March 04, 2012  
     ちょこっと講座
#033 ワルツで笑って踊っていけないの?
 
 
今回は私が「ダンスウイング」という雑誌に関わっていた時のQ&Aを書き直して取り上げます。因みにここに出てくるウイングおじさんは私です(汗)。

質問: 
ウイングおじさんこんにちは。ダンスウイング49号の30頁で、コメンテーターが「ワルツのスマイル(smile) とラーフ(laughing) は違う、また、感情表現も、日本人と海外トップクラスとでは表現方法が違う」と書いてありますが、女性はどんな“笑み”で踊ればいいの? どこが違うのですか? (大阪市の「がばっと」おばさん)


回答
あらら、私のように競技会に無縁な者に寄せる質問とは思えませんが、今回は、私のとても軽薄な一面をもって回答を書いてみようと思います。

まず英語を見てみると、スマイルは「微笑む」でラーフは「笑う」で、二つの単語の意味は大きく異なります。次に、「ワルツ」と聞くと、テンポの速いヴィニーズ・ワルツのような曲を思い浮かべ、「明るい!」と思うかもしれませんが、色々聞いてみても、飛び抜けて明るい曲は少ないですし、ましてやテンポが1分間に28とか30小節のスロー・ワルツだと、にこにこ笑えるような曲は皆無に近いと思います。例えば、千昌夫の「星影のワルツ」がかかったとすると、笑って踊る人は誰もいないでしょうから、奥山先生のコメントは、「それなり」の表現が必要 — ということではないでしょうか。

では、“どの程度の” 笑みで踊るのかということになりますが、それは、人それぞれに、その時々の曲をどう解釈し、どう表現しようとするか、と言うことになり、それも一つの技術と言えると思います。

実際に、コメンテーターが指摘を検証しようと、手元のDVDでプロのワルツを観てみました。1本はかつての日本インターの決勝で、もう一本は今年のブラックプールの決勝です。

ブラックプールのDVDでは、当然ながら、笑って踊っている選手は誰もいませんでした。そんな風に朗らかな曲でもありませんし。

一方、日本インターの中には、明らかに明るい、笑い出しそうな笑顔で踊る選手がいましたが、曲はそれほど明るくはありません。そのカップルが音楽を考えずに、ただ笑っていたとすると問題でしょうが、プロとしてそれはあり得ないでしょうから音楽を感じ取った上での表現法だと思いますが、私の目には、曲に合わない表現に映りました。

ではなぜ、笑うような顔を作ってしまったのでしょう? 一つ考えられる事は、私たち日本人は一般的に顔の表情が控えめですから、「何かしなければ」と思ったとたんに大げさになってしまうのかも知れません — 「微笑み」が「笑う」という風に。

国際的にやって行くには普段から表情に強弱をつける訓練が必要かも知れませんね。また、プロであれ、ダンス愛好家であれ、決められたルーティンで踊ってワンパターンの表現をするのではなく、今、自分たちの体をを覆い尽くしている曲を感じ取る練習が必要だと思います。

今回は、思い切った発言をしてみました(笑)。

 
  ハッピー・ダンシング! Makoto Kammoto