#373 きちんと上手になるために その5.秘密の練習3

 

「長年踊っているのに一向に上達した気がしない」、「色々なステップを習うけれどパートナーが変わったら通じない。サークル以外の人とも踊れない」 ―― そう考えている人はいませんか? それは、たくさん踊ることやたくさんステップを覚えること上手になることは全くの別物だからです。そして、この事実に早く気づいた人が、その分早く、自分の踊りを美しくすることができるのです。

#373 きちんと上手になるために
その5.秘密の練習3

 

秘密の練習1,2で両足トウで歩く練習から片足のヒールを降ろす練習をしてきました。そして今回は後退で歩く練習です。ただバックするだけなので軽視されがちですが、実は大変高度なテクニックが求められる動きです。つまり、これが出来るようになると、ボールルーム・ダンスは飛躍的に上達します。

「サークルで上達するボールルーム・ダンス」に書いたコラムを、より詳しく説明します。

 

 

1⃣秘密の練習3 後退で歩く練習方法 

次の手順で練習します。

  1. 左膝を軽く緩めてから右足1歩後退しますが、右足トウが着きヒールに降りる前に止まります。
  2. このとき、左足はヒールになっているのを確認してください。いま、中間バランスになっています。
  3. 両足を前後に開いたまま「トン・トン・トン・トン」と前後に体重移動させます。つまり、左足ヒール、右足トウへと交互に体重を前後に移動させます。このとき、体重が掛かっていない方の足(ヒールかトウ)を少しだけ床から離すと良いでしょう。
  4. 左足ヒール → 右足トウ → 左足ヒールと体重移動して右足トウに来たら、中間バランスを保ちながらヒールを降ろして右足に乗ります。ヒールに降りても体重は「ボールから土踏まず辺り」に感じているのが良いと思います。
  5. 右足に体重が移動したとき、左足は右足の横に寄ってきているようにします。
  6. 次に右膝を軽く緩めてから左足を後ろに送り、左足トウで床を捕らえます。今度は右ヒールと左トウで「トン・トン・トン・トン」とバランスを取り、先程と同じことを繰り返します。

 

2⃣アドバイス

🔷「トン・トン・トン・トン」と前後に体重移動させるとき、なぜ片方を「床から離す」ことを勧めるのでしょう? 

実は、片足を後ろに持って行くと、バック・バランスになり易いのです。そして、このバック・バランスが自分の後退運動を妨げ、相手の前進運動の邪魔をします。

もしバック・バランスになった人がバック・バランスに気付かずに、両足を床に着けたまま「トン・トン」しても、バック・バランスは解消されませんが、片足(特に後足)を床から離そうとすると、たちまち後ろに倒れそうになり、自分のバック・バランスに気付くことが出来ます。これが「床から離す」のを勧める理由です。

 

🔷上の5に「左足は右足の横に寄ってきているように」と書きました。

これは「左足を右足の横に持って来よう」とする動作ではなく、なるべく「自然に」そうなるようにしましょう。そのためには、右足に体重を移動させるや否や、即ち、左足ヒールが床から離れるや否や、左脚部の力を抜くようにすると良いでしょう。

 

 

日常生活の中で爪先立ちになることがあっても、後退のステップが出てくる場面は殆どありません。世界を飛び回っているビジネスマンでも、スーパーマンのように家事をこなしている人でも滅多に後ろ向きに歩くことはありません。

しかし、それほど非日常的と言える後退の動きが、ダンスではありとあらゆる場面で出て来ます。神出鬼没なんて生易しいものではありません。何せ、1人が前進していればもう1人は殆ど後退なのですから!

 

ですからこれができるようになるということは「ものすごい」ことなのです。❣

あらゆる場面を巧く処理できるのですから、上手くなるのは当然なのです。❣

 

女性でワルツのナチュラル・ターンの1歩目でひっくり返りそうになっていた人も、今日からは独立した一人の女性に転身です。

男性でスピン・ターンの6歩目で、いつも女性を道連れに倒れ込んでいた人は、これから思いやり溢れるジェントルマンに変身するでしょう。

 

 


これでひとまず「秘密の練習」を終わりますが、こんなに簡単な練習をするだけで、素晴らしく上達することが出来ます。踊りのクオリティが上がります。

「秘密」には心をキユツと引き締める力があるので、「秘密」にしていると練習も頑張れる気がしませんか? コツコツこの練習をしていると、じきに「上手くなってきた」と感じられることでしょう。そなると、喜びは体にじわりじわり染み込み、そして大きく膨らんで、更にダンスを上手にしてくれます。

そして、以前の自分よりグンと上達したことがはっきり実感できたとき、「宝の山をひとりで見つけたような」喜びが沸き上がることでしょう。

 

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ハッピー・ダンシング!

 

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