MA24 崩れるスローアウェイ……

どこかの誰かのダンスに役に立つことを願い、拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」を公開中です。今回から、第3章「スタンダード・ダンスの悩みを解決する11の話」に入ります。今回はスローアウェイ・オーバースウェイについて。

 

MA24 第3章 スタンダード・ダンスの悩みを解決する11の話
(第2話)崩れるスローアウェイ……

 

スローアウェイ・オーバースウェイがぎこちないとか滑らかに入れない女性は、もしかすると、リードを受けた瞬間からスローアウェイの最後の形、つまり、左足を投げ出した姿をイメージしているのではないでしょうか? 

「私、思ってる!」と自供した人(笑)と男性はこの先を読んでください。

 

女性がスローアウェイの最後の形になるまで、大きく3つのアクションがあります。それを飛ばすと1歩目の右足は男性の近くに寄り過ぎてしまい、スローアウェイの体が開き、捻れが起き、左脚の方にウエイトが取られバック・バランスに――――。結果、男性にしがみつくこととなり、綺麗なラインを目指しているのに、気持ちは「なんか、変・・・・・・」となる訳です。そこで、解決法を紹介しましょう。でも、その前に、「先読みしない」話をしておきましょう。

リードを受けた瞬間、女性はスローアウェイ・オーバースウェイと思うかもしれませんが、男性側からすると、実は、まだ決まった訳ではありません。同じように入ろうとする形からヒンジやハイ・ホバー、あるいは単なるオーバースウェイなどに入る選択肢がありますし、例えスローアウェイに入った場合でも、カウントに変化をつけることも十分考えられます。ですから、「スローアウェイに入る!」と思っても、「もしかしたら違うかも・・・」と思っていることが大切です。先読みはせず、確実なリードを受けるまで、自分からは何もしないことです。

 

■1つ目:アクションは左足の上

1歩目右足をステップする前に、女性は男性の右腕の中にゆったりいて、左足の上にボディとヘッドが乗っていることを確認しましょう。これがスローアウェイに入る前の大事なアクションです。

 

■2つ目:アクションは真っすぐ乗る

ここで問題です。次のどちらが良いですか?

A.焦って頭から突っ込み、スローアウェイで苦しい思いをする。

B.男性の腕の中にゆったりいるだけで、綺麗なスローアウェイになれる。

きっとBを選びましたね。だって、最終的に綺麗なスローアウェイが踊れるのですから!

1歩目右足に頭から突っ込むイメージを抱いている人が多い気がしますが、それは完全にデフォルメされたイメージですから消去してください。そして、右足をボールから真っすぐ前進し、その上に素直に乗りましょう。ヘッドは左肩の上の方に。男性に対する位置は変わりません。たったこれだけの中に、とても理に適った次のようなメリットがあります。

1.真っすぐ乗り、力みの抜けた左脚が右脚の傍に寄って来て、男性のボディの回転に反応しようとします。左脚が後ろに残っていると、僅かながらもバランスが後ろに取られ、次の回転の邪魔をします。

2.「真っすぐいる=回転軸が真っすぐ」なので、回転がぶれない。

3.重心が右足ボールの上にあるので、靴の回転が起きやすい。

これが2つ目のアクションです。ある意味、この一歩だけを考えていれば、次にスローアウェイ・オーバースウェイが来ようと、何が来ようと完璧な対応ができます。

 

■3つ目:アクションは右足が作る

女性は男性のリードを受けて右足の上で回転をしてから、左脚をスローアウェイの形に持って行きますが、実は、その形は左脚で作るのではなく、軸足の右脚部が作ります

左脚に力を入れて遠くにやろうとすると、その力みでバランスが左脚部に取られてしまいます。ですから、あくまでも右脚部を主体に考え、右脚部が力みの抜けた左脚部を送りだすと考えましょう。これができている女性は、

① 男性がホールドを外しても、同じ形でその場に立っていられる。

② その形のまま右足のヒールを上げることができます。

トライしてみてください。

さて、とても綺麗なスローアウェイ・オーバースウェイの形ができましたが、男性のところへ戻るには頭が先ではありません。左足トウが出ていく気持ちです。男性は、女性が以上のことができるようリードしてください。

男性に戻る左足は、
トウを移動していく弧の延長線上に。

(「第3章 スタンダード・ダンスの悩みを解決する11の話(第2話)崩れるスローアウェイ……」おわり)

 

ハッピー・ダンシング!