ちょこっと講座
#075 ワルツに見えるスロー
 
 

December 09, 2012

#075 ワルツに見えるスロー

読者の方から「ワルツにしか見えないスローを踊っている人が多い」と嘆くお便りを頂きました。皆さんも周りではどうでしょう? 私も近場でよく見かけます。

■スローがワルツに見える原因のひとつに、ライズ・アンド・フォールの違いを理解していないことが挙げられます。ワルツでは比較的急激なライズ・アンド・フォールが起こります。これは両足が揃う事に起因しています。一方、スローでは両足が揃う所が少ないので、ワルツで起きたライズの高さやロアーの低さを、(足が開く)距離に結び付けるようにします。

■「ワルツに見える」訳ではありませんが、スローでトラブル大きな問題点は、“S”カウントが短くなってしまうことです。例えば、フェザー・ステップをSQQと踊ったつもりが、1歩目のSで十分な長さを使えず、次のQへ、さっさと早く入ってしまうことがあります。

こうした場合の対処法として、“S”の所を、
・「スロー、アンド」と言う。
・「1・2」と言う。Qの所は「3」とか「4」。
・「スローリー」と言う。

つまり、“S”は“Q”の倍の長さがあるのに、言葉にすると、「スロー」も「クイック」殆ど同じなので、意図的に“S”の言葉を長くするという方法です。方法をちょっと工夫するだけで踊りがガラッと変わることがありますので、試してみてください。

また、かつて見たレクチャーの中で、ヒリヤー氏はフェザー・ステップでは、「右足Sのヒールをできるだけ長く床につけておく」、といった方法が紹介されていました。これも、とても参考になるかと思います。

私は、「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」を読んでからは、“S”の所は「おしまい」とは「やらない」と言いながら踊っています。結構、走らなくていい感じです!


さて、原因追及はそのくらいにして、私も「ワルツにしか見えないスローを踊っている人が多い」とは思いますが、だからと言って、ダメ!とは思わず、それは「それでいいじゃないか」とも思うのです。自分の踊りだって、上手な人が見たら何から何までできていないのでしょうから、立場を逆転して考えてみるのも良いかも知れません。

ダンスを始めて間もない頃、日本チャンピオンだった中川勲先生にカップル・レッスンを受る機会がありました。そんなある日、何かの機会があったとき、中川勲先生が次のようにおっしゃいました――
『あれもダンス、これもダンス、いろんなダンスがある』 
そしてこう続けたのです ――
『だけど、それは僕の目指すダンスではない』と。

『人は直せない。自分は直せる』 ―― そんな風に思います。
他の人はなかなか自分が思うように変わってはくれません。それは自分が他の人が望むように変わらないのと同じです。自分だってなかなか変わらないのに、それを人に求めるのは無茶というものです。

だから、スローをワルツ見たく踊っていても、それはそれ。おまけに、その人はその人の環境が許す限りで最善を尽くしているのかも知れないのですから。だから、自分を直す事に精力を使いませんか? 

より良いものを求めるよう、まず自分から行動し、私達サークル・レベルから日本のダンスを変えていきましょう! 今回は大きく出ちゃいました(笑)!

 
  ハッピー・ダンシング!  神元 誠/Makoto Kammoto