#346 Q42:パートナーとうまくやっていく方法

 

#346 Q42:パートナーとうまくやっていく方法
練習中にパートナーと喧嘩になってしまいます。それぞれの意見を練習に取り入れようとしても、なかなか難しく・・・・・・。お互いがうまくやっていくためのポイントがあれば知りたいです。(男性/女性)

 

A42:
あなたがパートナーに要求するのは、より良い踊りになるとの思いからでしょうから、すんなりその方向に進むのが理想的ですね。また、パートナーがあなたに要求するのも同じ目的でしょうから、それが出来ればお互いにハッピーなのですが、そう単純に事が進まないのが悩ましい所です。

パートナーから言われるとカチンとくるのは何故でしょう? 私もパートナーから指摘されると「むっ!」とくるタイプなので偉そうなアドバイスはできませんので、幾つか知っているをお話ししましょう。お役に立てば良いのですが。

 

⬛アルーナス&カチューシャの話

以前、アルーナスとカチューシャ(Arunas Bizokas & Katusha Demidova)と話しをしていたときに、二人は喧嘩をしないかと質問したことがあります。二人の答えは、

「(喧嘩じゃなくて)練習するのが仕事」でした。

競技会中、控室で大げんかをするカップルや踊りながら口論しているカップルもいるようですが、もしそれで良い結果が生まれるのであれば生産的な喧嘩をいえますが、そうでないことの方が多い気がします。「練習では練習するのが仕事」と話してくれたアルーナス&カチューシャはこうも話してくれました。

「競技会では相手の良い所を引き出すようにしています」。

 

 

⬛「ダンサーのためのメンタル・トレーニング」の話

マッシモ・ジョルジアンニ(Massimo Giorgianni)は彼の著書「ダンサーのためのメンタル・トレーニング(原題:DANCING BEYOND THE PHYSICALITY)」の中で読者に次の様に語り掛けています。

カップルが言い争うとき ― 特に練習中ですが ― それは単純に相手に対する自分の欲求(求めること)が何かはっきり理解できていないからです。特に、相手に自分と同じことを求めるときがそうです。だから練習時間が段々と苦痛に変わっていくのです。そうした状況では、自分のことを大切に思えず不安になり、ダンサーとして成長できなくなります。なんと自分を大切にする気持ちが欠落していることでしょう。

そして、次の6つの提案をしています。

・練習の目標やテーマを決め、それを変更してはなりません。
口調に気を使いましょう。
態度に気をつけましょう。
あなた自身を励まし、希望を与え続けましょう。
ファンタスティックな言葉を使いましょう。
共通の地図を作製しましょう。

 

今日1時間言い合いしながら練習するよりも、なぜそうなるかを考える共同作業に20分でも費やす方が、明日の上達につながる一番の近道だと思います。そういう意味でも、「ダンサーのためのメンタル・トレーニング」はお勧めです。

本を読んだりするより練習する方がましだと考える人が多いように見受けますが、私は違う考え方をしています。

この本は¥2800(税別)ですが、本の中に素晴らしく役立つ言葉や踊りのヒントが一つ見つかれば、元は取れたと考えます。練習場料金で¥3000分練習しても、個人レッスン30分で¥3000払っても解決できないことが、本の中の一言で改善されれば、その方が得じゃないですか。役に立つ言葉が二つ見つかれば、利益が出ちゃいます!

 

 

 

⬛私の話

文頭に「偉そうなアドバイスはできない」と書きましたが、私が時々サークルで使っている言葉のことを書かせてください。

私は、上手くできずに顔を曇らせている人にこう言いことがあります。

「出来なくても人生に影響ないから大丈夫(笑)」
「ダンスは所詮遊びだよ(笑)」と。

そして一緒に笑います。

これはまた、自分自身に対しても発している言葉です。頑張っている人には失礼に響くかも知れませんが、決して向上心を持つなというのではありません。むしろその逆です。

「人生に影響ない」とか「これは遊びだもん」と考えると、真剣になり過ぎなくて良いですし、緊張がほぐれると心の余裕が生まれ、かえって上達することが多々あるからです。「人生に影響ない」も「ダンスは遊び」も、いまの問題を解決し上達するための手段なのです。

 

 

⬛マイケル・マリトースキー(Michael Malitowski)の話

以前、ダンスファン誌に掲載されたインタビュー記事の一部を紹介します。競技選手の役に立つと思います。

:そこだよね…。本当に多くのカップルが短期間でカップル解消しているけど、90%位は性格や人間関係の問題から別れている。難しい質問だけど、言えることは二人でしっかり話し合い、ゴールを目指し、お互いを尊重することかな。それでも喧嘩はする。僕たちも毎回毎回、練習で喧嘩をする。それは、考え方や意見が違うから当然で、だからと言って、別に世界の終わりじゃない。それでも一緒にやれるじゃないか。違う考えがあって当たり前だから、尊重し合うことが大切なんだ。そして僕はあまりシリアスに捉え過ぎないようにしている。いくらシリアスに完璧を目指しても、あの、チャチャみたいなことだって起きる(爆笑)。そりゃ、1歩のことで色々やり合うことだってあるけど、最終的には「たかが1歩の話じゃないか。たかがファン・ポジションのこと。それって世界の終わりじゃないよね」ってなる。そう考えられると、次に進んでいけるからね。

――自分の世界をダンス一色に埋め尽くすのではなく、周りに色々な余裕のスペースを持ち、多角的に観察しているのですね。

:それには僕が受けた「ダンス教育の修士課程」が視野を広めるのにとても役立っている。23歳で終了するまでの5年間に、いろんな人に出会い、多様な考え方ができるようになった。僕の両親も競技会での勝ち負けより僕の人生で何が大切かを、いつも考えてくれていた。環境は大切だね。四六時中ダンスに埋没しているのもその人の人生かもしれないけれど、僕は自分を競技選手に特化し、ダンスしかないと考えるようなことはしてこなかった。競技会は好きだし、勝ちにいくのも好きだけどね。

――喧嘩をした後、どうやって仲直りを? ハグしてキスして?

:それもあるけど、僕は男で、男は身勝手だから口を利かないことだってある。二日位も。その内に自然に仲直り。毎日顔を合わせなきゃいけないし、練習もしないといけない。一緒に移動もし、ショーがあれば、プロとしてきちんとやらなければならないから、プレッシャーやストレスは尋常じゃない。喧嘩は結構きついね。

――いつでも物静かなジョアンナが叫ぶ姿はまったく想像できません。

:叫びはしないけど怒るさ。あの静かな口調で怒るから、その分、残酷で、一言がグッサリ突き刺さる(笑)。わかるだろ? まさに、Killing Me Softlyさ。(爆笑)

――これを(インタビュー記事に)書いても大丈夫ですか(笑)?

:みんな知ってるし、他のカップルだって同じだよ(笑)。

 

ハッピー・ダンシング!

 

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