January 30, 2012  
     ちょこっと講座
#028    頭を浮かせる話
 
 
モダン&ラテン共通の話です。

しっかりと床にいるために 「両足で床をプレスして立つ」 ― このような表現でダンスを習いますが、これが意外と難しいと思いませんか? 

床をプレスする両足、その上の腰、そして背骨、頭。
どこか一か所で位置関係が崩れると、その先も崩れる危険がありますし、ずれが生じていると、強いボディがみえません。しかも、どこが崩れているかを自分で発見するのは大変なことです。

そこで私たちは、「アレクサンダー・テクニーク」から学んだ 「頭を上に浮かせる」 方法をサークルで用いています。

イメージ的には、操り人形の頭を持ち上げていくと、その下に体がぶらさがってついてくる ―― そんな感じです。更には、「頭を切り離して上の方において置く」感じです。

アレクサンダー・テクニークは心身の無駄な緊張を止めることで、それまで抑えられていた能力を開放する方法です。アレキサンダー氏(1869-1955)自身は、オーストラリアでシェークスピア劇を演じていましたが、あるとき声がでなくなり、鏡を使ってその原因を長い時間かけて見つけた人です。その結果、無駄なことはしない、体全体の調和が必要という事に気づきました。そのテクニークは現在、欧州のいくつかの国では医療機関と連携をとって代替医療として教えられており、ジュリアード音楽院、英国王立演劇学校(RADA)をはじめとする芸術系の学校で教えられたり、乗馬、ダンス、水泳、演劇その他に応用したアレクサンダー・テクニックのコースも各地で開催されたりしているようです。

海外のトップ・ダンサーの踊りをみていると、こうした原理を何らかの形で教わっているのではないかと感じることがしばしばあります。ラテンでも、外人選手の動きを見てみるとそういう雰囲気が伝わってきます。

この方法でラテンを踊る場合、体は頭の下にぶらさがっていますから、理論的にはボディは脚部の制限を受けることなく自由に動くことになります。床に対する強さの表現ができなくなるのではないかとの懸念が出ますが、頭の下にボディ、ボディの行くところに足、とバランスが取れていれば自然に「強さ」の表現につながる感じがします。

「強さ」を逆から考えてみましょう。
床を意識して強く立っても弱く見えてしまいう人がいます。それは、体のどこかにひずみがあり、そこを通して、床から頭を突き抜けていくべき強さが逃げてしまっているからです。このように、実際に力を使っても強さが表現されないこともありますから、その解消法を頭からボディが釣り下がる、という方法で解消してみようという訳で、ボディがひとまとまりにつながっていれば強さの表現は可能だという事になります。

言い訳ですが、たとえ、この方法で強さが表現できなかったとしても、それは全く構いません。自分は、単なるダンス愛好家で、若くもなく、競技会に出ているわけでもありませんから構わないのです。プロのように踊ろうなどと無茶な考えを起こさず、できるだけ簡単で早く、楽に、できれば綺麗に踊れる方法を見つければよいわけですから。

その結果、優雅に踊れれば、儲けものなのです。

しかし、プロ、アマを問わず、また、競技選手、ダンス愛好家を問わず、アレクサンダー・テクニークの利用価値は大いにあると思います。

(ハッピー・ダンシング! カンカン)

 

 
  ハッピー・ダンシング! Makoto Kammoto