足)の向いている方向を示す用語で次の3種類があります。
  1. 面して/フェイシング(Facing):前進する方向にトウと体が向いているときに使います。
  2. 背面して/バッキング(Backing):後退する方向にヒールと背中が向いているときに使います。
  3. 向けて/ポイントして/ポインティング(Pointing) — 進行する方向に対し、足と体の向きが違う場合に足の向きを示す場合に使います。この場合、体の向きは別途説明が加わります。

② フロアの中にある仮想の8 つの方向のことで、ダイレクションとも言います。(1) と組み合わせて使います。8 つの方向とは、
  1. LOD 
  2. 壁斜め/ダイアゴナリー・トゥ・ウォール(Diagonally to Wall)
  3. 壁/ウォール(Wall)
  4. 逆壁斜め/ダイアゴナリー・トゥ・ウォール・アゲインスト・LOD(Diagonally to Wall against LOD)
  5. 逆LOD/アゲインスト・LOD(Against LOD)
  6. 逆中央斜め/ダイアゴナリー・トゥ・センター・アゲインスト・LOD(Diagonally to Center against LOD
  7. 中央/センター(Center/Centre) 
  8. 中央斜め/ダイアゴナリー・トゥ・センター(Diagonally to Center)

  • 上記の1. 〜8. もアラインメント(あるいはダイレクション)といい、例えば、「部屋の中には幾つのアラインメントがありますか?」との質問に対し、「8つ」と答えることができます。また、「ワルツのナチュラル・スピン・ターンをコーナーで踊るとき、男性の始めと終わりのアラインメントは?」の質問には、「始めは壁斜めに面して。終わりは新LODの中央斜めに背面して」と答えることができます。 
  • アラインメントの意味には「調整、同盟、連合」の他、「(鉄道・幹線道路の)路線設計」の意味もあり、踊りとの関連性が見えてくる気がします。少しとっつきにくい感じがする英単語ですが、ライン(線)を中心に作られたもの——アラインメント—— と気づくと親しみが湧くかもしれませんね。
025-01  「 壁」と「中央」(Wall and Centre)
ダンスにおける壁や中央は物理的な部屋の壁や中心ではなく、LODに面して右直角方向が常に「壁」、左直角方向が常に「中央」になります。ですから、今の位置から移動すると壁も中央の方向も移動することになります。
025-02  「 面して」と「背面して」(Facing and Backing)
ワルツのナチュラル・スピン・ターンを正規の回転量で踊ったとすると、6 歩目の形は「男性は中央斜めに背面」、「女性は中央斜めに面して」いますが、別の見方をすると「男性は逆壁斜めに面し」、「女性は逆壁斜めに背面している」と見ることもできます。しかしテキストでは進む方向、あるいは、意識する方向を前提としているため、テキストでは男性は「中央斜めに背面」で、女性は「中央斜めに面して」の表現がとられています。

テキストにより、一部のステップでアラインメントの表現方法が異なる場合があります。それは先に述べた「進む方向」を取るか「意識する方向」を取るか、の違いからくるものと思われます。下の一例を参照してください。 
025-03  向けて/ポイントして/ポインティング(Pointing)
足と体の向きが異なる場合、足の方向を示す言葉として「向けて/ポイントして」が使われます。これが使われるケースとしては、
  1. 内回りのとき: 例えばワルツの女性のナチュラル・ターン2歩目右足はLODに向けてステップし、その時の体の向きはそれより少なめにし、体が足と同じLODに面するのは3 歩目左足が右足に揃った時です。 ➡《080-01》
  2. PPでステップするとき: ワルツの男性のオープン・インピタス・ターンの3 歩目のようにPPでステップするときは足の向きと体の向きが異なるため、この用語が使われます。 
025-04  タンゴにおけるアラインメント
タンゴではムービング・ダンスと異なり、アラインメントは動きの方向を示します。これは、ホールドの関係上、足の向きと体の向きにずれが生じていますので、足の進む方向と体の向きが異なることに拠ります。

例えば、男性のクローズド・プロムナードの1 歩目は「PPで左足を横に」で、アラインメントは「LODに沿って、壁斜めにポイントして」となっています。これは、「左足を壁斜めにポイントしながらLODに沿って、PPの形で横にステップする」ことですが、この時の体の中心は「壁に面して移動する」ことになります。

また、バック・コルテを例に取ると、男性が中央斜めに背面したところから始め、1 歩目は「左サイド・リーディングを使って後退。LODの方へ」となっています。これは、男性は左足をLODの方に左サイド・リーディングを使って後退することです。体の中心は中央斜めに背面し、左足ヒールも中央斜めに向いています。
025-05 ラテン・ダンスにおけるアラインメン
ラテンでは両つまさきが少し開いているため、スタンダードとは少し異なる定義になり、
  1. IDTA テキストでは部屋に対する体の向き。
  2. ISTD では部屋に対する両足の位置、となっています。

026 アラウンド・ザ・ワールド(Around-the-World)
女性が男性の前に位置し、タンデム・ポジションで行なうロール・アクション(例 サンバで、タンデム・ポジションで行なうリバース・ロール)。アラウンド・ザ・ワールドは英語で「世界一周」の意味。
027 アルゼンチン・クロス(Argentine Crosses) 【S】
サンバの基本フィガーのひとつ。
  • 「初期のサンバでのアルゼンチン・クロスはコーナーからコーナーへと踊り男性がLODに面して終わりました。そうすることで、次に使うフィガーの選択肢がたくさんできました。」(ISTD)
028 アルゼンチン・タンゴ(Argentine Tango)
アルゼンチン・タンゴは18 世紀から19 世紀にかけてアルゼンチンで生まれました。この踊りはブエノス・アイレスの大草原のガウチョ(カウボーイ)やアフリカから連れてこられた奴隷、労働者向けの酒場や売春宿、更には都市の犯罪文化に結びつくような、ただ泥臭くて感情的な踊りでした。このタンゴがアルゼンチンからパリに渡り、かなり洗練されたものに作りかえられる中で、インターナショナル・タンゴになっていきました。そこからアメリカに伝わり、ラテンの特徴づけが再びなされてアメリカン・タンゴとなりました。(SS)
029 アレックス・ムーア(Alex Moore 1901-1991) 
近代ボールルーム・ダンシングのパイオニアであり、ダンサーであり、ダンス教師でもあった彼は、長年ISTD の議長を、後にISTD とNATD の会長も勤めています。彼の著書には‘バイブル’と絶賛されている‘ボールルーム・ダンシング’の他、‘リバイズド・テクニック’、‘ポピュラー・バリエーション’等も。ダンス界に貢献した人に与えられるカール・アラン賞を、また、英国王室からはMBE の称号を授与されています


*【A. MOORE博物館】、及び、【ダンス用語集】の人名参照。

■1 アルマックス(Almack’s)
Almack’s Club。紳士クラブと集会場を備えたクラブで1765年に創立。クラブ名は所有者の名ウィリアム・マコール(William Macall)のマコールをひっくり返して(Macallà allmac)つけられた。上流階級の大舞踏会が開かれた場所で、そこに参加できることは社会的地位の高さを保証するものだった。
030 アレマーナ(Alemana)とアンダーアーム・ターン(Underarm Turn) 【R/C】
ルンバとチャチャチャの基本フィガーのひとつ。手元の「西語—英語辞書(Cassell’s Spanish-English Dictionary)には、アレマーナは「ドイツやフランダースの踊りを起源とする古いスパニッシュ・ダンス」とあり、ルンバやチャチャチャのアレマーナはこの踊りの動きからきていると推測されます。辞書には「(スペイン語で)ドイツ人、ドイツ人女性」の意味もでています。

アンダーアーム・ターンには右回転と左回転の2種類あり、男性左手と女性右手のホールドの下を女性が左足から右回転するのを右へのアンダーアーム・ターン、右足から左回転するのを左へのアンダーアーム・ターンと言います。女性の足の動きはスポット・ターンと同じです。男性が回る場合もあります。
  • かつて、アレマーナは「石臼」の意味と聞いたことがあります。残念ながら、まだその事実には突き当たっていませんが、もしかすると「古いスパニッシュ・ダンス」の名の起こりなのかも知れないと思いつつ、調査対象として残してあります。
  • 「女性のアレマーナとアンダーアーム・ターンの回転はどう違うの?」-これは誰もが抱く疑問かもしれません。第1の違いは歩数にあり、ルンバで考えると、アンダーアーム・ターンは3歩構成で、アレマーナは6歩構成です。第2 の違いは回転量にあります。
     アンダーアーム・ターンは、一般に、片手ホールド(例えば男性の左手と女性の右手)をしたまま女性がスポット・ターンを踊りますので、女性の回転量は1回転(男性の正面から始め正面で終わります)です。しかし、アレマーナは一般的にファン・ポジションから始めますので、女性は3歩目右足の上で右へ1/8 回転し、続く後半3歩のアレマーナ・ターンでは右に1+1/8 回転します。
     よって、全体ではアンダーアーム・ターンより1/4 回転多くなっています。第3の違いは女性の回転の仕方にあり、アレマーナ・ターンでは3歩間で三角を描くように移動します。つまり、2 歩目で男性から少し離れて行くのです。アレマーナをオープン・ポジションから踊る場合、女性の回転量は1回転に減りますが踊り方は変わりません。一方、アンダーアーム・ターンは1 歩目の前進から2 歩目は元の足に体重を戻す、直線上の移動になります。 —— 以上が私の理解している違いです。
     アレマーナ・ターンをスポット・ターンにして踊る事もできますが、違いを知り、違いをつけて踊れると楽しいですね。勿論、男性のリードにも違いがあり、女性がそれに的確に反応しなくてはなりません、と思っています。
  • アンダーアームは直訳すると「腕の下」と言う意味の英語ですが、実の所は「脇」のこと。脇を直接的に表わすアームピットと言う英語もありますが、アンダーアームはそれを上品に表現したものです。

031 アンダーターン(Underturn)
正規の回転量より少なく回る事。例えば、ワルツのナチュラル・スピン・ターンの正規の回転量は6歩間で1+ 1 /4 回転ですから、男性は壁斜めに面して始め、同じLODの中央斜めに背面して終わりますが、コーナーでは同じ踊り方ができないため回転量を3/4 回転に減らして、新LODの中央斜めに背面して終わる踊り方をします。こうした場合、スピン・ターンを「アンダーターンする/〜した」と表現します。

アンダーターンド(Underturned)と言う場合は、「回転量を少なくした」の意味で、ハワード氏のテキストにはアンダーターンド・アウトサイド・スピンと言うフィガーが載っています。
032 アンチクロックワイズ(Anticlockwise)
反時計回り。ムービング・ダンスでフロアを回る方向はアンチクロックワイズです。時計回りはクロックワイズ(Clockwise)です。
■1  アントルシャ(entrechat)
バレエ用語。跳ね回る意味。 
033 アンド(and/&)
  1. 1 拍を等分割(1/2 拍と1/2 拍に)したときの後の方のカウント。例えば、ワルツのシャッセ・フロム・PPのカウント「12&3」の長さは、それぞれ1拍、1/2 拍、1/2 拍、1拍です。
  2. 英語の「〜と」の意味。 ➡《001 / 074-04》
   
   

  
034 イン・ライン(In Line) 
  1. 二人が正面に組んだ形でステップすること。「イン・ラインにステップする」とは、二人が向き合って組んでいますから、左足の場合は相手の右外側方向にステップし、右足の場合は相手の足の間の方向にステップします。
  2. スクエアの意味。「アウトサイドからイン・ラインに戻る」のようにも使います。
035 インクライン(Incline)/インクリネーション(Inclination)
インクラインは「傾斜する、体を曲げる、頭を下げる」という英語の動詞でインクリネーションはその名詞。ダンスでは体を前に曲げたり後ろに反らしたりする事。

用語の使い方としてサンバのナチュラル・ロールを例にとると、「男性は前半で後方(女性は前方)にインクラインする」、あるいは、「男性は前半で後方(女性は前方)へのインクリネーションを使う」 - という表現になります。 ➡《162》
  • 英国のテキストで、リーン、リーニング(Lean/Leaning)の表現を使う場合がありますが同じ意味です。一般にインクライン、インクリネーション、リーン、リーニングは前後に対して用い、左右への傾斜にはスウェイを使う傾向がありますが、区別しないケースもありますので頭を柔軟にしておきましょう。
036 インサイド(Inside)
「〜の内側」の意味の英語。 ➡《005》
ー   インナー・マッスル(Inner Muscle)
身体の深層部にある筋肉の総称。関節を覆うようにしているものが多く、アウター・マッスル(表層部にある筋群)が力を出す際に関節を固定し、動きを安定させる役割をしている。複雑なねじりの動きなどでは自ら主働筋として作用することもあり、その部分に関してはスポーツ医科学の分野でも注目されている。(2012/09/09)
037 インバーティド(Inverted)
英語の意味は「逆さまにする、ひっくり返す」。フィガーとしては、インバーティド・スイブルとインバーティド・スローアウェイ・オーバースウェイがハーン氏のテキスト「テクニーク・オブ・アドバンスト・スタンダード・ボールルーム・フィガーズ」に出ています。
038 インピタス・ターン(Impetus Turn) 【W/F/Q】
3 歩で構成される基本フィガーのひとつ。このフィガーをPPで終わるとオープン・インピタス・ターンに、閉じた形のまま終わるとインピタス・ターン、あるいは、クローズド・インピタス・ターンといいます。ターンをつけないで言う場合もあります。インピタスは英語で「勢い、弾み、機動力」の意味。
  • 男性がヒール・ターンするのはこのインピタス・ターンの仲間だけです。また、通常、3歩間で行われる回転では、内回りの人は1〜2歩間で必要な回転量を得、外回りの人は1〜2歩間と2〜3歩間で回転を分割して踊りますが、このインピタス・ターンでは内回り外回り共に、同じタイミングで回転し同じタイミングでライズする珍しいフィガーです。 
  • インピタス・ターンで大きなスイングをしようとして、男性はヒール・ターンを使わない場合がありますが、それもOK です。この踊り方は「ボールルーム・ダンシング」に出ており、実際にトップ・ダンサーも使っています。

  
039 ウィーブ(Weave) 【W/F/Q】
ウィーブは英語で「布を織る、糸を紡ぐ、他の車を避けながら進む」様子を表す意味があり、二人の足の軌跡からその意味が理解できると思います。ウィーブが付くフィガーには、ウィーブ・フロム・PP、ベーシック・ウィーブ、クイック・ウィーブ、ナチュラル・ウィーブ、ランニング・ウィーブなどがあります。


040 ウィーブ・イン・ワルツ・タイム(Weave In Waltz Time) 【W】
「ワルツのリズムで踊る(フォックストロットの)ウィーブ」という意味で、リバース・ターン3歩目の後、男性右足後退から左足前進に切り替えて入るウィーブの踊り方をいいます。「(ザ)ウィーブ」と同じ。
041 ウィーブ・エンディング(Weave Ending)
あるフィガーの終わり、あるいは途中からウィーブの4 〜6 歩に続ける踊り方を説明する時に使います。ウィーブ・フィニッシュ(〜 Finish)という事もありますし、「アウトサイド・チェンジにつなげる」ということもあります。
042 ウィスク(Whisk) 【W/F/Q/T/S】
基本フィガーのひとつ。その発展形として、レフト・ウィスク、バック・ウィスク、フォーラウェイ・ウィスク、サンバ・ウィスクなどがあります。ウイスク、ホイスクとも書きます。
  • 英語の意味には「小箒(こぼうき)でサッと掃く様子、牛や馬がしっぽでハエなどを追い払う様子、あるいは、魚が岩陰にサッと隠れる動作」があり、「(料理用)泡立て器、泡立てる」意味でも使われます。 
  • 「ロンドンはサボイ・ホテルでのパーティー会場でのこと — ウェイターがフロアにスープをこぼし、拭き取った所を左足からのクローズド・チェンジを踊ろうとした男性が2 歩目で足を滑らせ、とっさに左足を後ろにクロスしてバランスを保ちました。これがウィスクの始まり。男性は続けて右足からのクローズド・チェンジを踊ろうとしましたが、2 歩目でまたまた足が滑ったため、とっさに1歩多くステップしたのがシャッセ・フロム・PPの始まりでした。」 —— このような話を、元世界チャンピオンのヒリアー氏が話されているビデオを見たことがあります。信憑性がどうあれ、楽しい話ではありませんか?
  • ウィスクの考案者がアレックス・ムーア氏であることは広く知られていますが、オリバー・ウェッセル氏の本に次のようなエピソードが書かれています — 「ムーア氏は無類のウィスキー好きで、レッスンの前にはいつも1、2杯飲んでいました。そんなあるとき、左足からのクローズド・チェンジを踊ろうとしてよろけ、すかさず左足を右足後ろにかけたのがウィスクの起こりです。ウイスキーのおかげで生まれたこのフィガーの命名には手間をかけずに、ウィスクとしました(ウイスキー(whisky)から'y' を取って)。(IL)
043 ウィップ(Whip) 【J】 
基本フィガーのひとつ。英語の意味は「何かを鞭打つ事、強くかき混ぜる事」で、「泡立てる」意味のウィスクよりも強く勢いがあります。卵白や生クリームを撹拌したホイップと同じですから、ホイップと書いても間違いではありません。
044 ウィップラッシュ(Whiplash) 【W/F/Q】
英語の意味は「鞭のひも、鞭打ち」。「鞭。鞭で打つこと」で、PPから入る女性の右足が鞭の一振りの動きを表現しています。
  • 「これはチェアから発展したフィガーで、原型では女性が素早いスイブルを繰り返したが、スピードが速くて難しすぎたため今の形になった」 — と、元世界チャンピオンのリチャード・グリーブ(Richard Gleave)さんから、お聞きしたことがあります。
  • 英語のWhiplash のラッシュ(lash)は鞭の「ひも」の部分を指しています。ウィップそのものには「激しく打つ」意味があり、棒のようなもので叩いてもウィップになりますが、そこに紐がくっついて「ムチ」になっています。

045

ウィング(Wing) 【W/Q】
3 歩構成の基本フィガーで、3 歩間に女性が男性の右から左アウトサイドへ移動します。
  • ウィングの意味は「翼」として良く知られていますが、このフィガーから翼をイメージするのは難しくありませんか? しかし、ウィングの意味を「中央から左右に出ている部分」と知ると、空港の建物に「南ウィング」があったり、舞台の「そで」をウィングと呼んだりする訳がわかります。考えてみると、翼も体の左右にはみ出したものでした。ウィングには他にもスカートの「ヒラヒラした動き」の意味もあります。そして、これはとても余談になってしまいますが、二の腕の肉が緩み、「タプタプ」して気にしている女性も多いかと思いますが、これを「ビンゴ・ウィング」と話している英国人がいました。説明は要らないと思いますが、ビンゴで当たって、手を振り上げている時に「パタパタ」しているからです。
  • この名前は、親鳥がひな鳥の上に翼を広げている様子からつけられました。(IL) 
045-01 クイック・ウィング(Quick Wing) 【Q/W】
ウィングをカウント‘2&3’と速く踊る踊り方で、1 歩目にはアウトサイド・スイブルがきます。
045-02 クローズド・ウィング(Closed Wing) 【W】
スクエアの形から入るウィング。例えば、中央斜めにシャッセ・フロム・PPを踊り、スクエアになった所から、男性が右足をアウトサイド・パートナーに前進してからウィングに入ります。
045-03 ダブル・ウィング(Double Wing) 【W】 
ダブル・ウィスクのようにウィングを左右へ2度踊るのではなく、女性が男性の左外側に1&2&3と5 歩ステップします。詳しくはポピュラー・バリエーションを参照してください。
045-04 ダブル・リバース・ウィング(Double Reverse Wing) 【F】
ダブル・リバース・スピンの最後に女性をウィングの形に持っていく踊り方。
045-05 プログレッシブ・ウィング(Progressive Wing) 【W】
男性がレフト・ウィスクをしながら、女性にウィングさせる踊り方がポピュラー・バリエーションに紹介されています。

046 ウィンドー(Window)
スタンダードで使われる表現で、正対してホールドしたときに、相手の右肩から自分の左肘までの幅を持つ仮想の窓のことで、そこから外の風景を眺めるようにすると美しいシルエットができます。「枠(フレーム)」、「絵の額縁(ピクチャー・フレーム)」ということもあります。
047 ウィンドミル(Windmill) 【J/Q】
1. 英語の意味は「風車」で、ジャイブのウィンドミルはその動きから一目瞭然です。 
2. ポピュラー・バリエーションのクイックステップにはウィンドミルの名前がつけられたアマルガメーション(9種類のフィガーを組み合わせもの)が紹介されています。
  • ウィンドミルはウィンド(風)の力を利用したミル(粉引き器)という意味のことばです。
  • 「えっ、ウィンドー・ミルじゃなかったの?」と聞かれたことがありますが、「ウィンドー」は窓で「ウィンド」は風。でも、あながち外れていないようです。ウィンドーの語源を調べると、ウィンド「wind(風)」のオー「ow(目)」から来ているとありましたから。 
048 ウォーク(Walk)
前後に動く「1 歩」のこと。2 歩以上になると「ウォークス」となります。ラテンとスタンダードでも用いられる用語です。また、ムービング・ダンスでの予備歩のことをさす場合もあります。
  • 少し面白いのは、クイックステップとフォックストロットでも踊りの途中にウォークが入ってくることもあります。クイックステップでは中央斜めに入ったプログレッシブ・シャッセからクイック・オープン・リバースにつなげる時、クイック・オープン・リバースに入る直前の男性の右足をウォークと捕らえることができますし、フォックストロットのスリー・ステップの男性の1歩目左足もウォークといえます。いずれのステップでもフットワークはタンゴのウォークと同じ(H)でライズがありません。

  
049 英国のダンス協会
日本のダンス教師は英国に本拠地を持つ二つのダンス協会から発行されているテキストを使用しています。その一つは、英国ダンス教師協会(ISTD = Imperial Society of Teachers of Dancing)で、1904年7月25日、ロンドンのコベントガーデンにあるセシルホテルで組織されました。1906年に第1回のコングレスが開かれ、8日間に及ぶ技術研修には42名のメンバーが参加。以来今日に至るまで、1915年-1917年の戦時を除き、コングレスは開催されています。

もう一つは、国際ダンス教師協会(IDTA = International Dance Teachers Association)で、その原型は1903 年、ミリタリー・ツー・ステップの編曲者だったジェームス・フィンニガン(James Finnigan)氏が中心となり、マンチェスターマンチェスター地方の教師達により立ち上げられたということが、IDTA のホーム・ページに書かれています。
050 エカール(Ecart) 【P】
ISTD テキストに出てくるフィガー名でフォーラウェイ・ウィスクの別名がついています。エカルトと書くこともあります。
  • 「もともとのフィガー名はエカール・エ・ベロニク(Ecart et Veronique)でした。」(ISTD)
  • エカールはフランス語で「(基準から)外れること、逸脱すること、ギャップ」などの意味があり、これは英語のフォーラウェイと同じ意味です。ベロニクは花の「クワガタソウ、イヌノフグリ(英語ではspeedwell)」とまで調べがつきましたが、フィガー名とのつながりが見えていません。更なる調査が必要です。

051 エキストラ(Extra)
エキストラとは「余分な、臨時の、番外の」という英語の意味。エキストラ・スロー、エキストラ・スピンと表現したりします。
052 エクステンディド(Extended)
英語で「延長した/する」の意味があり、これがフィガー名と一緒になったときにはそのフィガーの一部を繰り返して歩数を増やして踊る事を言います。
  • エクステンディド・ウィーブ(〜 Weave)ではウィーブの4、5 歩目を2度繰り返し、エクステンディド・ファイブ・ステップ(〜 Five Step)では3、4 歩目を繰り返して踊ります。エクステンディド・ホバー・クロス(〜 Hover Cross)は4 歩目の後に2 歩追加する踊り方で、女性はホバー・クロスした足をほどいて、男性を軸に男性の周りを移動します。
053 エスコート(Escort)
踊りの始めで男性が女性をフロアにお連れし、踊りの後では女性を席までお届けすること。つないだ手の肘は少し曲がります。
054 エチケット(Etiquette)とマナー(Manner)
英語のマナーには他人に対して、あるいは、他人と共に取るべき最低限の形の意味があります。
一方、エチケットは昔のフランス語からきており、宮廷の門に貼り付けられた紙切れ(チケット)」の意味で、正式な式典が行なわれた際、招待客には式典に参加したときの役割を書き記した小さな紙の招待状が送られたことに由来します。転じて現在は、催し物などの場面で「当然行なわれるべきこと」の意味に使われています(参考 Crab’s English Synonyms)。そのためか、欧米のウェブサイトでダンスのマナーについて調べると、エチケットとして書かれているのを多く見かけます。

055 エル・オー・ディー( LOD)
LODとは Line of Dance (ライン・オブ・ダンス)の略で、フロアにおける踊りが進んでいく4つの反時計回りの方向。時として壁のほうへ、時として中央のほうへと踊りながらも、大きな左回りの流れの中で進んで行きます。LODはスタンダード種目の他、ラテンのサンバとパソ・ドブレで使用されます。

LODにはもうひとつの概念があり、それは縦横無尽に存在する見えない仮想の線(LOD)のことです。例えば今、一歩踏み出したとすると、その足先に壁と並行するLODがあるとみなします。その足を少しずらすと、そこにも別のLODがあると見なします。「同じLOD上に」とか「アクロスLOD/LODを超える」などの表現は、こうした概念の上に成り立っています。
055-01 新LOD/ニューLOD(New LOD)
今のLODから次のLODに踊りの進行が変わるとき、次のLODを、新LOD/ニューLODと表現します。
ここにある図を見ると、男性は『壁斜めに面して』ナチュラル・スピン・ターン(アンダー・ターンド)を踊り始め、リバース・ターンの4〜6歩目につなげて終わったところです。さて、フロアがA-A’の先(図の上のほう)まで続いていて、次にリバース・ターンを踊る場合、1 歩目は『(同じLODの)中央斜め』にステップし、6 歩目は『(同じLODの)壁斜め』に終わることになります。

ところがフロアがA-A’で終わる場合、方向転換してLOD2に進んでいかなければなりませんから、ここでは、ウィスクを使うことにしましょう — ウィスクの1 歩目はリバース・ターンの1 歩目と同じ方向へステップしますが、フィガーそのものはLOD2に対して踊ることになるため、1 歩目の方向は『中央斜めに』とは言わず、『新LODの壁斜めに』という表現をします。LOD1からLOD2に変わるからです。

ここでもし『壁斜めに』と言ってしまうと、元のLODの壁斜め、つまり、ナチュラル・スピン・ターンの踊り始めと同じ方向を指してしまうため、正しい方向にウィスクを踊る事ができません。そこで、文章の中や、正確な説明が求められる場合には『新LOD』の表現を使うことになります。勿論、サークルのレッスンでも個人レッスンでも、いちいち、『新LOD』という必要はありませんが、いま、どのLODに対して踊っているのか認識しながら踊る事は大切です。

055-02 ダウンLOD(Down LOD)
「LODの方向に」の意味です。

056 エレベーション(Elevation) 【P】
パソ・ドブレのシャッセで使われる踊り方で、上体をアップに保ったままシャッセします。エレベーションは英語で「高める、昇進」などの意味です。
057 エントリー(Entry)と エンディング(Ending) 
エントリーには次のような意味があります — 
1. 音楽の導入部 
2.  踊り始めの振り付け部分(この振り付けには音楽のイントロ部分を使いますが、それ以上長く使うこともあります)。 
3.  競技会などへの「参加、参加者、総出場者」。例えば、アマチュアの競技会の区分として次のようなものがあります。
 ・アダルト・アマチュア(Adult Amateur)16才以上のアマチュア。
 ・アンダー・フォーティーン(Under 14)14 才までの少年少女。 
 ・オーバー・フィフティ(Over 50)50 才以上。 
 ・オーバー・フォーティファイブ(Over 45)45才以上。 
 ・オープン(Open)国籍、戦績を問わない。
 ・シニア(Senior)35才以上。 
 ・ジュニア(Junior)16才までの年少者。 
 ・ジュビナイル(Juvenile)12才までの少年少女。 
 ・ユース(Youth)21 才までの青年。 
 ・ライジング・スター(Rising Star)過去に準決勝入りした選手を除くカップル。 

エンディングは主に — 
1. 音楽の終わりの部分 
2. 踊りの終わりの振り付け部分 
3. あるフィガーの終わり方(PPエンディング、ウィーブ・エンディングなど)の意味で使われます。

058 燕尾服(Swallowtail) と タキシード(Tuxedo)
燕尾服は男子の夜用正式礼服。上着の背の裾が長くツバメの尻尾のようになっており、スワローテール、ドレス・スーツ、テールコート等ともいわれます。白蝶ネクタイをつけることから、ホワイト・タイということもあります。一方、タキシード(Tuxedo)は男子の夜会用略式礼服。黒蝶ネクタイをつけることからブラック・タイということもあります。英国ではディナー・ジャケットといいます。
  • タキシードの語源を調べてみました。
    「1886 年、ニュー・ヨーク市タキシード公園にあるカントリークラブで初めて使われた準正式礼服のこと。北米インディアンのアルゴンキアン族はニュー・ヨーク地方の狼を‘タキシット’と呼びました。‘丸足’という意味で、この地方の狼がすぐに降伏してしまうことをほのめかした、軽蔑した呼び方でした。グリズウォルド家(Griswold)は借金の肩代わりとしてその地を入手してから、そこに住む狼はタキシード、そこの湖はタキシード湖となりました。グリズウォルド家は会員制の『タキシード・クラブ』を創設し、1880 年代後半、ロリラード・グリズウォルド氏(Lorillard Griswold)が尻尾のないディナー・ジャケット姿で現れたのが今のタキシードになりました。今日でもタキシードを着ている人を「ウルフ(狼)」と呼ぶことがあるのは、そのためです。」(ET)


  
■1 オーケソグラフィー(orchesographie)
音楽体系、舞踏記譜   
059 オーバーターン(Overturn)
正規の回転量より多く回ることで、オーバーターンド(Overturned)と言った場合は「回転量を多くした」の意味です。
060 オープン(Open) 
「開いた」という意味の英語。 
1.フィガー名についている場合は、
①最終歩で足が揃わないで終わる場合(例 オープン・プロムナード)、
②最後にPPで終わる形の場合(例 オープン・テレマーク)、
③オープン・ポジションで踊り始める場合(例;オープン・ヒップ・ツイスト)
の3通りの使い方で用いられます。 ➡《410》

2.参加資格を問わない間口を開いた競技会のこと。 

補足  オープニング・アウト(Opening Out)【R/C】
踊り方を見る → 
記事を読む (2012/07/30)
061 オープン・ターン(Open Turn) 
回転の3歩目で両足が揃わない形をとる踊り方。例えば、フォックストロットの男性のナチュラル・ターンは前半も後半もオープン・ターンですが、クイックステップの男性のナチュラル・ターン前半は両足が揃うのでクローズド・ターンで、後半はヘジテイトでするのでオープン・ターンになります。
062 オープン・テレマーク(Open Telemark) 【W/F/Q】
女性がヒール・ターンする基本フィガーのひとつ。最後にPPになるため「オープン」がついています。PPにならない場合は(クローズド)テレマークと言います。
063 オープン・ナチュラル・ターン(Open Natural Turn) 【W/Q】
ナチュラル・ターンの3 歩目がフォックストロットのステップように前後に開く踊り方。パッシング・ナチュラル・ターンともいいます。PPからはじめる場合が多いので、PP=オープンと考えてしまいますが、スクエアで踊り始めても2 歩目に3 歩目が揃わなければオープン・ナチュラル・ターンになります。
064 オープン・ヒップ・ツイスト(Open Hip Twist) 【R/C】 
基本フィガーのひとつ。「オープン」はオープン・ポジションで踊り始めるためについています。➡《109》

065 オープン・フィニッシュ(Open Finish) 
タンゴのオープン・プロムナードのように、フィガーの最後で足を開いて終わること。 ➡《110》
066 オープン・プロムナード(Open Promenade)
  1. タンゴのフィガー名: 4 歩構成のフィガーで、男性は4 歩目を女性のアウトサイドに出て終わります。オープン・プロムナード・イン・ラインという、4 歩目で男性は右足を女性のイン・ラインに出て行く踊り方もあります。
  2. ルンバのニュー・ヨーク4歩目の形のように、片手で行うプロムナード・ポジションのこともいいます。
067 オープン・ベーシック(Open Basic) 【R/C】
クローズド、またはオープン・ポジションで踊る回転を伴わない前後のベーシック・ムーブメントのこと。オープン・ベーシック・ムーブメントともいいます。
068 オープン・リバース・ターン(Open Reverse Turn) 【T】
6歩構成のフィガーで、リバース・ターンの3 歩目で男性が女性をアウトサイドにリードしながら後退する踊り方のオープン・リバース・ターン・レディ・アウトサイドと、3 歩目で女性がイン・ラインに前進するオープン・リバース・ターン・レディ・イン・ラインという二種類があります。
069 オープン・ロック(Open Lock) 
半分程度の浅く掛けるロックの仕方。例えば、クイックステップのホップ〜シャッセ〜ロックのアクションではきちっとロックせず、足が前後するくらいのところで終わらせます。これはスピードに対応するためです。
070 オープン・ロック(Open Rocks) 【S】
サンバの基本フィガーのひとつで、男性はクローズド・ロックの動きをする間、女性は男性の右側と左側にルンバのオープニング・アウトの動きをします。
071 オナー・ダンス(Honour/Honor Dance)
優勝した人や入賞した人が特別に踊る栄誉の踊り。オナーは英語で「栄誉、名誉」の意味。辞書には「(ダンスで初めと終わりに相手に対する)お辞儀をする」意味も出ています。
072 オフ・ビート・スピン(Off-Beat Spin) 【VW】
男性がカウント1、2で右足前進して強い右回転を起こし、カウント3で左足を横から後ろにステップし右回転を継続するフィガーで「ボールルーム・ダンシング」に紹介されています。
073 オルターナティブ(Alternative) 
英語で「〜の代わりの」の意味。

074 音楽 (Music)
 現代の私たちの周りには音楽がふんだんにあり、踊りに行って音楽に不自由するということはありませんが、昔はどうだったのでしょう。
 今はスタジオに行ってもパーティーに行ってもCDやMDで、あるいはパソコンから音楽が流れてきますが、ほんの少し前まではレコードとカセットテープでした。グラムフォンと呼ばれるレコードが世の中に出てきたのが1930年代。しかし、まだ踊りに適するレコードが殆どなく、そこにビクター・シルベスター率いるバンドが標準テンポをかかげて登場したのですから、それは革命的な出来事だった気がします。

 では、その前はどうだったのでしょう — ピアノです。これはいまでもバレエ・スタジオで見かけます。また、ダンスのスタジオに数名の楽師が来て演奏することもあったようで、そのためのスペースが一角に設けられていたとの話を聞いたことがあります。その頃、そしてその前には、「教師は大きめのポケットにはいる位の小さなバイオリンを自ら弾いて教えた」 — という事が英国の資料(THE HISTORY OF BRITISH POPULAR DANCE/Lyndon Wainwright)に書かれているのを見つけ、どのような楽器だったのか調べてみました。

 この挿絵がそれです、ポケット、あるいはポシェット・バイオリン(全長46cm、幅46mm 位)と呼ばれていたようです。音楽があることの歓びは現代とは比較にならないほど大きかったに違いありません。


074-01 アクセント(Accent)
音楽において強く演奏されるリズムの部分で「強勢、強調」の意味ですが、そのまま日本語としても使われています。また、「タンゴでQQ とあるところは、基本的に始めのQ にアクセントをつける」のように動きの表現にも使います。
074-02 イントロ(Intro)/イントロダクション(Introduction)
音楽の序章、前奏。本や話などの前置き、序論。ダンス音楽では通常4 小節か8小節のイントロがあり、それに対する振り付けもイントロと言います。
074-03 オフ・ビート(Offbeat)と オン・ビート(On Beat)
通常の4拍子の音楽では(強、弱、中強、弱)のように強い部分と弱い部分があり、この1拍目と3拍目にアクセントがくることをオン・ビートといいます。オン・ビートとは「ビートに乗っている」、すなわち、リズムに乗っていることで、「表拍」ともいいます。一方、2拍目と4拍目の本来弱い所にアクセントを持ってくることをオフ・ビートといい、「裏拍」ということもあります。
  • 英語のオフは「〜に乗っていない、裏通りの」の意味があり、オフ・ビートには「風変わりな、普通でない」の意味がありますが、否定的な意味合いは少ないようです。一方、「音楽に合わない、調子はずれの」という場合には、「アウト・オブ・チューン(out of tune)」を使います。

074-04 カウント(Count)
英語の意味は「拍子をとること、音の長さを数えること」。ダンスでのカウントの取り方は、種目とフィガーの踊り方により様々な方法が使われます(例: 1.2.3、1.2&3、SQQ、SS、SaS、1a2 など)。
074-05 クオーター・ビート(Quarter Beat)
1/4 拍のこと。タンゴにはクオーター・ビーツ(Quarter Beats)というフィガーがあります。
074-06 コーラス(Chorus)
音楽の主要部分は8 小節単位のメロディーから成り立っている場合が多く、また、メロディーの展開はA-A’-B-A の形式が多く、その場合、8 小節x4の32 小節をワン・コーラスと呼びます。音楽のブルースでは12 小節でワン・コーラスが多いようです。英語の意味は「合唱団、コーラスグループ、(歌の)折り返し句、イントロ後の主要部分」。
074-07 シンコペーション(Syncopation)
ダンスでは1拍を分割して歩数を1歩増やすこと。音楽的には1小節の中にある弱拍あるいは弱部を強調するリズムの取り方で、いろいろな種類があり、ジャズではスイング感を出すために多用されるようです。動詞はシンコペート(Syncopate) ➡《149》
074-08 スタッカート(Staccato)
音楽の定義で「音符ごとに切り離して短く演奏すること。また、それを表す記号」。タンゴでは「スタッカートの効いた踊り方」が必要とされます。反対はレガート。
074-09 タイム(Time)
4/4 拍子とか3/4 拍子などの「拍子」を表し、この拍子記号をタイム・シグネチャア(Time Signature)と言います。
074-10 タイム・バリュー  ➡ ビート・バリューと同じ。
074-11 チェイサー(Chaser)
音楽の最後で一度終了したと見せかけて再び流す音の部分で、デモの曲によく使われます。 
074-12 テンポ(Tempo)
1分間に演奏される速度。複数形はテンピー(Tempi)。 
074-13 バー(Bar)
楽曲の最小単位の小節のこと。例えば4/4 拍子の曲では4 分音符4 つ相当分が1小節に入ります。英語では「b」で表記されます。

お酒を飲む場所のバーも同じ言葉から出ていて、「横木」が語源にあります。

074-14 ビート・バリュー(Beat Value)
拍子、および、拍子の持つ長さのこと。例えば、「ワルツのシャッセ・フロム・PPのカウントは12&3で、そのビート・バリューは1、1/2、1/2、1である」という風に使います。
074-15 標準テンポ/ストリクト・テンポ(Strict Tempo)
国際ボールルーム・ダンス評議会で決められるテンポで、時代により多少変化する傾向があります。英語ではストリクト・テンポといいます。このストリクト・テンポはビクター・シルベスター楽団が作り出し、彼の音楽は世界中で愛されました。手元にある資料からテンポの変遷を見てみましょう。

(1) 1970 年国際ボールルーム・ダンス評議会
(2) 1991 年国際ボールルーム・ダンス評議会
(3) Technique of Ballroom Dancing( ガイ・ハワード著/1995 年版)
(4) Technique of Latin Dancing( ウォルター・レアード著/1983 年版)
(5) Technique of Ballroom Dancing( ガイ・ハワード著/2007 年版)
(6) The Laird Technique of Latin Dancing( ウォルター・レアード著/2001 年版)

074-16 リズム(Rhythm)
「拍子、調子」のことで、強弱のアクセントの周期的な繰り返し。例えば3 拍子はトリプル・リズムといいます。カウントやタイミングの意味もあります。
074-17 ルバート(Rubato)
ソリストやダンサーが自らの判断で音楽の一部を瞬間的に長くしたり短くしたりして表現しようとすること。ルバートにはイタリア語で「盗まれた〜」の意味があるようです。
074-18 レガート(Legato)
滑らかで切れ目のない動き。反対はスタッカート。



 
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