#269 アンドリュー・シンキンソンの “The Lost Tango” (2010)

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#269 アンドリュー・シンキンソンの “The Lost Tango” (2010)
【映像とテキスト】

2010年UKコングレスからアンドリュー・シンキンソン(Andrew Sinkinson)のレクチャー映像を紹介します。文字で読むと、また別の発見がありますので、日本語書き起こしも記録として残します。

 

この映像は隔月誌ダンスウイング55号の付録DVDです。当時、スタジオひまわりの海外部とダンスウイング編集部の両方に携わっていた私は、日本のダンサーたちにこうした良質のレクチャーを提供できることを心底嬉しく、また、誇りに思いました。

余談ですが、レクチャーの中ではヘンリー・ジェイクス(Henry Jacques)のテキストが取り上げられています。私がヘンリー・ジェイクスの名前を知ったのはリチャード・グリーブさんからでした。グリーブさんと数日間の撮影の仕事をした話はこのブログ(#001 タンゴレッスン雑学1/問題にぶつかったときは逆からも考えてみる )に書いていますが、撮影の合間に雑談をしていた時、こんな会話が起こりました。

 

 

 

グリーブさんとの会話

グリーブさん:あなたはダンスのことを良く知っているね。いったい、どんなテキストを読んでいるの?

(私が数種類の英語の書物名をリストアップすると、その中には彼の知らないものがありました。そこで、それを翌日お見せする約束をすると……)

グリーブさん:じゃあ、ヘンリー・ジェイクスのモダン・ボールルーム・ダンシングは持ってる?

:いいえ……。

グリーブさん:あなたは勉強しているんだから、あれは買ったらいいよ。

:グリーブさんは買ったのですか?

グリーブさん:いや、知らない人に貰ったのさ。教室をオープンしたときに、その本と昔のLPを抱えた男ががやってきて、引越しするからあげると言って、置いて行ったんだ。信じられないだろ?  そこには、足の使い方も事細かに書かれてあり、70年以上も前の本とは信じられない素晴らしい本だよ。数万円はするけど、買った方がいいよ。

…という訳でネットで探して原書を手に入れたら、なんと10万円近い高値!💀

そんな高価な買い物をしたことのない私は気絶しそうになりましたが、このレクチャーの日本語訳をつけていた時に、この本を持っていたおかげで、シンキンソンの話の内容確認が完璧に出来たので、グリーブさんのアドバイスに感謝したものでした。

お喋りはこの位にして、シンキンソンのレクチャーを覧下さい。あなたのダンスのお役に立ちますように! 

 

2010 UK Lecture
“THE LOST TANG” by ANDREW SINKINSON

アンドリュー・シンキンソンの「失われたタンゴ」(映像)

 

 

アンドリュー・シンキンソンの「失われたタンゴ」(テキスト)

2010 UK Lecture
“THE LOST TANG” by ANDREW SINKINSON

MC: さて、今度はボールルームのレクチャーに移りたいと思います。ボールルームダンスに対する古典的なアプローチをとることで知られている人物にレクチャーしてもらいましょう。タイトル「失われたタンゴ」です。アンドリュー・シンキンソンです。

Andrew: 今日のテーマは、失われたタンゴです。


「ひと昔まえ、新しいスタイルのタンゴが広まりました。しかし、その踊り方や技術は間違った印象のまま広まってしまい、現在のダンス界は、その新しいタンゴのスタイルから得た成果を充分活かすことができていません。残念なことに、多くのダンス教師はこの新しいスタイルを完全に理解できておらず、間違った理論にしがみついています」

――ということがヘンリー・ジェイクス(Henry Jacques)の本に書かれています。

 

🔶ヘンリー・ジェイクスのテキストから

ヘンリー・ジェイクスは、3年連続の全英プロチャンピオン経歴を持ち、ISTDのフェロー試験官であり、終身会員でもありました。それは遡ること1934年から35年にかけての年で、新しいスタイルは5つのフィガーで構成されていました。その5つとは、ハバネラ・チェンジ(Habanera Change)、アルゼンチン・チェンジ(Argentine Change)、コントラ・ツイスト(Contra Twist)、アウトサイド・リンク(Outside Link)、プログレッシブ・プロムナード(Progressive Promenade)です。現在は全く違う名前で呼ばれていて、

  • ハバネラ・チェンジはフォー・ステップ・チェンジと名前を変えています。
  • アルゼンチン・チェンジは、今のブラッシュ・タップ、
  • コントラ・ツイストはプログレッシブ・リンクになり、
  • アウトサイド・リンクは、現在はフォー・ステップに。
  • 最後のプログレッシブ・プロムナードは現在のクローズド・プロムナードです。

 

これらをうまく踊るためには、今から話すタンゴの要素に関する知識と技術が不可欠だと思います。その要素とは、ホールド、アクション、脚部のパワーと上半身の安定、脚部のスタイリング、そしてパートナーを閉じたり開いたりする方法です。

その前に、今日に於けるフットワークについて話したいと思います。最近のISTDのテキストによると、プログレッシブ・リンクのフットワークはこのようになっています。1歩目、ヒール。2歩目は足(フット)のインサイド・エッジと左足ボールのインサイド・エッジ。

ヘンリー・ジェイクスが書き、NATDから1939年に出版されたリバイズド・テクニック・ブックにも同じステップがありますが、それにはこう書かれています。1歩目、ヒール~フラット。まず足の外側をプレスし、次いで、足のインサイド・エッジをプレス。2歩目はフラット。ここは、足のインサイドをプレスし、左足インサイド・エッジをプレス。ここから、当時はフットワークに重点が置かれていたとことが分かります。より細かく、正確に、明瞭な足の使い方が重要視されていたことが。

 

🔶ホールドについて

では、先ほどご紹介した五つの要素について話していきましょう。まずはホールドについて。私はよいホールドを作るための6つのアイディアを、ダンス人生の中で教わってきました。

1番目。他の種目と同じように背筋を伸ばして真っすぐ立ちます。でもタンゴではほんの少し低くなります。正しいポジションに立っていたならウエイトを変えることなく左足を持ち上げられます。これがポジション1です。

ポジション2は、頭とボディをほんの少し左へ持っていきます。

そして3は、左腕の形。この左腕に関しては、肘をシャープに曲げる感覚です。そして床のほうへ少し角度を倒します。ワルツでは、ここは90度の角度、この部分は45度、そして手の角度も45度です。しかしタンゴではもっと鋭く、手は床と平行に近いポジションとなり、手首はこんな風に角度をつけます。以上が1~3番です。

 

女性と組みます。パートナーとはコンパクトにフィットするようにしましょう。

女性が両手で男性の肩を押し下げ、男性が優しく女性の腰に手を回すと、それがコンパクト・フィットと呼ばれる形になります。横から見ると、頭と頭の間に程好いスペースがあり、二人の肩は平行になっています。女性の腕の形をよく見てください。女性の肘は床に向いていなければいけません。肘を後ろに向けるのも、まっすぐ伸ばすのもいけません。

タンゴでは男性の右腕はより深く女性を包み込みます。スイングダンスでは女性の肩甲骨の辺ですが、タンゴではもっと内側まで手を回します。女性がブラジャーをしているなら、目安はブラジャーのちょうど上、手はホックより先に置くとよいでしょう。

女性の左手は男性の腕とつながります。3つのアイディアを紹介します。肘と肘を合わせ、高すぎないように。女性は自分の方に向かってほんの少し力を入れ、男性の脇の下の角度をつけた手にはトーンを感じるようにします。ワルツでの両腕はボディと左右にバランスのとれた場所にありますが、タンゴではバランスのとれた場所にはなりません。しかし、女性とホールドすると、二人の形として、バランスが取れているように見えるようになるでしょう。

以上をまとめると、まずは1、2、3。女性が入ってきてかみ合い、腕を横に、平行に、男性の腕、女性の腕。この段階で、タンゴらしい形とタンゴらしい雰囲気を作ろうとしてください。きっと同意していただけると思いますが、そうすることで綺麗なラインとスペースをバランスよく作ることができ、余計な力を相手に与えないで済みます。

🔶アクションについて

次の要素はアクションです。アクションに関して私たちが期待するものは、フロアにしっかりと降りること、同じ高さを保ち、足を床から離してステップすることです。考え方としては、次の足に移動する際、ウエイトが中間に置くことです。スイングダンスでは、ウエイトは足の前の方にかけるよう教えられるかも知れませんが、タンゴではウエイトは中間です。

タンゴ・ウォークを前後に四歩ずつ踊るとこのようになります。1、2、ウエイトは中間、3,4,5,6,7,8。

後ろへ。≪& 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7 and 8.≫

 

タンゴではよく「スタッカートに」と言われますが、タンゴ・ウォークでは滑らかに前へ後ろへと動きます。もちろん、特定のデザイン、たとえばクローズド・プロムナードはもっとシャープに踊りますが、タンゴ・ウォークは前へ後ろへと滑らかに動きます。≪1 & 2 & 1 & 2.≫ 後ろへ。≪1 & 2 & 1 & 2.≫

パートナーと一緒に。綺麗ホールドし、前後に行きます。≪& 1 & 2 & 1 & 2, close &, 1 & 2 & 1 & 2≫
ホールドなしで。≪&  1 & 2 & 1 & 2, close &, 1 & 2 & 1 & 2.≫

<会場:拍手>

 

タンゴ・ウォークのコツは、抜き足差し足でウォークすることです。タンゴのもう一つのキーワードは土台をコンパクトに、小さくします。ライズ&フォールがなく、フラットなままであること。滑らかに進み続けないこと。次の要素は、脚部のパワーと上半身の安定について。クローズド・プロムナードを使ってご説明しましょう。すべてのパワーは中間から下、そして脚部から生まれ、上半身はできるだけ静かに保ちます。以前、有名な先生が、とても有名な表現をしています。「上半身は記念碑のように静かに」と。

では、ナターシャと一緒に片方の手だけ組みましょう。上半身は静かに、手は柔らかく、≪S QQS ≫ PPからもう一度。≪S &SQQS.≫

練習用に細かく8つのポジションに区切ってみましょう。このように、≪1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8.  1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8.≫

フルスピードでお見せすると、こうなります。≪&SQQS. S.≫
目立った動きは女性のヘッドのターンだけです。≪&SQQS. S.≫

<会場:拍手>

自分が踊っていたときに気をつけていたことは、自分の頭をこの手の方に保ち続けることでした。つまり、女性の頭から手のコネクションがあり、頭はここです。左腕よりも外側は向かないようにと教えられました。プロムナード・ポジションでは、脚部のスタイルを見て欲しいのですが、膝からVの字を形作ってます。

前足にはプレッシャーがかかっています。プロムナード・ポジションでのウエイトの配分は、右足70%と左足30%が良いのではないでしょうか。ここを1とすると、1、 ここで右足にもう少しウエイトを載せるようにしています。このサポーティング・レッグに。そこから、送り出します。技術的な話として、プロムナード・ポジションでは、つま先は壁斜めに向けたままで、LODに向けるものではありません。

<会場:拍手>

もう一度お見せしましょう。≪&, SQQS S &SQQS S.≫

上半身の静けさについてでした。次は、脚部のスタイリングについてです。タンゴでは滑らかに進み続けない、コンパクトな踊りですが、脚部のスタイルに集中するにはファイブ・ステップが便利です。ざざっと、ファイブ・ステップとクローズド・プロムナードでのポジションをお見せします。このように、≪1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11 and 12.≫

今度は女性と組んで。ヒップに手を置いて、一緒にいきます。≪1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11 and 12.≫

二人で練習するときは、ワン・アクション毎に小さく前後に動き、ウエイトのコネクションを確認したりリード&フォローを練習したりしましょう。このように、≪1, 2, 3, 4, 5 turn 6, 7, 8 and 9, 10, 11 and 12.≫

<会場:拍手>

ファイブ・ステップはテキストでは1と2の間で回転し、3はCBMP、今は書かれていませんが、4で絞って5で回転します。ファイブ・ステップのタイミングは、≪QQQQS SQQS.≫ やってみましょう。良いフレームを保って、良いアクションを作ります。≪ready…& QQQQS& SQQS≫

もう一度。≪Ready…go & QQQQS&SQQS.≫ このように、上半身はずっと静かなままです。

<会場:拍手>

 

🔶タンゴのウォークについて

タンゴは大きなテーマですが、できる限りこの30分間にすべて言い尽くせるよう頑張ります。ここでちょっと、先ほどのタンゴ・ウォークの話に戻りたいと思いますが、直線的にウォークするという風には考えて欲しくありません。本来タンゴ・ウォークは左足前進でCBMPなのでカーブしていきます。次の一歩は左足が示す方向に出ますから、右ショルダーリードとなります。だいたい2歩で1/8回転します。つまり四歩で1/4回転し、16歩で円を描きます。

ご存じのように、最近の踊りでは、より複雑で、よりターンのきついステップがたくさんありますから、回転量を8歩や4歩のタンゴ・ウォークスで円を描けるように調節することもできます。このように・・・

≪So 5678 &1&2&3&4 5&6&7&8 9&10&11&12 13, 14, 15, 16, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 1, 2, 3, 4.≫

<会場:拍手>

 

私がダンスを習っていた頃、先生は、タンゴではこのタンゴ・ウォークがとても大事な要素なのだと、強調していました。それを教えられた時、私は「これさえ完璧にできれば、タンゴではなんでもできるんだ」と思うようになりました。タンゴ・ウォークスはこの種目におけるすべての基本となるアクションですし、同時に、二人の完全なタイミングを計る最初のチャンスでもあります。

よりよいタンゴを踊るための最後の要素は、パートナーを開いたり閉じたりする方法です。今まで、ホールド、アクション、脚部のパワーと上半身の静かさ、脚部のスタイリングをやりましたので、そして今度はパートナーを開いて閉じる、です。この右腕の位置は、見た目のためにだけではなく、パートナーを開いたり閉じたりする方法を身につける一番よい場所です。まずはナターシャをプロムナード・ポジションにリードしたいと思います。

≪and ready &≫

もう一度。 ≪&≫ 頭の動きなしで。今度はゆっくりと。≪&≫
PPになる方法を身につけるだけでも大切なことです。

 

次に、プログレッシブ・リンクを覚えましょう。プログレッシブ・リンクでは回転量が増え、もっと巻きあげる感覚があります。テキストのタイミングはQQですが、私は≪S&.≫を使います。もう一度。≪S&.≫

他にも練習に役立つのはセイム・フット・ランジ(Same Foot Lunge)からスイブル・アクションです。このように、≪SSQQS ≫、セイム・フット・ランジ、≪&S≫、ファイブ・ステップ、≪QQQQS≫。腕を下ろしてからもう一度組みます。

<会場:拍手>

こうしたフィガーはみなさんがよく踊る人気のフィガーです。最近の振り付けも基本的にはこういうものから成り立っています。もう一度セイム・フット・ランジを &、 少しゆっくり、もう一度、下ろして。ここで一旦腕を下ろしてから上げると、バランスやポスチャーのチェックができますし、手のテンションを解放することができます。

 

もうひとつ、手の込んだステップをご紹介します。セイム・フット・ランジから今度はリバース・ピボット、そしてコントラ・チェックです。このコントラ・チェックでもやはり、強いCBMPのアクションが求められ、ウエイトは中間に置きます。これが男性の形で、女性はこうなります。男女の脚部は左右対称で、ウエイトも中間。ここでは練習として、女性を見つめてシェイプしてみましょう。45度の角度から女性を見つめます。

もう一度やってみましょう。ウエイトは中間、強いCBMP、女性を見て、45度の角度で見つめます。では、セイム・フット・ランジからコントラ・チェックに入りますが、コツはセイム・フット・ランジで安定した形をしたところから、右へ少し絞ると左脚部が入ってくるので、そこからリバース・ピボットに入ります。この時の脚部はCBMPのままで、膝が絞まったる状態で、そのまま同じステップであるかのようにコントラ・チェックに入ります。余分に一歩出すのではありません。これは大きく右に回転してから左に・・・すみません。左に大きく回転して大きく右に回転してPPになります。

<dance>

<会場:拍手>

 

もう一度、≪ready &≫  3度目の正直・・・最初のが一番良かったね。

 

昨年もこの場で、ビルとボビーの思い出話をして楽しみましたね。これは、彼らにまつわる話ですが、私がまだユースだった時代、自分の前にジョン・ウッド(John Wood)&へレン・スチュワート(Helen Stuart)ようなダンサー達がいました。彼らを見て、なんてパワフルで素早い動きなんだ。どうしたらあんな風に出来るんだ、といつも思っていました。そして自分が踊る番になり、こんな風に、いつもの形で。

よっしゃ!

ご存知のように、ブラックプールではクイックステップが最後の種目なので、もはやエネルギーが残っていなく、ハチャメチャなスタイルでひどい踊りでしたが、なんとか切り抜けることができました。そんなわけで、ロンドンにレッスンを受けに行くと、ビルとボビーが言ったのです。「タンゴは一番簡単」と。「冗談でしょ?一番しんどいよ」と思いましたが、つぎに、「踊るのに手も必要ないのだ」と言ったのです。「不可能だ」と思いました。

も、何年かかけ、手の余計なテンションやプレッシャーを和らげることができるようになったと思っています。これをご覧ください。女性をプロムナード・ポジションにリードする、ちょっとしたアイディアです。

腕を下ろして上げて。

ビルもよくやっていました。私たちや他のカップルのレッスンで女性をバシッとプロムナード・ポジションにし、手をおろしました。同じことを手の平を合わせるだけでやってみます。

指だけで。手も使わないで。

<会場:拍手>

こんにちの踊り方は、とてもパワフルですが、女性のヘッドをどうやって開くかを身につけることは、とても大切なことです。

 

🔶過去に使われたアマルガメーション

次に、このタンゴのレクチャーのために、かつての選手たちはどういうステップを使っていたのかを調べてみました。ボールルーム・ダンシング・タイムスで調べると、過去の競技ダンスの振り付けを掲載されているのを見つけました。まずお見せしたい一つ目の振り付けはこれです。

基本的にウイスクから女性のスイブル、リバース・ピボット、フォー・ステップ・チェンジです。このようになります。ごめん、ツー・ウォークスから入ります。ツー・ウォークス、ゆっくりとウイスクをし、スイブル、リバース・ピボット、フォー・ステップ・チェンジ。

もう一度。まずはツー・ウォークス、ウイスク、スイブル、リバース・ピボット、フォー・ステップ・チェンジで終わります。いかがですか?

<会場:拍手>

 

これは1952年にISTDフェロー試験官のアレックス・ムーア(Alex Moore)が作ったものです。明らかに現在も競技会で広く使われています。次もアレックス・ムーアのもので、フォーラウェイからフォワード・ロックで、これには少し驚きましたが、そして彼がスネークと呼ぶステップからフォー・ステップ・チェンジです。まずはご覧下さい。

ツー・ウォークスから、ウォーク、ウォーク、フォーラウェイ、フォワード・ロック、フリック、フリック、フォー・ステップ・チェンジで終わります。

<会場:拍手>

 

最後にお見せするのは、その前に、今のは1959年に作られたものです。最後にもう一つ選んでみたのはNATDのフェロー試験官だった、ジョージ・ホールデン(George Holden)が1952年に作ったものをご覧になってください。

プロムナード・ポジションから、プロムナード・リンク。≪SQQ≫ オープン・テレマークを踊りフォーラウェイ、カウンター・ポイントからツイスト、そして、カウンター・プロムナード、クローズしてブラッシュ・タップです。

<会場:拍手>

さて、これらを音楽に合わせて踊りますが、みなさん、余り期待しないでください。

 

会場の女性:  アンドリュー、ヒップアクションについて説明してくれない? タンゴを踊り始めるとき、お尻を引くので、プロムナード・ポジションでお尻が落ちちゃうから。

Andrew:  ヒップアクションはアルベルト(Arberto Pregnolato/ラテン・レクチャー)がやったと思うけど(注:と、柔らかく断る)。音楽をお願いします。

<音楽がかかり踊る> <会場:拍手>

 

まとめに入りましょう。伝統は素晴らしいものです。でも、それは未来へ進歩するための踏切り板にすぎないのです。肝心なのは、進歩してきたかです。もちろん、あらゆるところで進歩を遂げてきました。けれども、美しく大切な伝統が失われてしまわないよう、ダンスの歴史的背景を教え伝えていくことはとても大切なことだと思います。

テキストには情報がたくさん詰まっています。過去のクオリティや受け継がれてきた数々の美しいステップを追体験できるのがテキストなのです。今日の私のレクチャーが未来を振り返る、小さなきっかけをとなったなら嬉しく思います。ありがとうございました。

出典:ダンスウイング55号付録DVD
英語翻訳/アフレコ:神元 誠

* * * * * *

ハッピー・ダンシング!

 

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#270 アルベルト・プレグノラトのレクチャー “DANCE AS A COMMON LANGUAGE”(2010 UK Congress)

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