#451「サークルで上手くなっちゃって、ごめんなさい!」連載16タンゴ4

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「おしゃべり」「フィガーの説明とヒント」「質問コーナー」と盛りだくさんの話題を通し、個人レッスンに行かれない人やパートナーがいない人でも上手くなれる近道をこっそり教えちゃいます。月刊誌ダンスファン連載記事(2015~2017年、全35回)の復刻版(加筆、修正あり)。

 

#451「サークルで上手くなっちゃって、ごめんなさい!」連載16
タンゴ4 ロック・ターン、フォー/ファイブ・ステップ

 

 

 

 

第3章タンゴが上手くなっちゃって、ごめんなさい!

 

皆さん、こんにちは! 

前回はプログレッシブ・サイド・ステップを勉強しながら、「膝を締める」意識や「踊りはステップとステップの間にある」という話もしました。少し難しかったかですか? でも、早い段階でそうした意識や知識を持つことが上達への一番の近道だと思います。

「踊っているとき、そこまで気が回らないよ!」という人。気にしなくても大丈夫です。あなただけでありませんから。

でも、靴を履いていない日常生活の中で考えるようにしてみてください。それを繰り返しているといつの間にか知識が体に浸み込み、ある日、踊りの中でも、そうしたことが考えられるようになります。赤ちゃんが寝ている間に育つように、踊りも「靴を履いていない時間で上達する」部分がたくさんあります。

今月のフィガーはロック・ターンとフォー/ファイブ・ステップです。

 

 

 

激しいロック禁止

「ロック・ターン」のロック(Rock)には「(前後左右に)揺り動かす」意味です。同じ日本語で「足をクロスする」意味のロック(Lock)がありますが、英語では「R」と「L」の明確な違いがあります。

ロックの動作はどこで行なうのでしょう? 頭? 腕? 腰? いいえ、膝で行ないます。ですから、思った程、頭は揺れていません。驚きですね。実は、どんなに速い動きのフィガーでも頭は静かです。機会があったらトップ・ダンサーの踊りを気をつけて見てみましょう。

 

 

 

ロック・ターン(Rock Turn)

ロック・ターンの基本形を勉強しましょう。ここでは前号で勉強したプログレッシブ・サイド・ステップ(PSS)の3歩を踊り、両足が前後に開いたところから入ります。両足を閉じたところから入る場合は、最初に男性は左足前進(女性は右足後退)のウォークをします。

 

 【男 性】                         

壁斜めに始め、同じ向きで終わります。まず、左股関節をゆるめてから~  

①右足前進。右回転を始めます。(S)
②左足、横少し後ろにステップ。背中は中央斜めではなく中央に向けておきましょう。(Q)

③右サイド・リードを使って右足に体重を戻します。いま、逆壁斜めに向いています。(Q)
④左足を元の位置より少し後ろに後退。左サイド・リードを使います。このとき、右足はボールのIEが使われます。(S)

⑤右足をCBMPに後退。(Q)
⑥左足を横少し前に、トウを壁斜めに向けてステップ。(Q)
⑦右足をタンゴ・ポジションに閉じます。(S)

                           

【フットワーク】 ①H ②BのIE~H ③BのIE~H ④BのIE~H ⑤BH ⑥FのIE ⑦WF

 

 【女 性】                           

壁斜めに始め、同じ向きで終わります。まず、右股関節をゆるめてから~

①左足後退。右回転を始めます。(S)
②右足、前方の少し右側にステップ。(Q)

③左サイド・リードを使って左足を少し左側にステップします。(Q)
④右サイド・リードを使って右足で中央斜めに小さく前進。(S)

⑤左足をCBMPに前進。左回転を始めます。(Q)
⑥右足を横少し後ろへステップします。(Q)
⑦左足をタンゴ・ポジションに閉じます。(S)

 

【フットワーク】 ①BH ②H ③BのIE~H ④H ⑤H ⑥BのIE~H ⑦WF

 

 

 【用語の説明】

WF=ホール・フット(足裏全体)
サイド・リード=動く足と同じ側の肩・肘・腰が一緒に動いていくこと。以前はショルダー・リードの用語が使われていました。

 

 

⬛ロック・ターンをもう少し詳しく

●1歩目は男性右足前進/女性左足後退ですから、ウォークの基本ルールに則り、サイド・リードを使いますが、男性が前の左足の上でボディの回転を起こす意識を持った場合には、サイド・リードは使われないことになります。

●少しずつ回転しながらステップしていくフィガーなので、1~3歩の間で右に1/4回転します。男性が3歩目右足に体重移動するとき、背中は「中央斜め」に向いていますが、前進運動をしているため、「逆壁斜めに向いている」の表現になっています。

●4歩目では、男性は左サイド・リードを、女性は右サイド・リードを使ってステップします。

●男女とも6歩目には一気に体重を乗せ切らないようにします。つまり、5歩目に体重を半分以上残したまま、6歩目の位置に足をピタッとインサイド・エッジを使って置き、それから、7歩目をタンゴ・ポジションに置くときに全体重が乗るようにします。一気に6歩目に体重を乗せてしまうと体重が外側に流れ、シャープさが失われてしまいます。

7歩目でタンゴ・ポジションに足を揃えるとき、体の回転をしないようにしましょう。つまり、6歩目で両足が開いたときの体の向きをそのままにしたまま7歩目を閉じます。その後、次のフィガーへ準備をします。

 

 

けっこう頑張りましたから、ここで一息つくのはどうですか(笑)。

 

 

よし! 次はフォー・ステップとファイブ・ステップを勉強しましょう。

 

波風立てずに

「まあまあ、そうおっしゃらずに」と険悪な状況を上手に収めてくれる人がいて、「ああ助かった」と思った経験はありませんか? 事を荒立てずに済ますのも大切な知恵のひとつです。

タンゴでも同じような知恵が必要で、ワルツのような波を作らずに踊ります。よく言われる「タンゴではライズ&フォールがない」とはこのことで、頭の高さが(余り)上下運動をしません。

だんだん上手になりスピードあるフィガーを踊るようになると、そのときは風切る音がするかもしれませんが、それまでは、丁寧に踊ることに心を配りましょう。

 

 

 

フォー・ステップ(Four Step)

フォー・ステップはタンゴらしさが溢れているフィガーだと思います。ここではロック・ターンからつなげ男性は左に1/4回転して新LODに進めるようにします。

 

 【男 性】

壁斜めに始め、新LODの壁斜めに終わります。右股関節をゆるめてから~

①左足前進。(Q)
②右足トウを新LODの壁斜めに向けて横少し後ろにステップ。(Q)

③女性をアウトサイドに前進させながら、左足後退。(Q)
④右足を左足横少し後ろに揃えると同時に女性をPPにします。(Q)

 

【フットワーク】 ①H ②BH ③BH ④BH

 

 

 

 【女 性】

壁斜めに始め、新LODの壁斜めに終わります。左股関節をゆるめてから~

①右足後退。(Q)
②左足を横少し前に小さくステップ。足裏全体をピシャッと床に置きます。(Q)

③男性の右外側に右足前進。(Q)
④左足を右足の少し後ろに揃えると同時にPPになります。(Q)

 

【フットワーク】 ①BH ②WF ③H(4歩目でPPになる間、足はフラットにし、PPになる最後にヒールを上げます) ④BH

 

 

  

 

ファイブ・ステップ(Five Step)

フォー・ステップと踊りの中で使い分けられるようにしましょう。ファイブ・ステップと言っても、5歩目はPPになるアクションだけです。

 

 【男女の踊り方】

ステップはフォー・ステップと殆ど同じですが、次の違いをつけましょう。

※4歩目ではスクエアのままでいます。
※4歩目の形になってから、その場で、次の(S)でPPになります。

 

フォー・ステップやファイブ・ステップを踊るとき、初心者も経験者も1歩目にしっかり体重を乗せることを大切にしましょう。2歩目に急いで倒れこまないようにするのが、綺麗に踊るコツです。

 

 

 

 

タンゴの雰囲気とは

「動物的」な動きであって、

スタッカート・アクションがあっても

「機械的」な動きになってはいけません。

(L.スクリブナー)

(「熱心なダンサーへ贈る読むダンス用語集」タンゴの項から抜粋)

 

 

 

 

では、また次号で!

 

 

 

もっと詳しく!(Q&A)

(※読者専用フロアでお答えしたことを、もう少し詳しく説明するコーナーです。)

 

質問:

テレマークスピンでカップルバランスが崩れてしまい、次のピクチャーポーズに上手く入っていけません。どのようにフォローしたら上手くいくのか、悩んでいます。(茨城県 S・K)

 

回答:

高度なフィガーですが攻略法がないではありません。私たちがサークルで話しているのは、まず「内回りと外回りを同じように踊らない」です。

すなわち、後退する内回りの人は静かに踊り、自分で回転しようと思わないこと。

前進する外回りの人は積極的に(女性は「リードを受けての」積極的)。これに気をつけるだけでも踊りが随分楽になります。

 

女性は前半のテレマークでPPぽい形になったところから出ていくとき、「(男性の)左に出ていけ!」という人がいたり教わったりもしますが、もし、本当に男性の左に出ていってしまうと、最後の形に戻るのが死ぬほど大変になります。二人のボディ・ポジションが大きくずれてしまうからです。

実は女性が男性の左サイドに出ていくように見えるのは目の錯覚です。

それを理解するには、「ゆっくり」踊ってみてください。そうすると、女性はリードを受けて男性のボディを転がり、「元のスクエアのポジションに戻る動作をしているだけ」ということが分かります。

この練習法として3歩目でネックを左にしたまま踊ってみましょう。それが良く実感できますよ。頭が出ていこうとすると、肝心のボディが遅れてしまうのです。

 

(ダンスファン2016年5月号連載16タンゴ4おわり)

 

ハッピー・ダンシング!

 

 

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