#436 「サークルで上手くなっちゃって、ごめんなさい!」連載3ブルース3

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「おしゃべり」「フィガーの説明とヒント」「質問コーナー」と盛りだくさんの話題を通し、個人レッスンに行かれない人やパートナーがいない人でも上手くなれる近道をこっそり教えちゃいます。月刊誌ダンスファン連載記事(2015~2017年、全35回)の復刻版(加筆、修正あり)。

 

#436 「サークルで上手くなっちゃって、ごめんなさい!」連載3
ブルース3 リバース・ターンとその応用

 

皆さん、こんにちは! 前回提案したナチュラル・ターンの応用の仕方はうまくできましたか?

「こんなことができるんだ」、「こんな風にしていいんだ」

と、目からうろこの人もいたでしょうし、

「どうして今まで思い付かなかったのだろう!」

と残念がった人もいたのではないでしょうか? でも、これからは大丈夫ですね!

 

ナチュラル・ターンでは、次の二つの大切な事を学びました。

  • 足がもう一方の足を通過するとき、膝と膝が近くを通る。
  • 内回りと外回りは同じ動きではない!

 

これらは、どんなステップのときにも使える動きの「原理」ですから、しっかり頭の中にメモしておきましょう。そして、それに気を付けているだけで自然と上達しちゃうのですから、素晴らしいではありませんか!

 

 

リバース・ターン (Reverse Turn)

さて、今回はリバース・ターンを取り上げ、それにまつわるお喋りも忘れずにしていきましょう(笑)。さっそくですが、皆さんにはこんな経験はありませんか?

  • クオーター・ターンズを踊り(簡単💖)、
  • 次にナチュラル・ターンを踊り(問題なし💖)、
  • 当然の如くリバース・ターンに入ろうとしたら、
  • 相手との体がずれていて、
  • 進行方向もおかしくなってしまった!(あれれ😟)

 ― と。

私はそういう体験を何度もしていましたので(笑)、拙書「パーティーはおまかせ」では、同じ悩みを抱えている人のことを考えながら、次のようなコラムを書いたのでした。

◇ ◇ ◇

 

「女性を何とかしよう」の下心禁止!

長い人生、魅力的な女性に出会う機会がたびたび訪れ・・・、失礼、そんな話ではありませんでした。

男性はリバース・ターンを踊ろうとするとき、1歩目で、自分の右前にいる女性を何とかしなければ進めないと思い、無意識に女性の方に顔も体もなびいてしまいます。

実はそれが失敗の元 ― ナチュラル・ターン最後で寄せた左足をまっすぐ出し、その足を乗り越えることを考えると、女性はついてきてくれます。

<関連記事:#248 「女性を何とかしよう」の下心禁止!(左回転の極意)  >

◇ ◇ ◇

 

コラムの通りにやるとどうなるか、下のリバース・ターンの足型図を見て今一度踊ってみてください。

そして、うまくできなかった人やもう少しスムーズに踊りたいと思った人は、この先を読み進んで下さい。今回押さえたいのは、次のポイントです。

  • 「リバース」の意味
  • なぜ「ナチュラル」が右回転なのか
  • リバース・ターンがうまくできない大きな原因
  • リバース・ターンに入りやすくなる方法

 

 

 

★「リバース」の意味

ダンスではナチュラルが右回転なのに対し、リバースは左回転を意味しています。従って、ライト・ターン、レフト・ターンということもあります。

ついでながら、ナチュラル・ターンが「ナチュラル系のステップ」、リバース・ターンが「リバース系のステップ」の意味で使われることもありますので、それも合せて覚えておきましょう。

 

たった今、リバースが「左回転」の意味とお話ししましたが、英和辞書を引くと、私たちに馴染みのある「ナチュラル=自然な」とか、「リバース=反対の」などの意味は出てきても、ナチュラルに「右」の意味もなければ、リバースに「左」の意味も載っていません。

では、なぜ「右回転」に「ナチュラル」の名前がついたのでしょう? どこが自然なのでしょう? 残念ながらそれを説明している文献にはまだ出会っていませんが、個人的には男女のホールドの形からきていると思っています。どういうことかというと ―

 

 

★右回転が「ナチュラル」なわけ

下図(レッスン中に白板に描く要領で私がざっくり描いています。決して細部にこだわらないでください(笑))のように普通のダンス・ホールドをすると、男性の右腕が作る枠の中に女性が納まり、そこに二人の集合部ができます。そこは、ある意味「重い部分」です。

この形からナチュラル・ターンとリバース・ターンの前半を考えてみることにしましょう。

   男性の右側に二人の集合部が

 

男性が右足前進から右回転を試みると、誰がやっても結構「自然な」右回転が起こります。それは、回転の中心となる置いた右足の所に「二人が重なる重い部分」が来るからです。

しかし、それと同じ気持ちで男性が左足前進からリバース・ターンに入っても、残念ながら右回転のときのような「自然な」回転は起こりません。体はねじれ、二人のボディがずれてしまいます。この原因は、もうお分かりのように、二人の集合部が回転の外側にくるためです。

こうしたことから、私は自然に回転が起きやすい右回転を「ナチュラル」と呼び、回転しやすくない左回転のステップを「その反対の=リバース」と呼ぶことにしたのだと考えています。あくまでも推測ですけどね(笑)。

この推測が当たっているか否かは別としても、ナチュラル系に入りやすい理由もリバース系で失敗する理由も、二人の集合部が起因していることは間違いありません。

この事実から、右回転と左回転のステップは同じように踊ってはいけない、いや、踊れないことが分かって頂けたと思います。

 

それにしても、リバース・ターン前半でおかしくなっても、頭にあるのは「とにかく次に進まなくては」の考えばかり。

かくして、崩れたまま踊り続ける羽目になってしまう ― これが多くの人の取るパターンですが、それをいくら繰り返しても、綺麗な踊りに育つことはありません。サークルで上手くなるには、そして、自力で上手くなるには、立ち止まって原因と対策を考える習慣をつけましょう。

では、どう踊れば良いか、 それを見て行くことにしましょう。

 

 

 

 

 

★どのような問題が起こるか?

男性が1歩目で女性の領域にステップしてしまうのは、「女性を動かさなくては!」と思うからです。

これは、あなただけではなく、どの男性にも共通する心理作用です。

一方、後退する女性に共通する心理も、「回転しなくちゃ」です。

そのため、1歩目後退したときには既に体がねじれているし、顔は左の変な方向を向いてしまいます(図参照)。

二人とも体がねじれ、左を向きすぎ!

 二人とも体がねじれ、左を向きすぎ!

 

しかし、この形になってしまうと、この1歩はなんとか切り抜けても2歩目以降のステップが大変になってしまいます。意図せずにリバース・ターン3歩目で女性が男性のアウトサイドに出てしまうのは、これが主な原因です。

どの1歩でも、体が不自然にねじれたら、それは正しい形でないと考えましょう。

 

 

★リバース・ターンが楽になる秘訣

無理のないリバース・ターンを踊るための近道はこれです! まずは、

●男性は「女性を何とかしよう」との下心を捨て(笑)、ヘッドを女性の方に傾けないこと。

●女性も同じで、自分の右耳を男性の顔に近づけるような素振りをしないこと。

 

その上で ― 

1~3歩で心掛けること

【男性】

右足の上に楽に真っすぐ立っていることを確認してから ― 

  1. 1歩目左足では左回転を意識しないで、真っすぐ体重移動する気持ちでヒールから出て行きます。そして、左足がペタッと床に着いたときも足の上に真っすぐいることを確認しましょう。

  2. 2歩目右足を前方に振り出します。このとき、「二人が重なる重い部分」を右脚と右サイドを使って運んでいく気持ちを持ちましょう。回転を考えるのは右膝が左膝の傍を通る瞬間位と思ってください。それ以上早いと軸足から離れ、バランスが左に崩れます。

  3. 足型図が示す向きに右足を置きます。続けてLODに背中が向くまで回転を継続しながら3歩目左足が揃います。

 

【女性】

左足の上に楽に真っすぐ立っていることを確認してから ― 

  1. 1歩目右足では左回転を意識せず、男性の前進を妨げないように右足を真っすぐ後退する気持ちです。

  2. 1歩目は後退なので内回りと分かりますから(前号参照)、1歩目に乗ったら、2~3歩目は「自分からは何もしない」位の気持ちで外回りの男性に静かについて行けば、綺麗に前半を終えることができます。

 

 

4~6歩で心掛けること

 【男性・女性】

リードする男性とフォローする女性という違いはありますが、基本的には、男性は女性の前半の踊り方を、女性は男性の前半の踊り方をします。

ただし、女性の5歩目は男性の2歩目のように「重い部分」を運ぶ気持ちはありません。

顔は体の回転と一緒に自然についていけば大丈夫。意識的に左に向けないのがコツです。

 

 

これで、リバース・ターンがかなり楽に綺麗に踊れるようになると思います。練習の中でうまくいかない所がでてきたら、

  • そのステップの「フットワーク」を確かめること、

  • 更に、「その前の足」の上の形(姿勢)が崩れていなかったかを「フットワーク」と一緒にチェックすると良いでしょう。

 

このフットワークや足の使い方は大変重要なので、今後の記事の中でも取り上げることになるでしょう。

 

女性にとり左回転で特に難しいのは、自分の右サイドが男性の方に入らないようにすることです。

いつでも男性と並行にいる意識を持っていなくてはいけません。

(「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」(白夜書房)第5章より抜粋)

 

 

★リバース・ターンに変化をつけよう!

今回のお勧めではウォークを増やす方法とチェック・アクションを使います。

①リバース・ターンの1 ~3歩を踊り(SQQ)
~ 右足左足と後退のウォーク(女性は左足右足の前進ウォーク)を2歩追加(SS)
~ リバース・ターンの4~6歩で終わります(SQQ)。

②①の方法に慣れたら、ウォークを2歩から4歩に増やして、(SQQS)と(QQQQ)のカウントで踊ってみましょう。

③リバース・ターンの1~3歩を踊り(SQQ)
~ 右足後退(女性は左足前進)してチェック(S)
~ ここから左足(女性は右足)に体重を戻して(Q)から再び右足(女性は左足)に体重を戻します(Q)。カウントが早いので注意しましょう
~ 次に左足の後退ウォーク(女性は右足の前進ウォーク)をしてから(S)
~ リバース・ターンの4~6歩で終わります(SQQ)。

 

どうですか? 使い古したリバース・ターンに花が咲いたように、見事に変化したでしょ? 

前述してきた「なぜ問題が起こるのか」の原因を探り、「何をすれば楽に踊れるのか」の解決法を頭に入れ、忘れることなく練習をして下さい。

男性がこうして変化をつけられ、女性がそれに難なくついて踊れるようになるには、それが一番の近道なのですから。

 

 

 

 

もっと詳しく!(Q&A)

(※読者専用フロアでお答えしたことを、もう少し詳しく説明するコーナーです。)

 

質問

踊っている最中、「床をつかむように」とは、具体的にどのように足の裏を動かせばいいですか? (静岡県 男性)

 

回答

3月号のこの質問には、

「足で床を捕まえることはできませんし、そうしようと思って足の指を縮めると一層動きを悪くしてしまいます。
できるだけ長く足裏全体が床に接しているようにしてみてください。戦車のキャタピラーのように動いて行くと思ってみてはどうでしょう?」

と回答しました。


自分の足を板のようにイメージしていると、ヒールからフラットになるときも、そこからトウに抜けるときも、足の動きはバタンバタンと急激で極端なものになり、その分、床と足との関連性も粗雑になります。

当然踊りは雑なものになってしまうので、もしこれを、「床をつかまえていない」とするなら、「床をつかまえる」は、足が床と出来るだけ長く、しかも丁寧に接していることになると思いませんか?


ではなぜ、それほど足裏のことを言われるのでしょう? 

答えは簡単です。ダンスを踊るとき床と接しているのは足裏しかないからです。そして、総ての動き、総てのシェイプは足を無視しては考えられないからです。


ボールルームに限らずラテンでも、足裏を軟かく感じ、足指を固めるイメージから解放すると良いと思います。踊っている最中に、もし指が固まっていると思ったら、こう唱えてみてください ― 「王様の耳はロバの耳。私の指はウニのトゲ」。


「王様の~」は遊びで入れたのだけなので、そこは忘れても良いですが(笑)、靴の中で足の指がウニのトゲのように動いていると思ってみてください。実際に動かさなくてもいいのです。そう思っているだけで効果がありますから!

 

(ダンスファン2015年4月号。連載3ブルース3おわり)

 

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