#402「6.1918年から初めての『世界』へ 1.ワルツ」

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#402「6.1918年から初めての『世界』へ」

今回は「モダン・ボールルーム・ダンシング」から「6.1918年から初めての『世界』へ」の「1.ワルツ」をお届けします。

 

 

 

6.1918年から初めての『世界』へ
(1918 to the First ‘Worlds’)

 

1. ワルツ

戦争の間、ワルツは死んだも同然でした。戦争が終わるとワルツのことも知らない新しい世代のダンサーが出てきました。ワルツはめったに演奏されませんでした。唯一、‘ミズーリ’という曲が休戦時に大ヒットしましたが、明らかに、マズルカのリズムでした。

 

ドイツやハンガリーの楽団は速い音楽のファッションを作り出していましたが戦争の間に消え去りました。代わって、当時人気が残っていた集会などでまだ踊られていたスロー・テンポのワルツに着目した新しい楽団が登場したのです。その頃ヘジテイションを入れたロータリー・ワルツが踊られていましたが、かなりのリバース・ターンが使われる一方、ナチュラル・ターンの不在が眼につきました。その理由は一風変わっていました。当時は誰も彼もがフォックストロットを踊っていたのですが、初期のフォックストロットではナチュラルの方向には全員がオープン・ターン(フォックストロット・ターン)を使っていましたが、リバースの方向には大半ワルツのリバース・ターンを用いたのです。その結果、ワルツを習った事がない人たちでもリバース・ターンは踊れましたが、ナチュラル・ターンは踊れるようにならなかったのです。

 

まれにワルツの音楽が演奏されると、たくさんの人達はフォックストロットのステップで踊り、完全なナチュラル・ターンはめったに見られず、ワルツの精神が失われる重大な危機となりました。しかし、ダンシング・タイムズの呼びかけで行なわれた1921年の非公式会議でワルツの精神は復活したのです。その会議で現代のワルツの基礎、‘ステップ、ステップ、足を揃える’が定義されたのでした。ワルツの精神は特に、その年の冬に開かれたデイリー・スケッチ社*主催の大きなワルツ競技会でも復活しましたが、まだレベルが低かった頃ですから、果して優勝者が完全なナチュラル・ターンを一度でも使ったか疑問です。

 

ナチュラル・ターンの不在は別にして、当時のワルツには現在のワルツに通じる点が多々あります。一つだけ違うのは、リバース・ターン前半では足をクロスし、後半ではヒール・ピボットを使ったことです。ナチュラル・ターン前半の3歩は今と同じでしたが、後半はバックワード・チェンジが使われました。チェンジ・ステップでの3歩目は揃えずに通過する足です。様々なヘジテイションの動きも好まれました。私とパートナーが始めての競技会で優勝したときに使ったのもこの形のワルツでした。

 

ワルツに何かが欠けているとの思いは海外にも広まっていましたが、パートナーと私は戦後のイギリス人ダンサーの中で完全なナチュラル・ターンをマスターした一人で、私たちはロンドンではじめて開催された初回の世界選手権でそれを使いました。優勝できたことを私たちは誇りに思っています。それは1922年12月の事でした。今日実に多くのプロのカップルが踊っているワルツは、この日誕生したのです。

 

 

 

 

ハッピー・ダンシング!

 

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