August 22, 2011  
      ちょこっと講座
#003 ゆったり見えるフェザー・ステップ
 
 

 ダンスファン9月号の「アービン・レガシー」を読んで貰えましたか? 連載最後はスロー・フォックストロットのヒントですので、「ちょこっと講座」では、1回目のヒール・ターンに続き、フェザー・ステップを取り上げましょう。

 世界のトップ・ダンサーのフェザー・ステップを見ていると、「ああ、あんな風にゆったり踊りたいなー」と思います。同じ3歩のステップ(SQQ)を踏んでいても、トップ・ダンサーの踊りが「ゆ〜たり」に見える秘訣は何なのでしょう? 初めに「ボールルーム・ダンシング(アレックス・ムーア著)」から、フォックストロットの特性を書き出してみましょう。

『大きく、流れるような、完璧に滑らかなステップをするのが特徴的です。ゆっくりと流れるように、そして、慌しさを見せないため、ゆったりとしたムーブメントとコントロールが要求されます』 ― とあります。

 余談ですが、なぜ、「ボールルーム・ダンシング」を引用し、なぜ、それよりもっと新しいテキストの「ボールルーム・テクニック(ISTD)」や「テクニーク・オブ・ボールルーム・ダンシング(ガイ・ハワード著)」を引き合いに出さないかと言うと、こうしたテキストには、それぞれの踊りの特性に触れていないからなのです。

  本題に入りましょう。フェザー・ステップ3歩のカウントは “SQQ” ですが、これを “SS&” と踊ってみよう、と言うのが今回のお話なのです。

 “SQQ” も “SS&” も同じ4拍(SS=QQQQ)に変わりはありませんが、踊り比べると後者のほうが「ゆったり」していると実感されるでしょう。 “SQQ” の第1Qを長めに取ることで「ゆったり」みせようとするのは、その踊り手の手法、「表現方法」です。勿論、それをどう受け止めるかは、見る側の判断に委ねられますが。

 イギリスのダンス・サイトに紹介されているフォックストロットの説明に次のようなくだりがあります(私の読み方が正しければ) 

『大きな人気がフォックストロットに集まった背景には、とてもシンプルな動きの踊りを驚くほど様々な形に表現できるからです 〜スイングしたり小走りする感じで踊ったり、滑らかに踊ったり、すこし揺れて踊ったり、行進するように踊ったり、慎重に踊ったりなどなど』

――  そうした多様性は踊り手が感じる音の取り方の違いから発生すると推測できますし、同じ人でも、その時流れている曲の曲想で使い分ける可能性もあります。

 ちなみに、カウントの長さに変化をつける方法は、ある意味、色々な所で使われています。身近な所では、ワルツの2は少し長めにしている傾向がみられますし、タンゴのオープン・リバース・ターンでも、2歩目と5歩目を長めに踊る方法もあったりします。こうしたことは、歌を歌うときにも、その時の気分で歌い方を変えるのに似ています。ダンサー全員が、どの場所も全く同じカウントの長さで踊ると個性がなくなり、少しつまらなくなるからかも知れませんね。

 もし、スローで「ゆったり感」を表現したいと思ったなら、前述の(SS&)とカウントするフェザー・ステップの踊り方を応用し、例えば、リバース・ターン(SQQSQQ)を(SS& SS&)と表現することもできます。特にフェザー・フィニッシュは(SS&)の感じで踊ると、次のスリー・ステップに突っ込まなくて済むという大きなメリットがありますのでお奨めです。連載「アービン・レガシー」の中でオリバーが触れていたフォックストロットの基本タイミングの話はかなり興味深くありませんでしたか?

 
  ハッピー・ダンシング! M. Kammoto