#265 内回りと外回りを理解すると上手になる

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サークルのような団体レッスンしか受けていなくても、知識を持つことで自分のダンスを上達させることが出来ます。「内回りと外回りを理解する」もそのひとつです。

 

#265 内回りと外回りを理解すると上手になる(Theory of Inside Turn and Outside Turn)

 

✅内回りと外回りは同じ動きではない!

すぐに実験をしてみましょう。

 

 ■実験■

  • 二人組で向き合って両手を繋ぎます。
  • ひとりがもうひとりをぐるぐる回し、1回転(360度)して元の位置に戻るまでの2人の動きを観察します。

すると次のことが分かります。当たり前すぎて呆れる人もいることでしょう。

  1. 回す人の動きはゆっくりで、回される人の動きは速い。
  2. 回す人の動く距離は小さく、回される人の動く距離は大きい。
  3. 二人は動くスピードも距離も違うが、二人共、同じ1回転(360度)している。
  4. このときの「回す人」は内回りで、「回される人」は外回りをしています。

 

🙅😩「もう! 当たり前すぎること言わないで!」
と声を上げた人がいたかも知れませんね(笑)。

でも、踊っているときには意外とこの、馬鹿らしい程の当たり前すぎる事実は軽視されています。それが、ふたりの踊りを不必要に難しくしている場合が多いのです。具体的な説明をワルツのナチュラル・ターンを例にしましょう。

 

1⃣内回りの女性は何もしない感じで良い

ナチュラル・ターンの前半(1~3歩目)では男性が外回りです。外回りは内回りよりスピードがあり、移動距離も大きいので、男性は遠慮せずに出て行きます。

一方、女性は内回りです。内回りは外回りよりスピードが遅く移動距離も小さいので、ゆっくりと小さな動きをします。

ワルツの曲は男性にも女性にも同じテンポで聞こえてきますが、同じ速さの(123)のカウントで踊っていても、内回りの女性は少々ゆっくりカウントを取る感じ ― 極端な言い方をすれば、「1歩目をステップしたら、後は何もしない」くらいの感じで良いのです。

「ゆっくりカウントを取る」とか「後はなにもしない」などと言うと、女性は「男性とずれてしまう」と心配するかも知れませんが、男性に合わせる気持ちを持っていれば、全然問題ありません。内回りの女性は「ゆっくりカウントを取る」と「後はなにもしない」を実行する勇気を持ちましょう。

2⃣内回りの男性は ―― 

次はナチュラル・ターンの後半(4~6歩目)です。男性は左足後退しながら内回りになりますが、女性の内回りと少しだけ違います。

女性が内回りに入る時、男性は、

👨「僕がリードする方向にステップして僕が前進する道を開けてね」
という気持ちでリードするので、女性はそれに対してフォローします。一方、男性が内回りをするときは女性に対して、

👨「君が前進しやすいように道を開けるから、そこに出て来てね」という気持ちです。

女性はリードで内回りをする。男性は自ら内回りをしながら女性に外回りをリードする。一見、同じ「内回り」に見えますが、ほんの少しの違いがあります。

 

さて、ナチュラル・ターン後半の男性は内回りになりますので、前半のようなスピード感はありません。ゆったりとした気持ちで、女性が(456)のカウントで綺麗に踊れることを優先します。

一方、前進を促された女性は先ほど(前半)の控えめな感じは忘れ、遠慮せず堂々と右足から出て行き、外回りの仕事をします。勿論、男性のリードの範囲での話ですが。

男性は内回りをしつつ、女性に「どの方向に」、「どのスピードで」、「どの位置まで」の指示(リード)を与えながら、その女性について行くようにします。自分が先に行って女性を連れてくるのではありません。

 

 

✅踊っている最中にいちいち考えていられない!

実験からも分かるように、外回りと内回りの人の踊り方は明らかに違います。この明らかに違うことを踊りの中で行うと、踊りが綺麗になります。これを考えず、いつでもどこでも同じ調子、同じ勢いで踊るとうまくいきません。

👩🙅🧝‍♂️👨😩👽💀🙍‍♂️🙋「それは分かったけど、踊っている最中に、いつ内回り、いつ外回りなんて、いちいち考えている暇がない!」
 ― と叫んだ人はいませんか?

 

もっともです。

男性は自分で次に使うフィガーを考えているのでいいですが、それを事前に知ることができない女性が、瞬時に「内回り」と「外回り」を判断出来るわけないし、出来たとしたら神業!?

 

いいえ。実は瞬時に知る素晴らしい方法があるのです! それがこれ!

 

😄前進は外回り!

😀後退は内回り!

 

 

簡単でしょ?

二人が組んで踊る場合、「前進する」人は外回りで、「後退する」人は内回りをしています。

ですから、「前進=外回り」と思ったら積極的な動きをし、「後退=内回り」と思ったら、ゆったりした気持ちで踊れば良いのです!

 

これから踊るときに活用してください。 「知識は上達を助けてくれます」。

 

👩🙅👨😩🙍‍♂️🙋「でもさあ、これって、サークルでも下の方のレベルの話だね……

 

とんでもない!

踊りのレベルが違うだけで、プロのトップ・ダンサーまで使える原理です。それが証拠に、元世界チャンピオンが何度も何度も「内回り」と「外回り」を話すレッスン動画があるくらいです。

 

でも、大切なことは他の人がどうかではなく、自分が上手になることです。昨日の自分より少しでも目指すダンスに近づくことですから、この馬鹿らしいほど当たり前のことをダンスの中で実行してみてください。

「新しくて特別な技術を使おう」というのはなく、ただ、「内回りと外回り」を考えて踊るだけで上達できちゃうのですから!!

 

次回ワルツを踊るときのために、ナチュラル・スピン・ターンの「内回りと外回り」がどうなるかを考えておきましょう。また、タンゴやスローなど、他の種目でも「内回りと外回り」を考えながら踊ってみましょう。

 

この原理は当然ラテンでも使います。

 

ハッピー・ダンシング!

 

【関連記事】Q38. ラテンのターンについて、その場で軸足に体重を乗せてターンするときはどこに一番力を入れるべきですか? 毎回バランスを崩してしまい、綺麗に回れません……。(長野県 女性)

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