#448「サークルで上手くなっちゃって、ごめんなさい!」連載13タンゴ1

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「おしゃべり」「フィガーの説明とヒント」「質問コーナー」と盛りだくさんの話題を通し、個人レッスンに行かれない人やパートナーがいない人でも上手くなれる近道をこっそり教えちゃいます。月刊誌ダンスファン連載記事(2015~2017年、全35回)の復刻版(加筆、修正あり)。

 

#448「サークルで上手くなっちゃって、ごめんなさい!」連載13
タンゴ1 

 

 

第3章タンゴが上手くなっちゃって、ごめんなさい!

 

皆さん、こんにちは! 前回からページデザインが可愛らしく変わりました。おかげさまで、私たちもキラキラ若返った気持ちです。

今月からワルツ同様に人気の高いタンゴに入りますが、先のブルースやワルツと同じく、拙書「パーティーはおまかせ」をベースに進め、みなさんがタンゴが綺麗に踊れるようになり、「タンゴが上手くなっちゃって、ごめんなさい!」と心から言ってもらえるよう、お喋りを交えながら役に立つ情報をお届けしていきたいと思います。

 

 

タンゴの特徴

 

タンゴは「歩く」が基本の踊りです。スイング・ダンスのようにスイングをしないため、踊りの間中、ライズ&フォールがありません。ホールドと閉じた足の形もスイング・ダンスと異なります。他にもありますが、こうした特徴については、ひとつひとつ、フィガーの解説に合わせてお話ししていきます。きっとその方が、効率良く学べると思います。

音楽: 歯切れの良い4/4拍子、または、2/4拍子。
基本リズム: QQS。
テンポ: 1分間に33小節くらい。

 

 

■タンゴ・ホールド

次の要領で、スイング・ダンスのホールドよりコンパクトにします。

①男性の左手は直角より少し内側に曲げ、グリップ(男性左手/女性右手)は二人の中間、高さはスイング・ダンスのときより少し低めにセットします。

②男性の右手は女性の背骨の辺りまで来るようにします。

③女性の左手は男性の右腕脇の下の方に移動させます。

写真はマーカス&カレン・ヒルトンMBEのレッスンビデオ「シンプリー・ザ・ベスト」(スタジオひまわり)から切り出したものです。二人の美しいホールドから、その特徴を明確に見ることができるでしょう。

ダンスの写真や映像を見ると、男性の左肘がそれほど内側に曲がっていない人も見うけますが、だからと言って「間違っている」と判断する必要はありません。大切なことは、左右のホールドのバランスが取れていること、そして、そのカップルが目指すタンゴらしい踊りになっているかどうかなのです。私たちサークルで踊る人たちは、まずは、上に述べた基本の形から入ることをお勧めします。

 

 

■タンゴ・ポジション

スイング・ダンスでは、両足を閉じたときは平行に揃えますが、タンゴでは、右足トウを左足の土踏まず付近まで下げ、「タンゴ・ポジション」と呼ばれる形にします。これは、両足を揃えた形から、左に1/8回転させると出来上がります。タンゴで両足を揃えるときは、ほとんど男性も女性もこの形にします。

また、タンゴ・ポジションでは、右膝の内側を左膝裏の右側に向けた脚部の絞りを感じるようにします。このとき、右膝の動きに連れて左膝が左へ回転しないようにします。上半身も、右膝が入った分以上は回転させません。つまり、左膝はそのままで、右膝と右脚部の絞りを上体共々感じるようにします。

 

 

 

 

 

ホールドと足の置き方が分かったところで、実際の踊りに入りましょう。

この章では6つの基本フィガーを解説します(アマルガメーション図参照)。たった6つですが、これを覚えて繰り返せば、フロアを1周することができます。

 

 

 

 

ウォーク ~ プログレッシブ・リンク
(2 Walks into Progressive Link)

最初に取り上げるのはウォークとプログレッシブ・リンクの二つのフィガーです。

 

 【男 性】

右股関節をゆるめ、ウォークスに入ります。

①左足前進。(S)
②右足前進。(S)

~ プログレッシブ・リンクに続けます ~

③左足前進。(Q)
④右足、ボディを右回転させて横にステップし、女性をPPにします。(Q)

 

【フットワーク】①H ②H ③H ④FのIE。左足はBのIEで床を押えます。

 

 

 【女 性】

左股関節をゆるめ、ウォークスに入ります。

①右足後退。(S)
②左足後退。(S)

~ プログレッシブ・リンクに続けます ~

③右足後退。(Q)
④左足、ボディを右回転させて横少し後ろにステップし、PPになります。(Q)

 

【フットワーク】①BH ②BH ③BH ④BのIEで床を捉えてからHを下します。右足はBのIEで床を押えます。

 

 

 

何だこりゃ! 

覚えなきゃいけないタンゴのフットワーク

 

そうですよね。フットワークを見て、「何だ、こりゃ」と、怖気づいたとしても無理はありません。でも、ここが我慢のしどころ。ここを乗り越えた所に「タンゴらしい踊り」が待っていますから、ちょっとだけ頑張って勉強してしまいましょう。

 

 

今回出てきたフットワークの定義


ヒール(Heel)から出ることです。つまり、歩くときと同じです。一般的にヒールから出た足はフラットになるので、「H」とのみ記載します。

 

BH
「ボール、ヒール(Ball, Heel)」と読み、ボールから出てヒールを下し、主に後退の足に使われます。
でも、トウから床に着いているよ!」と思った人は正しいです。実際にはトウが先にフロアにつきます。でも、「T」にはライズや回転の意味が含まれているため、ライズをしないタンゴでは「B」と記載します。

 


フット(Foot)、すなわち「足」の意味。

 

IE
インサイド・エッジ(Inside Edge)は内側の縁(へり)を指します。「BのIE」は「足指の内側縁(すなわち親指の内側)」、「FのIE」は「足の内側縁」のことです。

 

以上のフットワークを守りながら、次回まではブルースの延長のような気持ちで踊ってみてください。既にタンゴを踊っている人だと少し物足りないことでしょうから、「それはなぜだろう?」と考えておいてください。その答えを次回、探していくことにしましょう。

 

 

 

 

 

 

音楽の質問

さて、タンゴの音楽に関し、読者コーナーにひとつの質問が寄せられました。とても興味深く難しい質問で、かつ、そのコーナーでも、ここの「読者専用フロア番外編」でも誌面が足りそうもないので、ここで取り上げることにします。

 

質問

僕はサークル愛好者です。これまでタンゴは4拍子だと思っていましたが、ある人に2拍子だと言われました。もし2拍子だとしたら、音の取り方も変わってきますか? 男性(東京都 シネマ)

 

回答

手元にある英国の二種類のダンス教本(ISTDとIDTA)を開くと、タンゴの音楽は2/4拍子と明記されています(日本語のテキストはこれらの翻訳なので、同じと思います)。

それにも拘らず、私たちは最初の本「サークルで上達するボールルーム・ダンス」(東京経済より自費出版/2002年)から、大胆にも、自分たちの耳を信じて(?)4/4拍子と2/4拍子の両方を記載しています。

 

それから数年後に発売された「ダンス音楽のABC 社交ダンスのための楽典」(鈴木俊夫著/2004年)を購入すると、

「アルゼンチンタンゴは2拍子がほとんどだが、社交ダンス用のコンチネンタルタンゴは4拍子で書かれていて演奏も4拍子の場合が多くなってきている。社交ダンスの教本にはいまだに2拍子と解説されているが、ほとんどのレッスンでは4拍子が使われているのが現実である」

と書いてありました。

 

そんなこともあったので、以前の職場の仕事でブラックプールやUKオープンに行ったとき、そこで知り合いになった英国の著名なバンドリーダーお二人に、別々な機会に、この質問をしたことがありますが、お二人とも

「4/4だよ」

と答えてくれたと記憶しています。

 

 

また、その頃友人から頂いた”THE COMPLETE BOOK OF BALLROOM DANCING” (R.M.Stephenson & J. Iaccarino著/1980年)には、

「元来2/4拍子で書かれていたが、近年はほとんどが4/4拍子です」

と書いてあります。

 

そんなわけで、あなたの友達が言っても、英国のテキストに書いてあっても、私的には音楽家の意見を尊重したいと思います。

 

実際の演奏では、基本的には2拍子の場合、1小節ごとに「強・弱」のビートが伝わり、全体的に「イチ・ニ」、「イチ・ニ」とマーチのように感じます。

一方、4拍子の場合は「強・弱、中強・弱」となり、「イチ・ニ・サン・シ」と感じられます。

 

でも、実際に音楽をたくさん聞かないと、違いは判別しにくいです。

踊る上での違いは意識する必要ないと思います。ただ、タンゴのほとんどのフィガーでは第1クイックにアクセントがありますから、それを音楽の強拍に合わせると良いでしょう。

 

次回も、タンゴをもっと深く理解しちゃいましょう!

 

 

 

 

 

もっと詳しく!(Q&A)

(※読者専用フロアでお答えしたことを、もう少し詳しく説明するコーナーです。)

 

質問:

11月号で、ラテンのコネクションについて回答を書かれていらっしゃいましたね。大変分かり易い説明で早速取り入れています。私とリーダーの「コイルばね」はなんだか伸び切ってしまってキレがないような気がしてならないのですが、上手く伸縮させるコツはありますか? 女性(長野県 さくらん)

 

回答:

前号の「読者フロア」の回答の続きです。ルンバのオープン・ヒップ・ツイストの1歩目、女性右足後退(カウント2)で考えてみましょう。ここでの問題と原因を探れば、他でも応用が利きますからね。

  • 右足より「上半身」の後退する気持ちが強くありませんか? そうだとすると、右足の着く位置が体より前になり、後ろに倒れた形になります。すると、右肘を縮めて男性につかまるか、右腕が伸びた倒れた形になり、次のステップで男性にひっぱり戻してもらうことになります。
  • もう一つ考えられるのは、右ヒップと右足を同時に後退するケースです。これをすると、やはり足の位置が前になります。「上半身は下がろうとせず、トウを後ろに向けて後退し、ヒールに降りてからヒップ」、この意識を持ってみてください。

ラテンでの形は「真っすぐ立った形から、重心を足のボールの上に移す」と考えてみましょう。そのとき、両腕が体の少し前にぶら下がる感じになります。そのポスチャーをキープしたまま後退します。

 

(ダンスファン2016年2月号連載13タンゴ1おわり)

 

ハッピー・ダンシング!

 

 

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