#449「サークルで上手くなっちゃって、ごめんなさい!」連載14タンゴ2

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「おしゃべり」「フィガーの説明とヒント」「質問コーナー」と盛りだくさんの話題を通し、個人レッスンに行かれない人やパートナーがいない人でも上手くなれる近道をこっそり教えちゃいます。月刊誌ダンスファン連載記事(2015~2017年、全35回)の復刻版(加筆、修正あり)。

 

#449「サークルで上手くなっちゃって、ごめんなさい!」連載14
タンゴ2 

 

 

第3章タンゴが上手くなっちゃって、ごめんなさい!

 

皆さん、こんにちは! タンゴの1回目はどうでしたか? 

今回も楽しく勉強して上手になってしまいましょう。最初はウォークとリンクについての話です。

 

 

 

ウォークのルールを知って上手くなろう!

 

前回のウォークス~プログレッシブ・リンクで、フットワークを守ってブルースのように踊る、そして、すでにタンゴを踊っている人には、”物足りなく感じるものは何か”を考えておいてくださいと書きましたが、いかがでしたか? 

今回はタンゴ・ウォークの仕方からお話ししましょう。「ブルースのように踊って、結構よくできた」と思った人も、「シャープな感じが足りなかった」と思った人も、このウォークの仕方を覚えると、グンと踊りが変わります。それには、男女とも、

①左足前進はCBMPにステップする。
②右足前進は右サイド・リードを使う。
③右足後退はCBMPにステップする。
④左足後退は左サイド・リードを使う。

 

 

●CBMPとは?

左足前進と右足後退に使われるこの用語はContrary(コントラリー) Body(ボディ) Movement(ムーブメント) Position(ポジション)の略で、単に「シー・ビー・エム・ピー」と言うことが多いですが、フルでも覚えておきましょう。

 

CBMPとは、図が示すように、足を「真っすぐ」ではなく、「体を横切るように」出す置き方のことです。

図では軸足の延長線上に足が出ていますが、動きによっては延長線にヒールやトウが軽くかかる程度のこともあります。

では、なぜCBMPにステップするのでしょう? 前号のタンゴ・ポジションの話を思い出しましょう。

 

「タンゴ・ポジションでは、右膝の前内側を左膝の裏右側に向けた脚部の絞りを感じるようにします。左膝はそのままで、右膝と右脚部の絞りを上体共々感じるようにします」

 

このポジションを取ると、右ヒップと右肘が左ヒップと左肘よりも前になるため、前後に真っすぐステップするより、CBMPに前進・後退するのが自然になります。

つまり、タンゴのホールドとタンゴ・ポジションがCBMPにステップさせる ―― そう表現しても過言ではありません(右肩が左腰よりも前に出ると捻じれになってしまうので、気をつけましょう)。

CBMPに出るステップでは程度の差があっても、左足前進ではトウが外を向き、右足後退ではトウが内側に向きます。

 

 

●サイド・リードとは?

次は、右足前進と左足後退に使われる Side(サイド) Lead(リード) についてです。

これは、「前進・後退する足と同じ側の上体(肩と腰)が足と同じ方向に動くこと」です。つまり、肩も腰も足も同じ方向に動きますから、一時話題になったナンバの動きと同じです。

左足をCBMPに前進すると体は左に絞られていますから、次に右足前進するとき、この「左足を乗り越しながら、左足トウの向いている方向」に、右足・右腰・右肩を同時に出していきます。これを「右サイド・リードを使う」のように表現します。左足後退で使う左サイド・リードも同様の要領で行ないます。

CBMPとサイド・リードを使ってウォークを繰り返すと、左へカーブして、やがては元の位置に戻ってきます。この基本のウォークの仕方をすると、ブルースの感じは一掃され、タンゴの雰囲気が出てきますので、1歩ごとに確認しながら動いてみてください。

 

 

 

もっとシャープなリンクをしよう

 

プログレッシブ・リンクは、広く「リンク」とだけ言われ、ありとあらゆる場面に登場するベーシック・フィガーですので、もう一度取り上げ、「こうしてみよう」というお勧めの方法を紹介し、その理由も書きますので、やってみてください。

 

 

 【男性への提案】

🔳その1!

1歩目(足型図の3歩目)ではリンクに入ろうと思わず、「もう1歩ウォークスする」と考えましょう。つまり、その前のウォークと併せると、素直に3歩歩く気持ちです。

なぜなら…… 

私たちはリンクに入ろうとしたとき、リンクを終えた形をイメージしています。すなわち、PPで両足を開いた形です。それは極めて自然なことなのですが、終わった形だけが強烈なイメージとしてあると、体は早くその形を実現しようとして1歩目左足を左側にステップすると、締まりのない形で終わってしまいます。それはCBMPの位置ではないので仕方ありません。

でも、「リンクで大切なのは1歩目だ」と考え、「もう1歩ウォーク」と思うと、きちんとCBMPにステップでき、体が絞れるのでリンクの切れが良くなります。

 

 

🔳その2!

左足ヒールから出て体重がボールにかかる瞬間、つまり、女性の右足ヒールが殆ど床に下りかけた瞬間を狙って、左膝で右膝を送りましょう。このとき、両膝が内側に向いています。

なぜなら…… 

男性の体重がボールにかかる前に2歩目のステップをすると、女性は右足ヒールが着かないまま左足が置かれるため、バランスが崩れ、汚い形で終わってしまいます。

 

 

🔳その3!

右足歩幅は狭く、体の下に置きましょう。

なぜなら……

2歩目右足の幅を開けば開くほど体重移動に時間がかかるため、切れが悪くなります。男性は内回りなので動きは小さ目が良いのです。

そして、左足の送りが上手にできるようになると、右足をもう少し広く取れるようになりますから、それまでは左足の傍に右足を置くつもりで踊ってください。上級者がやっても、とても綺麗な形なんですよ。

 

 

 

 【女性への提案】

🔳その1!

2ウォークスの後も、「やっぱりウォーク」と思ってステップしましょう。

なぜなら…… 

女性が「2ウォークスの後はリンク」と決めてかかることはできません。

今はウォークス ~ リンクで踊っていますが、経験者の男性は別の選択肢も持っているからです。ですから、頭の中から「先読み」を消し、綺麗なウォークをし続けると思っていると、リンク1歩目(足型図3歩目)の右足ヒールが床に着きそうになった瞬間に、男性から2歩目へのリードを受けることができます。その後、一瞬ヒールが床にタッチします。

 

 

🔳その2!

PPになるのは2歩目左足が床をしっかり捉え、体重移動が完了する瞬間を狙いましょう。

なぜなら……

女性はリンクに入ると分かると気持ちがはやり、急いでPPになろうとしてしまいます。これは、きっと全国の女性共通の心理だと思うので、「それで良いことにしましょう!」と言ってあげたいのですが(笑)、そうもいきません。

急いでPPになろうとすると、男性の中央付近でPPになってしまい、左腕のスペースを潰してしまいます。いかり肩の崩れた形になるのは、そのせいです。

 

 

 

よし、これでタンゴらしいウォークとプログレッシブ・リンクになってきましたよ! それでは今月のフィガーにいきましょう!

 

 

クローズド・プロムナード(Closed Promenade)

 

プログレッシブ・リンクからつなげる最も人気のあるフィガーです。

「クローズドがあるならオープンもあるのかな」と考えましたか? 他にもオープン・プロムナードとかバック・オープン・プロムナードなどのフィガーがあります。一つのフィガー名から考えを広げてみると、知を追求する楽しみが増えていきますね。

 

 

 【男 性】

~ここではLODに沿って進みます~

①左足トウを壁斜めに向け、PPで横にステップ。(S)
②右足トウを壁斜めに向け、PPで前進。(Q)
③左足、横少し前にステップ。(Q)
④右足をタンゴ・ポジションに閉じます。(S)

                        
【フットワーク】 ①H ②H ③FのIE ④WF

 

 

 【女 性】

~ここではLODに沿って進みます~

①右足トウを中央斜めに向け、PPで横にステップ。(S)
②左足トウを中央斜めに向け、PPで前進。左回転を始めます。(Q)
③右足を横少し後ろにステップ。壁斜めに背面します。(Q)
④左足をタンゴ・ポジションに閉じます。(S)

 

【フットワーク】 ①H ②H ③BのIE、それからH ④WF

 

 

 

新しいフットワーク!

WF
Whole(ホール) Foot(フット)の省略記号で、足裏全体を一度に置きます。英語のまま「ホール・フット」と使います。

 

 

 

クローズド・プロムナード攻略法!

 

🔷「歩こう!」と思うだけで、楽に動けます!

PPで始まるフィガーは殆どの場合、男女共、1歩目と2歩目はヒールから出ます。クローズド・プロムナードも例外ではありません。

この2歩がきちんとヒールから出られないと、その先の踊りを一層困難にしてしまいますからら、この段階からヒールから出られるようにしましょう。

PPになったら、いつでも「2歩歩く」ことが大切です。それを素直に実行するだけで上手になってしまいます。

 

 

 

🔷PPの道はとても狭い!

PPからの2歩ウォークは、とても狭い通路をイメージすると良いでしょう。

どのくらい狭いかというと、二人の背中ぎりぎりの所に壁がある ―― そのくらい狭い通路です。

そんなイメージで足型図に示した場所に足を置いて動いてみてください。相手がいるときは障害物のない壁を捜して、どちらかが実際に壁ぎりぎりに背を向けて踊ってみると良いでしょう。

 

 

 

🔷足の向きに注意してみて!

1歩目は横に、かつ、図のようにトウをスタートと同じような向きに出してみましょう。

LODに向けても踊れますが、そうすると腰も肩も開いてしまいます。もし二人ともトウをLODに向けると、二人のボディは横並びになり、タンゴのコンパクトな感じが失われてしまいます。

「開いていいのはアジ、ホッケ!」とサークルで話していますが、勿論これは、ダンスには関係ありません(笑)。

 

 

                           

🔷女性は後から奥ゆかしくね

2歩目に関しては、女性から「男性の足が邪魔で踊りにくい」との声が聞こえてきます。でもここは、男性を追い越す場所でも、横並びになる場所でもありません。

2歩目に残されているのは、男性の太腿一つ分位の幅しかありません。

リンクでPPになると、女性の左腿は男性右腿の後ろ側に接していますから、そのまま、男性の右足が通過していくとき、女性は左腿の軽いコンタクトを感じながら奥ゆかしくついていくと、狭い道でも思ったより自由に通れることでしょう。上体は静かにそこにいます。

 

 

 

 

 

もっと詳しく!(Q&A)

(※読者専用フロアでお答えしたことを、もう少し詳しく説明するコーナーです。)

 

質問:

スタンダードのホールドで肩が上がってしまいます。特にタンゴのツーウォークのときに右肩が上がり、右サイドで女子を振り回すようなアクションになってしまいます。直すのにいい方法があればアドバイスをお願いします。 (福島県 タケちゃんマン)

 

 

回答:

天を見上げ「神よ。なぜ彼女は私を捨てたのか」と大いに嘆き絶望する演技をします。そこから、そっと頭を真っすぐ戻して踊ると右肩は静かな位置にあることでしょう。右足前進のウォークでは左足の上で両ヒップの高さが同じにあることを確認し、左足トウの方向に出て行きましょう。上半身は静かに、下半身がウォークする気持ちで。

 

前号の回答にもう少し情報を加えましょう。

一般的に、右肩が上がると右肩に責任をかぶせる傾向がありますが、実は右肩は「あなたがそうして欲しい」と思っていることを形にしているだけなので、右肩はちょっとも悪くありません。ですから、日頃から両肩に、「緊張しなくていいよ」と語りかけるようにしましょう。準備体操で、左手を真上に伸ばしながら右肩(右肩甲骨)をグッと下ろす運動をすると、ホールドの右肩が、グッと改善されます。

また、前号で「下半身がウォークする気持ちで」とも書きましたが、踊る気持ちを下半身で行なうウォークに集中すると、ヘッドを含め上半身が静かになり、肩の問題が解決することが多いからです。

 

(ダンスファン2016年3月号連載14タンゴ2おわり)

 

ハッピー・ダンシング!

 

 

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