#441 「サークルで上手くなっちゃって、ごめんなさい!」連載8ワルツ2

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「おしゃべり」「フィガーの説明とヒント」「質問コーナー」と盛りだくさんの話題を通し、個人レッスンに行かれない人やパートナーがいない人でも上手くなれる近道をこっそり教えちゃいます。月刊誌ダンスファン連載記事(2015~2017年、全35回)の復刻版(加筆、修正あり)。

 

#441 「サークルで上手くなっちゃって、ごめんなさい!」連載8
ワルツ2 ナチュラルとリバース・ターン

 

 

ワルツが上手くなっちゃって、ごめんなさい!

 

 

皆さん、こんにちは! 楽しくサークル活動していますか? この原稿を書いている今、外は雨です。

梅雨のこの時期はジメジメして、サーク中も汗だらけになってしまいますが、それでも、ダンスができる場所があり、仲間がいて、元気に踊れるのですから、有難いと思ってしまいます。

 

 

 

今更、やってられないクローズド・チェンジ?

 

前回、2種類のクローズド・チェンジを勉強しましたが、もしあなたがワルツの初心者でなかったなら、このフィガー名を見ただけで、「今更、やってられない」とか、「習う必要ない」と思いませんでしたか? 

その気持ちはとてもよく分かります。でもここで、私のちょっとしたお喋りに付き合って頂けませんか?

それは私がダンスを始めて数年経った頃でした。ある女性がこんなアドバイスをしてくれました――

 

「一日10分で良いから

ボックスの練習をしてごらんなさい。

そうしたら、すごく上手になれますよ」。

 

ボックス(Box)とは、図のようにクローズド・チェンジの男性と女性のパートをつなげた6歩の踊り方です。

《練習では男女が離れ、同じステップを踏んでも良いし、組んで踊っても構いません。また、右足からのクローズド・チェンジを使ってボックスを踊ることもできます。横への動きは、脚部の力を抜いておくと自然に斜め方向になると思います。》

 

そのアドバイスをしてくださった人は、当時の全日本チャンピオンで世界のファイナリストだった中川勲・詠子組の詠子先生でしたが、実際のワルツでこれを踊ることはまずないので、私はあまり真剣になれませんでした。

(写真は当時のサークルで踊って頂いたもの)

 

 

しかし、それからずいぶん時が流れてから、再びこのボックスの練習を薦めるDVDを見つけました。

⚫ひとつは、偉大な元世界チャンピオンのリチャード・グリーブ氏で、彼はDVD「ダイヤモンド・コレクション」の中でボックスの練習を取り上げています。

⚫もうひとつは、数年前に引退した元世界チャンピオンのミルコ・ゴッゾーリ氏で、レッスンDVD「王者のステップ」の中でボックスについてこう話しています。

「とても簡単な練習方法ですが、繰り返し練習することにより

スイングが上手にできるようになるだけではなく、

スイングの動きに関わる筋肉の増強にも役立ちます」

 

いまワルツを習い始めた人たちには、私のように時間を無駄にして欲しくないと思って書いてみました。ぜひ、練習してみてください。

 

 

 

 

【その8】ナチュラルとリバース・ターン

 

さて、今月のフィガーはナチュラル・ターンとリバース・ターンです。同名のフィガーをブルースで習いましたが、ワルツではワルツらしい踊り方をしたいので、ブルースと同じ踊り方はしません。その辺のことも含めてお話ししていきましょう。

 

 

 

ナチュラル・ターン(Natural Turn)

  【男 性】

壁斜めに面して始め、中央斜めに面して終わります。

①右足前進。右回転を始める。
②左足を振り出す。
③右足を左足に閉じる。
④左足後退。右回転を始める。
⑤右足をポイントしてから体重移動。
⑥左足を右足に閉じる。

【フットワーク】①HT  ②T ③TH ④TH  ⑤T ⑥TH

 

 

  【女 性】

壁斜めに背面して始め、中央斜めに背面して終わります。

①左足後退。右回転を始める。
②右足をポイントしてから体重移動。
③左足を右足に閉じる。
④右足前進。右回転を始める。
⑤左足を振り出す。
⑥右足を左足に閉じる。

【フットワーク】①TH  ②T ③TH ④HT  ⑤T ⑥TH

 

 

外回りは積極的に動き

内回りは「積極的に」静かにしておきましょう

 

 

 

要の三番バッター

♪123、123♪ 


ワルツの音楽は、ズン・チャッチャッと1拍目に強いアクセントがあります。

それで多くの人は強いアクセントのある“1”で大きく踊ろうとします。それは、あながち間違いではありませんが、前進する人は「突っ込み」、後退する人は「倒れる」危険性をはらんでいます。

では、どうするか? 

実は、“1”で大きく踊るには、その前の“3”を丁寧に処理する必要があります。

ですから、この記事を読んでくださっている皆さんは、ワルツの心得として、まず「カウントの3が一番大事!」と覚えてください。その上で、3の足の上に丁寧に移動し、その上に真っすぐいることを確認してから、次のステップをしましょう。その先に優雅なワルツが待っています。

 

 

リバース・ターン(Reverse Turn)

  【男 性】

中央斜めに面して始め、壁斜めに面して終わります。

①左足前進。左回転を始める。
②右足を振り出す。
③左足を右足に閉じる。
④右足後退。左回転を始める。
⑤左足をポイントしてから体重移動。
⑥右足を左足に閉じる。

【フットワーク】①HT ②T ③TH ④TH ⑤T ⑥TH

 

  【女 性】

中央斜めに背面して始め、壁斜めに背面して終わります。

①右足後退。左回転を始める。
②左足をポイントしてから体重移動。
③右足を左足に閉じる。
④左足前進。左回転を始める。
⑤右足を振り出す。
⑥左足を右足に閉じる。

【フットワーク】 ①TH ②T ③TH ④HT ⑤T ⑥TH

 

 

 

急降下ジェットコースター

あれは怖いです。以前は平気だったのにもうダメ・・・。

ところでワルツの音楽から「波」を連想しませんか? どんな波? もしかして私と同じゆったりと緩やかに上下する波ですか? あれは連想するだけでも気持ちがいいですよね。ところがどっこい、緩やかな波のイメージでワルツを踊ると、1の足で倒れこんでしまうのです! 

そこでワルツの心得として、カウント3は急降下するジェットコースターのイメージで踊りましょう。つまり、先のコラムで話したように、3の足に真っすぐ降りるイメージなのです。

 

 

 

さて、一気にナチュラル・とリバース・ターンの説明を見てきました。両方のライズ&フォールは図のようになります。

この図から、3の「ン」までは徐々にライズしていること、そして、次の瞬間から線が急降下しているのが見えますね。ここが前出コラムの言わんとしていることです。

こうしたライズ&フォールを丁寧に練習をしていると、ワルツらしい踊りになっていきますので、早い段階からその意識を持つようにしましょう。

 

 

 

足型図の★マークは何の意味?

 

足型図の中の★印が気になっている人はいませんか? 

良いところに目がいきましたね。これは「ノー・フット・ライズ(No Foot Rise)」という動きをするところが一目で分かるように入れた、オリジナルのマークですが、それはさておき、その「ノー・フット・ライズ」とはなんでしょう? 

長いこと踊っていても、この用語を知らない人がたくさんいますが、これを知ると踊り方の理解が深まりますから、今回一気に覚えて、上達に役立ててください。

 

ノー・フット・ライズを直訳すると「足のライズ(フット・ライズ)はしない」です。すなわち、

「トウに上がるライズはしませんよ。

その代り、次の足が床に着くまで体重を乗せている足のヒールを床に着けたまま、

上体と膝でライズしてくださいね」

という場所です。

これはムービング・ダンスの内回り回転の1〜2歩間に行われます(例外はあります)。2歩目に体重を移す際、1歩目はヒールで送らず、トウが床の上を滑って行きます。

 

 

実例を挙げましょう。

例えばワルツのナチュラル・ターンを踊ったとしましょう。前半の1~2歩は女性が内回りですから、1歩目がノー・フット・ライズになります。その処理の仕方は、

  • ①1歩目左足に体重が乗ると、股関節を開いて右足を次の方向にポイントします。
  • ②2歩目右足に体重が移動するとき、1歩目左足はヒールになりません。実験すると分かりますが、ヒールを使うと、外回りの男性の行きたいところ以上に引っ張ってしまいます。
    また、左足のトウにも上がりません。これも実験すると分かりますが、トウに上がる(=フット・ライズ)と、男性の回転を妨げてしまいます。
  • ③では、2歩目の処理はどうするかと言うと、1歩目にフラットのままで体重が乗っているところから、2歩目右足のサイドへの動きとボディ・ライズを意識して2歩目の真上にライズして行きます。結果として左足のトウが床の上を滑って行くことになります。でもこれは、フット・ライズではありません。
     

少し難しい話をしましたが、繰り返し読んで消化してください。

 

 

 

 

 

もっと詳しく!(Q&A)

(※読者専用フロアでお答えしたことを、もう少し詳しく説明するコーナーです。)

 

質問:
サークルのレッスンでは足型をよく指導しますが、姿勢やリードの仕方または受け方などは、サークルでは指導できないものなのでしょうか?
男性(埼玉県 TY)

 

回答:
できると思います。教える側も教わる側もその大切さを理解してレッスンに臨む必要があるので、時間がかかりますが、それが上達への近道だと信じています。また、足型を習うとき、「1歩と次の1歩の間に踊りが存在する」と思ってください。

 

実際の踊りでは「リード&フォローがすべて」と言っても過言ではありません。しかし、一人一人の、あるいは、ひとつひとつの動きの中で、その人のクセや誤りを正しながら教えることは、個人レッスンに近いですから、教室勤務の先生なら当然、個人レッスンに来て欲しいと考えます。

教わる側も、そんな地味なことよりステップを教わりたいと考える人が圧倒的に多いので、そうなると需要と供給の関係で、サークルではステップを習いましょうとなってしまうのです。

 

ですから、サークルで先生をお招きするときは、事前にサークル内で何を習いたいかを話し合い、それを先生にお伝えして理解を得るようにすることが大切です。そうすると、広く浅く習うことも、深く習うことも可能になります。

いずれにしても、ダンスの上達とリード&フォローは常に一体であることに変わりありません。

 

では次回まで、ハッピー・ダンシング!

 

(ダンスファン2015年9月号。連載8ワルツ2おわり)

 

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