#452「サークルで上手くなっちゃって、ごめんなさい!」連載17タンゴ5

Spread the love

 

「おしゃべり」「フィガーの説明とヒント」「質問コーナー」と盛りだくさんの話題を通し、個人レッスンに行かれない人やパートナーがいない人でも上手くなれる近道をこっそり教えちゃいます。月刊誌ダンスファン連載記事(2015~2017年、全35回)の復刻版(加筆、修正あり)。

 

#452「サークルで上手くなっちゃって、ごめんなさい!」連載17
タンゴ5 バック・コルテ、オープン・リバース・ターン

 

 

 

 

第3章タンゴが上手くなっちゃって、ごめんなさい!

こんにちは! ウォークスから始まったタンゴは前回で最初のLODが踊れるようになりました。今回は新しいフィガーを二つ勉強します。最初に下図をご覧ください。

 

✅前回までは第1LOD(図の右側)に沿って踊っていました。

✅「スタート」は、フォー/ファイブ・ステップを終えた形です。そこから新LOD(右から左)に、既に習ったクローズド・プロムナードの4歩を踊ります。

✅今回はここからバック・コルテとオープン・リバース・ターンを踊ります。全体では同じ新LODに進むことを図から把握しておきましょう。

 

 

 

 

道中「茶所」はない

長旅ではもちろんのこと、ちょっとした散歩の途中でも、一服して足を休めながら、往来の人々をなんとなく眺めるのも楽しいものです。

残念なことにダンスの途中ではそれがありません。ひとたび踊り始めると、踊り終わるまで休みはないのですが、PPになったり両足が揃ったりするたびに、なぜか「小休止」する人がいます。

ごめんなさい、そこではもう次の旅(ステップ)に出る用意をするところです。一服するのは踊り終わってからにしましょう。

 

 

 

 

バック・コルテ(Back Corte)

両足を閉じたところからなら、いつでも入ることができる便利なフィガーです。今回は新LODにクローズド・プロムナードを踊ったところから入ります。

 

 【男 性】

新LODの壁斜めに始め、中央斜めに終わります。右股関節をゆるめてから~

①左足、左サイド・リードを使って中央方向へ後退。ヒールに下りたときの右足はヒールが上がり、ボールのIEを使っています。(S)
②右足後退。(Q)

③左足を横少し前に、トウを中央斜めに向けてステップ。(Q)
④右足をタンゴ・ポジションに閉じます。(S)
       

【フットワーク】 ①BのIE~H ②BH ③FのIE ④WF 

 

 

🙋‍♂️【ここに気をつけましょう!】

✅すでにこのフィガーを使っている人の中には、1歩目の方向が「少し違う」と感じている人がいることでしょう。なぜなら、1歩目がブルースのときのように真っすぐ後退していないからで、この足型図はサイド・リードを使った形なのです。でも、サイド・リードはタンゴに慣れてくる中で、徐々に練習すれば良いと思います。

「いや、早い時期からサイド・リードを覚えたい」と考えている人は、後半の「男性後退ウォークの特殊なルール」を読んでください。

 

                           
 【女 性】 

逆中央斜めに始め、中央斜めに終わります。左股関節をゆるめてから~

①右足、右サイド・リードを使って中央方向へ前進。(S)
②左足前進。左回転を始めます。(Q)

③右足を横少し後ろへテップ。(Q)
④左足をタンゴ・ポジションに閉じます。(S)

 

【フットワーク】 ①H ②H ③BのIE~H ④WF 

 

 

🙋【ここに気をつけましょう!】

✅始めのうちはブルースのように踊っても良いでしょう。その場合の1歩目は単に「サイド・リードを使わず」ヒールから出ていきます。

 

✅男性がサイド・リードを使ってくると、女性も同じようにサイド・リードを使うことになります。それにうまく対応するには膝と足首を使いながら、男性の動きを体全体で感じ取り、積極的に出ていくことです。

 

✅3歩目は足型図の左足に対する位置と向きを参考に置いてみてください。男性の近くになり過ぎないので、次のステップが楽になることでしょう。

 

 

 

 

オープン・リバース・ターン、レディー・アウトサイド、クローズド・フィニッシュ

Open Reverse Turn, Lady Outside, Closed Finish)

 

驚くほど長いフィガー名です。意味を勉強しましょう。「オープン」とは3歩目で両足が開いているからで、「レディー・アウトサイド」は女性が男性のアウトサイドに出ること。ここでは男性の右外側です。そして、「クローズド・フィニッシュ」は最終歩で両足を閉じることです。

 

 【男 性】

中央斜めに始め、壁斜めに終わります。右股関節をゆるめてから~

①左足CBMPに前進。左回転を始めます。(Q)
②右足を横に置き、背中は壁斜めに向いています。(Q)

③左足、女性を右アウトサイドにリードしながら、LOD方向へ後退します。(S)
④右足後退。女性とイン・ラインに戻りたいので、この足は少し開き気味に後退します。(Q)

⑤左足、横少し前にステップ。(Q)
⑥右足をタンゴ・ポジションに閉じます。(S)

 
【フットワーク】 ①H ②BH ③.BH ④BH ⑤FのIE ⑥WF

 

 

 

 

 【女 性】

中央斜めに始め、壁斜めに終わります。左股関節をゆるめてから~

①右足CBMPに後退。左回転を始めます。(Q)
②左足を横少し前に、トウをLODに向けて置きます。足全体をペタッと置くと次が楽になります。(Q)

③右足を男性の右外側に体を絞って前進します。(S)
④左足、更に前進し男性とイン・ラインに戻ります。(Q)

⑤右足を横少し後ろにステップします。(Q)
⑥左足をタンゴ・ポジションに置きます。(S)

 

【フットワーク】 ①BH ②WF ③H ④H ⑤BのIE~H ⑥WF

 

 

🙋🙍‍♂️【ここに気をつけましょう!】

✅1歩目は (Q)カウントなので、男性は出るタイミングを失わないようにします。そのためには、先行フィガーの最終歩ですぐに、軸足の膝を緩め、次の準備をすることです。これは女性も同じです。

 

✅3歩目で男性と女性がアウトサイドの形になります。お互いに体を絞り「おへそ」を相手に向けるようにします。また、見る方向も大切で、女性は進行方向を、男性はバックミラーで後ろを確かめるような気持ちで逆LODを見ます。

これを話すと、横目で見る人がいますが、それはダメです(笑)。親に「こっちを向いて話しなさい」と怒られたとき、目玉だけを向けなかったでしょ? それと同じです。

 

 

 

 

 

えええーーっ!

 

男性後退ウォークの特殊なルール??

3月号でウォークのルール4つを紹介しました。

①左足前進はCBMPにステップする。
②右足前進は右サイド・リードを使う。
③右足後退はCBMPにステップする。
④左足後退は左サイド・リードを使う。

今回は④に関する経験者向けのお話をします。それがこれです。🔽

 

 

男性が左足後退で左サイド・リードを使うとき、

前足のボールのIEが床に残る。

 

 

通常の後退では前足のトウが床から離れますから、このボールが床に残る形はかなり特殊です。表現を変えれば、タンゴの特徴の一つと言えます。一方、女性が左サイド・リードを使う左足後退は通常の後退と同じになります。ヒールが高いからです。

この特殊な男性の足の使い方は前回のロック・ターンの4歩目に、そして今回のバック・コルテ1歩目に出てきます。

 

では、なぜそう踊るのでしょう? 

前号でも紹介したIDTAのテキストには、その理由を、「前がかりのポイズのため」としています。私自身の記憶のためにも、その部分を書き出しておきます。

 

BACKWARD WALK, Man

“Due to the forward poise, on some steps the heel of the front foot will release, not the toe.

Examples:
1. Step 1 Back Corte.
2. Step 3 Ope Reverse Turn Lady in Line.”

 

 

 

 

ポイズとは「いつでも動き出せるバランス」のことですから、「右足ボールにプレスを感じたまま、左足と左サイドが動いて行く」と考えてみてください。

男性が左サイド・リードを使わないと判断したときや使えない状況にあったときは、前述のルールは適用しません。

 

タンゴを始めたばかりの初心者はサイド・リードをあまり意識しないで、素直に、素直に、ブルースのような感じで踊っていて構わないと思います。

素直な形で踊れること、そして、それを楽しむことの方が大切だからです。また、変な癖をつけてしまわなければ、後に、サイド・リードを使おうとしたとき、すんなり動きが理解できるようになると思います。

 

 

 

 

もっと詳しく!(Q&A)

(※読者専用フロアでお答えしたことを、もう少し詳しく説明するコーナーです。)

 

質問:
私は競技選手で、カップルではいつも一緒なのでスムーズに踊れますが、パーティーなどでは他の人とスムーズに踊れません。どうしたら誰とでもスムーズに踊ることができるのでしょうか。コツがあれば教えてください。(鳥取県 K・K)

 

回答:
フリーダンスでは、相手のリードの大きさや癖などが分からないので、自分のナチュラルなポスチャーを保ち、バランスを壊さないように踊ることが大切です。小さなリードに対してはその形でフォローし、大きすぎるリードや覆いかぶさってくる人に対しては、それをフレームの中で逃がすようにします。それには、両肘の位置をあまり崩さないようにしつつ、両肘と両肩甲骨の力を抜くのがコツです。

下の写真は5月号の「JDC東京コングレス」レポートにに掲載したケニー・ウェルシュとカチューシャの写真です。世界のトップ・コーチャーと組む世界チャンピオンのカチューシャでさえ、アルーナスと同じようには組みません。何が起こるか分からないので、自分のバランスを優先しているからです。

競技選手は決めたルーティンで踊ることが多いと思いますが、安心できる反面、勝手に動く癖もついてしまいます。ときどき、パートナーと「ルーティンを使ってはいけない」練習をする時間を持ってみましょう。パートナーは即興で踊る力が付きますし、あなたは先入観に頼らないでフォローする力がつきますよ。(その意味で、#120 アン・ラクスホルムのレクチャー”KEEP IT HUMAN” (2009) をご覧になることを強くお勧めします)。

 

(ダンスファン2016年6月号連載17タンゴ5おわり)

 

ハッピー・ダンシング!

 

 

Related Post

#047 スロー・レッスン雑学(前編) #047 スロー・レッスン雑学(前編) (Slow Foxtrot Trivia) ダンスビュウ2017年2月号に「スロー・フォックストロット雑学」という記事を書かせていただきました。そこで、当時の原稿に少々手を加えて、ここにお届けしようと思います。   ✅フェ...
#123 ブルースのフィガー 7.クロス・シャッセ...   #123 ブルースのフィガー 7.クロス・シャッセ(Cross Chasse) サイドへのステップから前進(女性は後退)の動きに変わるリズミカルなフィガーで、ともすれば単調になりがちなブルースに変化を与えてくれます。初めのうちは僅かに左回転すると踊りやすいでしょう。クロス...
#339 私とダンスとアレクサンダー・テクニークと(その5.魔法を手にしたのも同然)...   #339 私とダンスとアレクサンダー・テクニークと (その5.魔法を手にしたのも同然) 今回からダンスウイング52号の連載2回目に入ります。ジェレミーさんのお話からハッと気づかされることが多いですが、実はシンプルで当たり前のことばかりと思いませんか? 「それはそうだ」と思...
#410「11.簡単なワルツ」   #410「11.簡単なワルツ」 今回は「モダン・ボールルーム・ダンシング」から「11.簡単なワルツ」お届けします。実際のフィガーの説明も出て来ます。   目次   11.簡単なワルツ (Easy Waltz) ...