#438 「サークルで上手くなっちゃって、ごめんなさい!」連載5ブルース5

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「おしゃべり」「フィガーの説明とヒント」「質問コーナー」と盛りだくさんの話題を通し、個人レッスンに行かれない人やパートナーがいない人でも上手くなれる近道をこっそり教えちゃいます。月刊誌ダンスファン連載記事(2015~2017年、全35回)の復刻版(加筆、修正あり)。

 

#438 「サークルで上手くなっちゃって、ごめんなさい!」連載5
ブルース5 コーナーの回り方と新しいステップ

 

 

コーナーの回り方と新しいステップ

皆さん、こんにちは! サークルで楽しく練習していますか? 今月は最初に「コーナーを回るステップ」と「新LODに入る考え方」の勉強をしましょう。

それが無事に終わったら、もう幾つか新しいステップも取り上げますから、お楽しみに!

 

これまでに修得したステップを使って踊っていると、その内にコーナー近くにやってきます。そこで、新しいLODに方向転換をする必要が出てきますが、そのとき使えるのが、今回取り上げるステップです。

それを今まで習ったステップに加えると、曲が流れている間中、立ち止まることなくブルースを踊り続けることができます。それってすごいでしょ? 

コーナーのみならず、踊り全般で言えることですが、車の運転同様、方向転換するには気持ちの用意と道の状況に応じた適切なハンドルさばきが必要になります。

 

 

 

 

★チェック:この単純なステップをものすごく上手にできるようにしましょう

必ず教わるステップのひとつが、このチェック(Check)です。チェック・ステップとも言います。

足型図からはちょっと見にくいかもしれませんが、男女とも両足が揃っているところがスタートです。これは、クオーター・ターンズやリバース・ターンの最後と同じ形、同じ足の向です。つまり、この形になったら、いつでもチェックに入れるということです。

このスタートの形を2回目に勉強した「~に面して/背面して」で表現すると、どうなりますか? 

そう! 男性は「壁斜めに面して」、女性は「壁斜めに背面して」です! このような表現ができるようになると、すこしうれしく思いませんか? そうした知識に対する喜びを感じることは、ダンスの上達にも役立ちますます。

 

【ステップの説明】

  • 1歩目:両足が揃ったところから、男性は左足前進(S)、女性は右足後退(S)。
  • 2~4歩目:クオーター・ターンズ5~7歩目と同じ踊り方をします。

 

「な~んだ、簡単!」と思っている人も多いでしょう。

実際簡単なのですが、こうした簡単に思えるステップの時から、丁寧に、気持ち良く踊れるよう、細心の注意を払う習慣をつけておくのが、サークルで上達するコツでもあります。そのための男女のポイントを幾つか紹介しましょう。

 

【男性のポイント】

  • ①突然チェックをして女性を驚かせないよう、1歩目前進する前から、心の中で「チェックをする」と決めていることが大切です。
  • ②1歩目左足はヒールから出て、スロー・カウント一杯使って左足の真上まで体重移動します。それ以上すこしでも体重が前に行くと、女性は次のステップに後退すると思ってしまいます。この「真上」にきたところで左膝を軽く緩めてストップをかけるのがちょっとした左足の秘訣。
  • ③1歩目を出したとき、右足腿の力を抜いておくこと、そして、右足トウをスタートの所に残しておくのが、もうひとつの上達のポイントです。
  • ④次に、2歩目右足に体重を戻しますが、このとき、体重が前足のヒールを通過しながら右足に引き継がれる感じで移動します。左足ボールが床の上に残っていてはいけません。

※②で左足はヒールからと書きましたが、お尻が残ったり上体が前に突っ込んだりする感じがなければ、ボールから出ても構いません。

 

【女性のポイント】

  • ①1歩目右足に体重が乗る前に、男性がチェックすることが察知できます。多少は女の勘もありますが(笑)、勘に頼らずとも、男性のリードに耳を傾けるようにしているとわかります。
  • ②チェックとわかったので、1歩目後退したときに、バランスがヒールを超えないようにします。膝のクッションを使うのがコツです。
  • ③2歩目左足に体重を戻すときはヒールから出ると、次のステップが楽になります。これはちょっとした秘訣です。

 

チェックは新LODの壁斜めに終わりましたので、次に予備歩からクオーター・ターンズに続けましょう。

僅か4歩のステップですが、ノッキングを起こすような瞬間は見たくありません。ブルースを踊り馴れた人でも、さらにスムーズに踊れるようにしましょう。

 

 

品揃え豊富な店

さて、このくらい教わったところでブルースが終わり、これ以上のステップも応用の仕方も教わっていない人が多いかも知れませんね。それではブルースをつまらなく思ってしまうのも無理はありません。でも、「サークルで上手くなっちゃってごめんなさい商店」では、品ぞろえ豊富、アフターケアもしっかりしていますので、安心くださいね! 必ずブルースの面白さを味わって頂きますから!

 

★最初はチェックの応用

チェックの4歩(SSQQ)を踊ってから、

  • ①男性は左足更にサイド・ステップ(S)。または、
  • ②男性は左右左(QQS)と、左へのシャッセを入れる。
  • ①、②共に、その後は男性右足からクオーター・ターンズやナチュラル・ターンに入れます。

ほら、踊りに豊かな変化がついてきたでしょ? もうひとつ紹介しましょう。

 

 

★回転量を減らした、小さなリバース・ターン

足型図を見ると、先に勉強したリバース・ターンとはまるで違って見えますね。

先に勉強したリバース・ターンは中央斜めに入りましたが、ここでは壁斜めに入り、かつ、前半と後半の回転量が少なくなっています。

案外教わらないかもしれませんが、この踊り方は流れを損なわず動きが美しいので、ぜひ覚えておきましょう。小さいリバース・ターン(Underturned ~)です。

入り方はクオーター・ターンズやリバース・ターンを踊り、コーナーで壁斜めに終わったところから入ります。ステップの仕方は足型図から読み取ってください。また、3回目の記事を参考にしてください。

 

【男女のポイント】

  • 3歩目で男性はしっかりLODに面して(女性は背面して)いること。
  • そして、6歩目でしっかり次のLODの壁斜め方向に終わるよう、「新LOD」をはっきり認識しましょう。

 

本当の入門者は、今回の狙いはコーナーで進行方向が変えられることですから、以上の二つの基本形だけを覚えれば充分です。

この二つをコーナーではなく、LODの途中でも使うと、終わる方向は、そう、「中央斜め」になりますから、その場合は次にリバース・ターンを使いましょう。

 

さて、「コーナーを回る」とは新LODに進むことですから、その目標が達成されるなら、必ずしもチェックや小さいリバース・ターンを使わなくても良いわけです。そこで、こんな考え方ができます。

 

 

 

スローは2拍、クイックは1拍。

つまりスローはクイック二つ分の長さがあります。

スローで速くなってしまう人は、

「スローリー(ゆっくりと)」と声に出しましょう。

(ビクター・シルベスター著「モダン・ボールルーム・ダンシング」(白夜書房)から抜粋)

 

 

★ナチュラル・ターンを応用する!

もう一度、ナチュラル・ターンの足型図を見ながら、次の応用法を読んでください。

①繰り返す!
コーナー付近でナチュラル・ターンの8歩を踊ると中央斜めに終わりますが、LODを変えようとした場合、それは新LODの壁斜めになります。これが理解できれば、そのまま新LODの壁斜めにクオーター・ターンズに入れることや、もう一度ナチュラル・ターンを繰り返すこともできると分かります。

 

②短くする!
同様に、コーナー付近でナチュラル・ターンの1~6を踊ります(SQQSQQ)。5歩目を新LODの壁斜めに向けると、やはりクオーター・ターンズやナチュラル・ターンにつなげることができます。

 

 

さっそくトライしてください! 

前回、説明不足でしたがナチュラル・ピボット・ターンもLODを変えるのに便利なステップでしたね。こうした応用ができるようになる、あるいは、理解するには、前回勉強したLODやアラインメントの理解が必要になります。それが分かっていただけたでしょうか? 教える側と教わる側の共通の言葉、それが専門用語なのです。

 

 

 

もっとステップを覚えよう!

小さいリバース・ターンの所で、「流れを損なわない」と書きましたが、これはダンスを美しく踊る上での重要な要素のひとつです。ですから「なにかあったら、すぐチェック」とチェックを多用するのは、できるだけ避けたいものです。

しかし、現実はそうもいきません。チェックで方向転換したのに、前に人がいて、どうにかしなきゃ(!)という場面に、男性はたびたび遭遇します。そんなとき、どうしたら良いのでしょう? こんな方法も使ってみてください。

 

 

★動いて行くだけが能じゃない。その場で体重移動

足が揃ったまま、男性は左足(S)、右足(S)と体重移動を何度かしながら、次に前進できる機会を待ちます。

 

 

★ロータリー・シャッセ(Rotary Chasse)で方向転換

ロータリー・シャッセを使ってみてください。足型図は載せませんが、踊り方は次の通りです。

  • ①男性はチェック(SSQQ)をして新LODの壁斜めに面しましたが、前に進めないので ―
  • ②左足から開閉開閉(QQQQ)と4歩シャッセします。このときすこしずつ左回転して、4歩で(新LODの)中央斜めに面するようにすると、
  • ③左足からリバース・ターンにつなげます。

※ロータリー・シャッセは6歩でも8歩でも構いませんが、女性に飽きられない程度にしましょう。

 

 

 

今月もたくさん勉強しましたので、サークルでしっかり実践し、自分のものにしてください。

サークルで、パートナー交代のときや自由練習になると、初心者を避けなるべく上手な人できれば若い人と踊ろうと見え見えの行動をとる人がいます。同じ会費を払っているサークル員は、同じ権利と義務を有していますので、全員と公平に踊るようにしましょう。

実はこれもサークルで上達する秘訣のひとつです。一見、上手な人を選んで踊っている人の方が上達するように思えますが、意外とそうでもありません。長期的に見ると、いろんな人と踊っている人の方がいい踊りになっているのが不思議、かつ、愉快なところです。いろんな人と踊れるのもサークル活動のメリットのひとつと、積極的に捕えましょう。

 

 

 

 

もっと詳しく!(Q&A)

(※読者専用フロアでお答えしたことを、もう少し詳しく説明するコーナーです。)


4月号で、「パーティーで上手く踊れなかったり誘われなかったりして自己嫌悪になることがある。パーティーではどんな心でいたらいいのか。友人と行くのが原則なのだろうか(三重県・女性)」との質問が寄せられました。


とかくマナーは難しい問題で、誰しも嫌な思いをした経験はあることでしょう。相手に嫌な思いをさせないよう気を配らなくてはなりませんが、自分から直す方が手っ取り早いし確実です。


待っているときは、「素敵な踊りをしているわね」と、肯定的な考えで踊っている人たちを見ます。ニコニコ顔でいましょう。ただボーっと座っているより、この方が誘われる確率は確実に高くなります。


また、あなたがたとえ下手でも、内気でも、踊りに誘われたら、嬉しさを顔に出しましょう。終わったときは、楽しかったことを態度で示しながら「ありがとうございます」と言葉にしましょう。


4月号で、「自分ではなく、相手に楽しく踊ってもらおうとしてください」と書きましたが、「人の踊りを楽しそうな顔で見る」も「踊ってくれた相手に楽しかったことを態度で示す」も、それに該当します。男性はそういう楽しい態度が現れている人を誘いたいですし、逆に、そういう女性から誘われても嬉しいものです。パーティーに一人で行ってはいけないことはありませんが、友達が一緒だとお喋りもできますから、それもいいアイディアですね。

 

(ダンスファン2015年6月号。連載5ブルース5おわり)

 

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