#284 あっちの人、こっちの人に!(何を演出する?)

 

ダンスをしていると、「ちょっとしたこと」で一気にレベルアップした踊りになることが多々あります。そこで、拙書「パーティーはおまかせ」(入門・初心者向け)掲載のコラムを取り上げ、その「ちょっとしたこと」を更に掘り下げます(全30話)。第28話は「あっちの人、こっちの人に!」のコラムについてです。

 

#284 あっちの人、こっちの人に!(何を演出する?)
ルンバ編⑤ニュー・ヨークで書いたコラムを掘り下げます。

 

 

ニュー・ヨークの踊り方は #094 3.ニュー・ヨーク をご覧ください。

ニュー・ヨークでは1歩目と4歩目で二人の体を開きますが、このとき、どこを見るかに決まりはなく、自由に好きな方向を向いて構わないのです。構わないのですが…

 

  ✅お勧めの考え方

「自由にと言われても分からないから、最初は決めて欲しい」という入門者や初心者は、コラムに書いたように「下を向かない」「相手の顔をのぞき込まない」ようにすると、綺麗な形を作ることができるでしょう。

 

📒”フィガーの意味は「ニュー・ヨーカーの略でブロードウェイに住む粋な連中のこと」、という説をみたことがあります。そのためか、アメリカではこのフィガーをニュー・ヨーカーともいいます”

とダンス用語集に書きましたが、この話が嘘でも本当でも、ブロードウェイを粋に歩く気持ちで、「あっちに行こう」ステップしてから考え直し、「反対に行こう」とステップし直す……のように、一歩踏み出してから進行方向を変える気持ちで踊ってみましょう。

 

この1歩目と4歩目をチェックをメインに考えると出ながらチェックしてしまうため、「下を向いたり相手の顔をのぞき込む」ような形になり、留守宅に忍び込んだコソ泥が「用心しながらあちこち覗き込む」風景に見えたりしますから、チェックではなく「出て行くこと」を考えるのが良いと思います。

 

 

  ✅手はどうすればいいの?

”外側の手を使って胸元を広げ、ちょっと遠くで見ている人たちに「私のパートナー素敵でしょ!」と、あっちの人、こっちの人に自分のパートナーを自慢するくらいの気持ちで踊りましょう。”

と、コラムに書きましたが、もう少し説明を加えると、

  1. 内側のつないだ手は前方に突き出すのではなく静かに。
  2. 外側の手は胸元から広げる気持ちで。

そんな感じで踊って貰えたらと思います。つないだ手を前方に突きださなくても、胸元から外側の手を広げると、その広がりに連れ、内側の手は必要な分だけ前に出て行くからです。そうすると、全体的に粋な動きに見えると思います。

 

 

  ✅相手を見てしまうのは何故?

長年踊っている人でも、つい「相手の方を見てしまう」人が沢山います。

原因としては上に書いたように「1歩目と4歩目をチェックしに行く」、つまり、「(2歩目、5歩目に)戻ろうとしながらステップしている」ことが最初に考えられます。

🙋🙍‍♂️「はーい、それやってます!」と自己申告した人は、「1歩前進。それからチェック」と考えてみましょう。

 

🙍‍♂️🙋「前進しているつもりだけど、どうしても相手を見る感じになってしまう」と思っている人は、1歩目に入る前の足(男性右足、女性左足。4歩目の場合は3歩目の足)が十分に回転していないことが考えられます。

このスタートや3歩目では、お互いに向き合っていますので、1歩目、4歩目をステップする前に、これら軸足をしっかり回転させてから出て行きましょう。軸足が回転をしていれば、1歩目も4歩目も楽に前進のステップを踏むことが出来るでしょう。#094 3.ニュー・ヨーク の足型図を参考にしてください。

 

 

  ✅何を演出したいか

初めに「自由に好きな方向を向いて構わないのです」と書きました。これは見る方向に限らず、手をどう使うかも同じです。つまり、踊り手がそのステップをどう演出したいかなので、見る方向も手の使い方も自由に決めて良いのです。

でも、自由にやっているのに不自然さや不自由を感じたなら、それは動きのどこかに無理があるからかも知れません。無理のある動きは不自然に見えますから、自分たちは好きにやっていても、見ている人には良く映らないでしょう。

 

どのレベルにあっても「ナチュラルな動きはなんだろう?」と考える習慣を持つことが大切かも知れません。そこで、経験者で「教わった通りにやっている」と呟いている人やベテランレベルの人に次の言葉を紹介します。

 

📔私たちは何らかの動きをするとき、その動きをする理由に気づいていることが重要です。なぜその動きをするのか、その価値を感じ取ることが重要です。私なら、単に振り付けがそうだからと言って足を上げるようなことはしません。しかし、その目的が、持ち上げた足のストレッチを見せることだとか、足先からエネルギーが果てしなく流れ出る感じを演出するのでしたら、きっと振り付けに従うでしょう。観衆をずっと惹きつけていられるのですからね。

 

マッシモ・ジョルジアンニ氏の言葉です。このブログに掲載した「ダンサーのためのメンタル・トレーニング」から抜粋しました。興味を持たれた方は読んでみて下さい。

ハッピー・ダンシング!

 

【関連記事】
#092 2.ホッケー・スティック 

 #094 3.ニュー・ヨーク 
 #282 男女の関係は折り目正しい「直角」だ!

 

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