#137 アウトサイド・チェンジ雑考

 

#137 アウトサイド・チェンジ雑考(”Outside Change” Memorandum)

このフィガーについて調べたことを記録しておこうと思います。

 

✅原型はバックワード・チェンジ

若い頃に購入したK・アクリル氏の資料(*1)に「アウトサイド・チェンジは今では廃れたバックワード・パッシング・チェンジの発展形です」と書いてあります。当時はどんなステップかわかりませんでしたが、数年前に購入した1938年発行のH・ジェイクス氏の本(*2)が解明してくれました。右図がそれです。

男性は3歩後退(女性は3歩前進)してリバース・ターンの4~6を踊ります。

 

それなら、これを使ってみようではありませんか! 単に使われなくなっただけで、使っていけないことはないのですから。

この本にはフットワークは出ていませんが、「1の終わりでライズし、3の終わりでロアー」の説明がありますから、今回勉強した要領でアウトサイド・チェンジの3歩を後退してリバース・ターンの4~6に繋げれば良いわけです。チラッと使えばお洒落だと思いませんか?

(※リバース・ターン3歩目から続けるバックワード・チェンジもあります)
(*1) AN ANALYSIS OF THE MODERN WALTZ TECHNIQUE TO ASSOCIATE LEVEL
(*2) Modern Ballroom Dancing

 

 

✅結構新しいフィガーだった!

ジェイクス氏の本には下記フィガーが出ています。

  • ①フォワード・チェンジ(クローズド・チェンジ)2種
  • ②バックワード・チェンジ2種
  • ③ナチュラル・ターン
  • ④ヘジテイション・チェンジ
  • ⑤ナチュラル・スピン・ターン
  • ⑥リバース・ターン
  • ⑦(リバース)コルテ
  • ⑧ダブル・リバース・スピン
  • ⑨アウトサイド・スピン
  • ⑩オープン・テレマークが出ています。

A・ムーア氏の古い本(*3)には上記の他に、

  • ⑪オープン・インピタス・ターン
  • ⑫クロス・ヘジテイション
  • ⑬ウィング
  • ⑭ウィスク
  • ⑮ドラッグ・ヘジテイション
  • ⑯バックワード・ロックス

が加わっていますが、やはり、アウトサイド・チェンジは出ていません。ダブル・リバース・スピンやアウトサイド・スピンのように複雑なフィガーが古くから考案されているのに、こんなにシンプルなアウトサイド・チェンジがまだ登場していないのです! しかも、ウィングやウィスクの方が古いなんて、ちょっと意外で、同時に楽しくなってきます。

(*3) Ballroom Dancing 1951年発行第6版

 

 

✅壁斜めはお薦めでない?

アクリル氏の本には「先行のナチュラル・ターンを壁斜めに始めるのはよくない。LODに始める方が遥かに良い」とも書いています。

実は、ムーア氏の Ballroom Dancing のアウトサイド・チェンジは、その形で足型図が描かれています(右図)。

 

その踊り方もやってみましょう。もっとも簡単な方法は――

(男性)

  1. コーナー付近で壁斜めにナチュラル・ターンの6歩を踊り、後半の回転量を少なくして新LODに面して終わります。
  2. ナチュラル・ターンの前半を踊り、3/8回転して中央斜めに背面します。
  3. アウトサイド・チェンジを踊ります。

この方法は普段見かけない分、かえって新鮮に見えることでしょう。

 

ハッピー・ダンシング!

 

📘この項はダンスファン2017年4月号連載記事を一部変更してお届けしました。

📘参考文献
(*1) AN ANALYSIS OF THE MODERN WALTZ TECHNIQUE TO ASSOCIATE LEVEL
(*2) Modern Ballroom Dancing
(*3) Ballroom Dancing 1951年発行第6版

 

【関連記事】
 #136 7.アウトサイド・チェンジ (Outside Change)

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