#439 「サークルで上手くなっちゃって、ごめんなさい!」連載6ブルース6

Spread the love

 

「おしゃべり」「フィガーの説明とヒント」「質問コーナー」と盛りだくさんの話題を通し、個人レッスンに行かれない人やパートナーがいない人でも上手くなれる近道をこっそり教えちゃいます。月刊誌ダンスファン連載記事(2015~2017年、全35回)の復刻版(加筆、修正あり)。

 

#439 「サークルで上手くなっちゃって、ごめんなさい!」連載6
ブルース6 意表を突くステップを覚えましょう!

 

 

意表を突くステップを覚えましょう!

こんにちは! 第1章ブルースが始まってからもう6回目になりました。半年が経ちましたので、今月は新しいステップを3つ覚え、その後でおさらいをして、ブルースに一区切りつけようと思います。

 

 

 

意表を突くステップ1 
★クロス・シャッセ

クロス・シャッセ(Cross Chasse)は、クイックステップにある同名のステップをブルースに応用しているものです。ですから、クイックステップで踊るときのようなライズ&フォールは使わず、平坦に静かに踊ります。

 

 

【ステップの説明】

壁斜めに始め、同じ壁斜めで終わります。ですから、クオーター・ターンズやリバース・ターンを終えたところから入ることができ、再びクオーター・ターンズやナチュラル・ターンにつなげることができます。

足型図は4歩構成になっていますが、4歩目は次のステップの1歩目になるので3歩と考えても構いません。

 

【男性の注意点】

●男性は1歩目左足に乗り切ったところで横少し前への動きに切り替えます。この動きを滑らかにするコツは、左足に乗ったとき、右腿(右足ではありません)が傍にきていることです。単純なことですが、右腿が傍に来ている場合と離れている場合の両方を試して、その違いを納得しましょう。

●2~3歩目では、非常に控えめな左回転をすると、4歩目が楽になりますよ。
4歩目は女性の右外側にステップします。このように相手の外側にステップすることを「アウトサイド・パートナー(Outside Partner)」にステップすると言い、OPの省略記号が使われます。覚えてしまいましょう。

●このアウトサイド・パートナーに出たとき、男性の右ヒップが女性の右ヒップの外側になると、二人のシェイプが大きく崩れ、形が汚いだけでなく次の動きに支障をきたします。

アウトサイド・パートナーに右足前進するときのコツは、「大きく出よう」と思わず、その前の左足の上で体を女性の方に少し絞りながら、右足を左足前方に「小さく置きにいく」ことです。鼻は進行方向の壁斜めに向けておくのも大切なポイントです。

 

 

【女性の注意点】
●1歩目右足に体重が乗り切ったとき、左腿(左足ではありません)が右腿の傍にあることを確認しましょう。左腿が傍にあるときと、まだ前に残っているときの二通りを実験して、両腿が傍にくる大切さを実感してください。

 

 

 

 

相手の足を踏みそうで怖いです」との声を聴くことがたくさんあります。分かります! 

男性も女性も前進で相手の足を踏みそうな気がして、ヒールから出られなかったり、相手の足をよけようと、両足を外へ開いてステップしてしまったりしますが、この解決法はないのでしょうか?

私のお勧めは、「足を踏んでもいいですからね」ということです。そして、相手がホッとしたところでもう一言。「踏まれたら踏み返しますから!」。

これで大笑い。相手の気持ちがなごむこと間違いありません。お互いにホールドのフレームごと移動すると、踏まなくなりますよ。

 

 

 

 

意表を突くステップ2 
★トゥインクル

トゥインクル(Twinkle)はブルースのステップの中ではかなり高度なものですが、挑戦するに値する楽しいステップです。

辞書にはトゥインクルは「軽快な足のさばき」の意味がでています。

辞書を疑っていたわけではありませんが、なんとなく「本当かなー」と思っていたある日、まったくダンスをしない生粋のイギリス人に「トゥインクル」と言ったところ、その場ですぐに軽快な足さばきの仕草をしたので、「本当なんだ」と思った経験があります。まったくの余談ですが…(笑)。

 

【ステップの説明】

トゥインクルの基本はクオーター・ターンズの4歩目で両足が前後に開いたところから始めます。それから、

1歩目(Q):男性は右足(女性は左足)に体重を戻します。

2歩目(Q):男性は右足に左足(女性は左足に右足)を揃えます。

3~5歩目(SQQ):男性は右足を中央斜めに後退((女性は左足前進)し、クオーター・ターンズの5~7歩目を踊ります。

 

【男性の注意点】

●男性トゥインクルの1歩目と2歩目では、しっかり体重の移動をして、それを女性に伝えるようにしましょう。ここだけをしっかりやり、2歩目の上でいったん力を抜いてから、改めてクオーター・ターンズの5~7歩目を踊る気持ちです。

 

【女性の注意点】

●1~2歩目の素早いリードに軽やかにフォローするようにしましょう。「自分が重くて…」と思っている人にいいアドバイスがあります。「私は軽やかに動ける」と信じ込み、更に「出身地はカルカッタ!」と口にしましょう。冗談みたいですが、効果がありますよ(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

意表を突くステップ3
★クロス・シャッセ&トゥインクル

さあ、最後のステップです。名前から二つのステップが合わさっていることが分かります。最初に取り上げたクロス・シャッセは壁斜めに入りましたが、ここでは中央斜めに入ります。

 

【ステップの説明】

1~4歩目:クロス・シャッセを中央斜めに踊ります。

5歩目(Q):3歩目だった左足(女性は右足)に体重を戻します。

6歩目(Q):男性は左足の上で右回転し、右足を左足に揃え、壁斜めに面します。女性は右足の上で右回転しながら、足を横にステップし、男性とスクエアに戻ります。

7歩目(S):男性は右足(女性は左足)の上でフラットに乗ったところから、壁斜めに進んでいきます。この後は、この足を予備歩としてクオーター・ターンズに入っても良いですし、壁斜めに入るクロス・シャッセの1歩目にすることもできます。

 

【男性の注意点】
●5歩目で女性が右外側に出てくるとき、右腕で何とかしようとすると失敗します。女性のことをあまり考えず、左肘と右肘の距離を保つことを考えてステップすると良いでしょう。

●5~6歩目は内回りなので、急いで回ってしまうと、外回りの女性が大変になります。女性の足が(QQ)のカウントでステップできることを確認しながら、ゆっくり目にステップしましょう。

 

【女性の注意点】

●5歩目は落ち着いてヒールから出ることを考えましょう。なぜなら、ボールから出るとお尻が外回りして、次の足が適切な場所にいかないからです。ヒールから出るためには、4歩目左足で股関節と膝を緩めておきましょう。

●6歩目左足は、自分の左肩の下に来るようにステップしましょう。そうすると、自然に男性の右腕の中に入っていけます。

 

 

 

さて、3種類の新しいステップを学びましたが、いかがでしたか?

リードする立場にある男性の心理としては、3つ4つの基本のステップだけで踊っていると、女性が楽しんでいないのではないかと不安に思ってしまうものです。今回学んだ3つのステップは、そうした不安をきれいに取り除くのに役立つでしょうから、大いに活用してください。

女性の立場からすると、ステップの種類が少なくても、二人のホールドの間に、楽しく踊ろうとする気持ちと実直さが感じられれば、それだけで十分楽しいものです。でも、意表を突くトゥインクルが入っていれば、一層楽しめることは間違いありません。

 

 

上達のヒントを復習!

では、今までの5回で習得した上達のヒントを幾つか思い出してみましょう。

役立ったヒントは人によって違うかもしれませんが、自力で上達するには、総てのヒントを押えておくことが重要です。「覚えているかどうか」ではなく、「実行しているかどうか」を確認しましょう。

 

⬛練習量と上達は比例しない
練習は必要ですが、その質が大切です。その質を高めるために必要な知識を、ここで得ておきましょう。

⬛両足が閉じるときは、つま先をまっすぐ揃える
いま一度、目を閉じて両つま先を揃えることができるか実験しましょう。

⬛前進では、トウを進行方向に向ける
外に向けて出すと、そっちの方へ進みたくなりますからね。

⬛前進のステップはヒールから
ブルースでこれをやっておくと、他のスタンダード・ダンスで必ず違いが出てきます。今のうちに必ずやっておきましょう。

⬛回転が入るステップと閉じる足はトウから
これをヒールにしてみると踊りが汚く見えますし、二人のバランスが僅かに狂います。

⬛教わったフィガーを、そっくりそのまま踊る必要はない
必ずしもセットで踊る必要はありません。途中に、ウォークやシャッセ、チェック・アクションを入れて変化をつけてみましょう。それがあなたの踊りの個性とかセンスに繋がっていきます。

⬛リバース・ターンでは回転を意識しない
男性の1歩目前進は左回転を意識しないで出ていき、回転はまっすぐ出ていった先で起きます。女性の1歩目後退も同じで、「何事もないような感じで」まっすぐ下がりましょう。

⬛足がもう一方の足を通過するとき、膝が軸足の膝の近くを通る
とくに回転をしているときに、動いていく方の膝や足が遠回りしていないか、これは常に要チェックです。

⬛内回りと外回りは同じ動きではない
外回りする人は積極的な動きを起こし、内回りの人は「積極的に」動きを控えめにします。内回りの方が運動量が小さいからでしたね。

⬛ダンスの基礎知識を覚えよう
「LOD」や「新LOD」、「壁斜め」、「中央斜め」、あるいは、「面して」や「背面して」などの用語を覚えましょう。そして、ひとつのステップ(=フィガー)を覚えるときは、始まりと終わりの方向をきちんと覚えましょう。ステップを応用するとき、そうした情報が役に立ちます。

⬛後退する人は体をさばく
前進する人はまっすぐ進むのがダンスの大原則ですから、後退する人は相手に合わせながら体をさばいて道を開けてあげましょう。

⬛男性は事前に準備、女性は心をオープンに
男性は「次のステップ」を心の中で決めておきます。女性は先読みせず、体全体で男性のリードに耳を傾けましょう。

 

 

知識として「知っていること」はとても大事。

それを「実行しているかどうか」はもっと大切!! 

(自戒を込めて)



 

次回からワルツの基本に入ります。「ワルツが上手くなっちゃってごめんなさい!」と言って貰えるような記事にしますので、お楽しみに!

 

 

 

 

 

もっと詳しく!(Q&A)

(※読者専用フロアでお答えしたことを、もう少し詳しく説明するコーナーです。)

5月号で、スローを踊ると、①スロー・カウントで速くなってしまう ②ムーブメントがピョコンピョコンしてしまう
とのお便りが神奈川県の男性から寄せられました。

 

 

①「スロー」で速くなってしまう

これは多くの人の共通問題です。その原因を探ると、「スロー」と「クイック」で踊りに違いが出にくいのは、二つの言葉の音の長さがほぼ同じだからと分かります。

そこで、(S)で「かながわ」、(Q)で「けん」、よって(SQQ)は「神奈川・県・県」と言いましょうと提案しました。

 

ふざけたような話ですが、実は、これでスローの部分がクイックの倍の長さになり、口に出して踊るとスローの上をゆったり通過できるようになるのです(笑)。他の道府県でも色々試してみてください。もし、これで上手くいかなかったら、スローで「なにもしない」とか「スローリー」を試してみてください。

 

②ムーブメント

極端な話、ワルツのライズのカーブを「45度」に例えると、スローのライズは、それを「20度」に低くしたたようなものです。つまり同じ長さの棒を高さではなく距離に使おうとするのです。

そこで、肩や首、トウや脚部の前面の筋肉に力を入れ過ぎないようにすると、自然なライズになります。

私たちは日頃、あちこちに不要な力を入れて生活していますので、それを取り除くようにしてみましょう。

 

(ダンスファン2015年7月号。連載6ブルース6おわり)

 

Related Post

#023 Q&A姿勢やリードの仕方はサークルで教われないでしょうか?...   #023 Q&A姿勢やリードの仕方はサークルで教われないでしょうか? 質問:サークルのレッスンでは足型をよく指導しますが、姿勢やリードの仕方または受け方などは、サークルでは指導できないものなのでしょうか? (男性)   回答:できると思...
#167 スローのフィガー 7.インピタス・ターン...   #167 スローのフィガー 7.インピタス・ターン(Impetus Turn) 今までヒール・ターンは女性のステップとして出て来ましたが、ここでは男性がヒール・ターンする番です。華麗にやって見せましょう。また、インピタス・ターンはワルツやクイックステップでも使えますから、...
#130 ブルースのフィガー 11.サイド・ステップ...   #130 ブルースのフィガー 11.サイド・ステップ(Side Step) 混雑したフロアで動けなくなった時やぶつかりそうになった時、ただ呆然と立ち止まってしまうのではレディが可哀そうです。そんな時、このステップを活用してください。踊り方はボックス・ルンバのサイド・ステッ...
#363 私とダンスとアレクサンダー・テクニークと(その20.難しいのはあなたの古い習慣)...   #363 私とダンスとアレクサンダー・テクニークと (その20.難しいのはあなたの古い習慣) 今日はジェレミーさんの最後の問いについて見て行きましょう。その前に ――    4つの問いとは ――  ①脳はどのように筋肉に働きかけてい...