#404「6.1918年から初めての『世界』へ 3.タンゴ」

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#404「6.1918年から初めての『世界』へ 3.タンゴ」

今回は「モダン・ボールルーム・ダンシング」から「6.1918年から初めての『世界』へ」の「3.タンゴ」をお届けします。

 

 

6.1918年から初めての『世界』へ
(1918 to the First ‘Worlds’)

 

3.タンゴ

第1次大戦後のタンゴの話ですが、イギリスで見る限りやや期待はずれでした。1913年にはどのホテルでもタンゴ・ティー・パーティーが開かれ、劇場の半数はスペシャル‘タンゴ・マチネ*’を行い歓迎したものですが、大戦後はそのような大きな人気は起こりませんでした。1ダースほどもあったタンゴのチームもなくなり、時折教師によるデモンストレーションが行なわれる位で、タンゴの豪華ショーは終わったのでした。

 

実際の所、戦争がヨーロッパに及んだときは、流星のように名声を得始めていたフォックストロットを除き、他の総ての踊りは消え去ったのでした。ワルツは時々踊られていました。そしてタンゴは完全に消え去ったように思われましたが、光の消滅は一時的だったのです。停戦後1、2年し、パリでダンスに対する規制が解除され、再びタンゴが最も人気のある踊りになったことを知ったイギリスのダンサーたちは大変驚きました。

 

しかし、そのタンゴは洗練されたタイプになっていました。当時のものには、次のように書かれていました。

 

「音楽自体に明らかな特色の変化が見られる。ビートは以前より平均化され、抑制されている。伴奏にもより多くの変化をつける傾向がある。一般的に大変スムーズになった。この進歩は、おそらくダンススタイルの変化のようなものにより引き起こされたのだろう。ガウチョの広大な私有地やボカ地区*カフェのもつ異国風な原点は、さほど天真爛漫でないヨーロッパの文明基準に従い作り変えられた。」

 

新しい形のタンゴは徐々にパリからドーバー海峡を越えロンドンへ渡り、沢山の教師達の手で、そして少数のダンスをする場所で、その特色が形成されて行きました。とにもかくにも、少なくとも教師達には充分興味がもたれました。というのも、1912年来、タンゴの強力なサポーターだったダンシング・タイムズは1922年5月に‘タンゴ・ボールズ’と銘打った競技会を開催し大成功を収めたからです。これはダンシング・タイムズが成功を収めた最初の催し物になりました。競技会にはイギリス各地から約300名の教師達が参加しました。最大のアトラクションはマージョリー・モスとジョージス・フォンタナによるタンゴのデモンストレーションで、この二人が競技会の審査を行ないました。

 

デモンストレーションでは5つのフィガーが使われました。下に掲げるものが、当時の記録にある大まかな記述です。

 

    1. シンプルなウォーク:足の裏を使う独特のドラッグを用いた。
    2. アルゼンチン・ウォーク:右足、左足、右足を横に、左足を右足に閉じる。
    3. プロムナード(ほんの少ししか開かない):左足を横に、右足が左足を超える、左足を横に、右足を左足に閉じる。
    4. デミ・ブエルタ:一番良い表現はワルツのリバース・ターンを半分踊り、左足を右足前にかけて終わる。
    5. レース・ステップ:いろいろな方向へ行なうウォーキング・ステップ。

 

イギリスのタンゴ事情として次にくる出来事は、パリの主要な主唱者の一人、カルロス・クルズ*がロンドン訪問したことです。彼はイギリスのタンゴにかなり大きな影響を与えました。

 

1922年10月、ダンシング・タイムズ呼びかけの非公式会議に300名以上の教師達が参加し、タンゴについて討議しました。主たる講演者はライナル氏で、戦前と戦後における音楽の違いを説明し、ピエール氏は幾つかのステップを披露、クルズ氏とフォンタナ氏は、当時パリで使われていた一般的なシーケンス・ダンスのステップを踊って見せました。

 

この会議の結果は遠大でした。新しい音楽のみを使うこと、最適テンポは1分間に30小節、また、足はまっすぐにしトウを外へ向けないこと、などが合意されました。(この声明に驚かれるかも知れませんが、1922年当時はまだモダン・ボールルーム技術の成文化はされていませんでした。)

 

総てのフィガーははっきりした小節数で終わることも決められました。これにはプロムナードは含まれません。プロムナードでは1小節半使用し異なるからです。

 

この時からイギリスにおけるタンゴが安定したと言う事ができるかも知れません。

 

 

 

*印:「訳者のノート」参照 → #393 「モダン・ボールルーム・ダンシング」から「訳者のノート」

次回は #405「7.技術の訪れ」 をお届けします。

 

ハッピー・ダンシング!

 

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