ちょこっと講座
#101 タンゴらしく踊るには?
 
 

June 08, 2013

#101 タンゴらしく踊るには?


昨日のサークルで、「自分のタンゴはワルツっぽい感じがする。タンゴらしく踊るにはどうするのですか?」との質問をうけ、少し嬉しい驚きを感じました。ステップをどうすれば良いかと言うレベルから一歩踏み出した質問に発展したからです。

前置きとして私が引用したのは、「ダイヤモンド・コレクション」というDVDの中でリチャード・グリーブさんが話されていたエピソードでした。あの偉大な世界チャンピオンだったグリーブさんでさえ、彼の先生達からは力強さに欠けていると言われていたというのです。そこで彼は1年間、全てのレッスンをタンゴに費やしてタンゴの本質を知ろうとしたのですが、結局は分からず仕舞いだったそうです。それで彼はタンゴのレッスンを受けるのを止め、ある日自分に「タンゴとは何か」ではなく、「タンゴでないものは何か」と問いかけを始め、そこから少しずつタンゴの本質が見えくるようになった、と言うのです。

タンゴでないものにはスイングがある → スイングとは固定した1点を軸にしたフリー・ムーブメントのこと → タンゴにはスイングがない → スイングしない形とは垂直に立ち頭、肩、ヒップの中心が一直線上にある状態 ― このように彼の考察は進んで行きました。

私達サークルで踊るものも、彼の気づきを大切に使い、「頭、肩、ヒップの中心が一直線上にある状態」をしっかり意識して踊るようにしましょう。また、タンゴは歩く踊りですからヒールで出るステップはきちんとヒールで出なければノッキングを起こし、「頭、肩、ヒップの中心が一直線上にある状態」が壊れてしまいますから、フットワークには十分気を配りましょう。

もう一つタンゴらしさを考える上で大切な事は、リズムの変化をつけることです。例えば2ウォークスからプログレッシブ・リンクをSSQQと踊る場合、同じテンポで歩き続けるようにして踊ると、そこには変化が見られませんから、ステップしているだけの単調な動きにみえてしまいます。それは息を同じ強さで吐き続ける場合と良く似ています。変化がないのでリズムが感じられないのです。そこで今度は、吐く息に強弱をつけたり、一瞬長くしたり短くしたりすると、そこにリズムが生まれるのが分かります。この理屈を先程のSSQQの1歩毎に応用してみようと考えてみてください。あなた自身のタンゴらしさが生まれて来ることでしょう。

顔も、スイング・ダンスの顔からタンゴの顔にしてください。やってみると分かりますが、いくらシャープなタンゴを踊っても、顔がワルツの顔をしていると、踊りがまったくおかしく見えます。タンゴにはタンゴにふさわしい表情が必要です。


 
  ハッピー・ダンシング!  神元 誠/Makoto Kammoto