June 10, 2012  
     ちょこっと講座
#048  コントラ・チェックの意味は?
 
 


先日、遠方の友人からコントラ・チェックへの質問が届きました。同じ疑問を持っている人がいるかも知れないと思い、ここで取り上げますね。

質問:  Contra Check の Contra ですが、言葉の意味を調べてみると
— prefix
1. against; contrary; opposing; contrasting: contraceptive ; ontradistinction
2. (in music) pitched below: contrabass [from Latin, from contrā against]
など、いくつか調べましたが、だいたいこのような感じです。

Contra Botafogos などは、この意味でわかるのですが、"Contra Check"の場合は、よくわからない感じがします。CBMのCは、Contrary で、Contra と同じ意味でしょうから、"Contra Check"のContraは、CBMの大きなチェックという意味でしょうか? それとも、contrabassのように、ただ単に"大きいもの"のような意味でしょうか。 (富山のM氏)


回答: 私が今までに読んできた 僅かな資料の中で、「コントラ・チェックのコントラは、こういう意味合いから命名しました」 との説明には出会っていない気がします。しかし、私自身は、この名前はすんなり入ってきたので、コントラの由来に疑問を抱いたことはありませんでした。では、どうして「すんなり」入ってきたのでしょう。

例えば、チェックと言うとどんな形を考えますか? 男性のステップで 考えてみましょう。

1.左足前進のチェック:
(例) ブルースのコーナー・チェックのように、スクエアの形で 男性が左足前進のチェックをしてから 右足に戻るステップ。

2.右足前進のチェック:
(例) ワルツで男性が左足からのクローズド・チェンジの3歩を踊り、次にナチュラル・ターンに入ろうと1歩、右足前進したけれどもぶつかりそうになったのでチェックをして 左足に戻る場合。 これも1と同じくスクエアの形、つまり、イン・ラインのままです。
参考までに、この例の場合、この次は、左足に右足を揃えてから ウィスクに入ることができますし、右足チェックから → 左足に体重移動 → 右足でリバース・ピボット → 中央斜め、あるいは、LODに沿ってダブル・リバース・スピンを踊ることもできます。

3.右足OPに前進でのチェック:
(例) ワルツでシャッセ・フロム・PPから 男性が女性の右外側に右足前進から ナチュラル・ターンに入ろうとして、危ないのでチェックする場合。OP(アウトサイド・パートナー)に出るので CBMPにステップします。

4.右足CBMPに後退でのチェック:
(例) ワルツのウィーブ・イン・ワルツタイム、スロー・フォックストロットのベーシック・ウィーブのように、右足後退して女性を一度引き込んでチェックしてから入るフィガー。 タンゴのバック・オープン・プロムナードも同じですね。 スクエアのまま踊り、CBMPに後退しています。

5.左足CBMP前進のチェック:
(例) 前進とは言い切れませんが、これが一般的なコントラ・チェックです。上の4つの例とは異なり ステップする方向がイン・ラインのままCBMPに出て行きます。つまり、コントラ (あるいは、コントラリー)の方向にステップするのでコントラ・チェック、と私は考えているので、大した疑問を持たなかったのです。この考え方が正しいかどうかは分かりませんが、多分、そうだと思います。

6.チェック・フロム・オープンCPP:
ラテンでは、ニュー・ヨークの前半を「チェック・フロム・オープンCPP」、後半を「チェック・フロム・オープンPP」とも言われているように、チェックは必ずしもCBMPにステップする訳ではないことが、この例でも分かると思います。

7.その他:
スタンダードでは、アップライト・コントラ・チェック、トラベリング・コントラチェック等の言葉も耳にすると思いますが、これらについては私の拙書 「私のダンス用語ノート」 を参照してください (確かも、お持ちでしたね)。 また、コントラとコントラリーの違いに関する私の考えは、同書のCBMの項の雑学をご覧ください。 



*この記事は2012年6月7日のブログを書き直したものです。

 
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